『砕け散るところを見せてあげる』 (2021)

ある男子高校生が虐められていた1年の女子高生に声をかけたことから始まる新しい日々。だがそれは本当の現実を隠し持つ女子高生、玻璃(はり)の夢の一片に過ぎなかった ─

砕け散るところを見せてあげる

■ 砕け散るところを見せてあげる ■
2021年/日本/127分
監督:SABU
脚本:SABU
原作:竹宮ゆゆこ
 「砕け散るところを見せてあげる」
製作:井上鉄大 他
撮影:江崎朋生
音楽:松本淳一

出演:
中川大志(濱田清澄)
石井杏奈(蔵本玻璃)
井之脇海(田丸玄悟)
清原果耶(尾崎・妹)
松井愛莉(尾崎・姉)
北村匠海(真っ赤な嵐)
矢田亜希子(清澄の母)
木野 花(おばちゃん)
原田知世(真っ赤な嵐の母)
堤 真一(玻璃の父)

■解説:アニメ化もされた「とらドラ!」「ゴールデンタイム」の竹宮ゆゆこの同名小説を「坂道のアポロン」の中川大志&「ガールズ・ステップ」の石井杏奈主演、「蟹工船」「うさぎドロップ」のSABU監督のメガホンで実写映画化。

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あらすじ

高校3年生の濱田清澄は、ある日学校でひどい虐めが行われているのを目撃する。虐めていた1年生たちに「やめろよ!」と注意し、虐められていた女子生徒、玻璃(はり)に大丈夫かと声をかける。だがその途端、玻璃は叫びながら走って行ってしまった。とても変わった行動に周りの皆はひいたものの、清澄は何か気になるのだった。

それからも、ことあるごとに玻璃をかばう正義感の強い清澄。玻璃も徐々に彼に心を開き、色々なことを話すようになる。玻璃は自分に起きる嫌なことや悲しいことは全てUFOからの攻撃のせいだと言い、清澄は自分はヒーローだから、困っている人は絶対見捨てないと返す。二人は楽しい時間を過ごすようになっていた。

そんなある日、父がもう仕事から帰る時間だからと慌てて帰って行った玻璃。玻璃は父親と祖母との三人暮らしで母親はおらず父親はひどく心配性なのだという。だが翌日から玻璃は学校に来なくなり、次に登校した時には清澄ややっと出来た友達に顔を向けることもせず、声をかける彼らから逃げるように叫びながら走って行ってしまう ─

砕け散るところを見せてあげる

感想

学校の虐めと家庭の問題を一人背負っていた玻璃にようやくヒーローが現れる物語。そのヒーロー清澄は、敵をなぎ倒し、お城に連れて行ってくれるわけではない。ただ優しく声をかけ、心配して見守ってくれている。そんな友だちさえいなかった玻璃には、それだけで清澄はヒーローだった。

時々、玻璃に覆いかぶさるように闇夜に現れる大型UFO。彼女の希望はそれを打ち落とし敵を殲滅することだ。最初は何もできず弱々しく思われた玻璃。けれど色々なことを語り合ううち、彼女の芯の強さを知った清澄は「UFOは二人でやっつけよう。玻璃ならできる」と語りかける。

UFOは自分の弱さを象徴するものであり、自分の前に立ちはだかる敵だ。だが「弱さ」とは?まだ高校生で未成年の二人には、どうしたって大人のもとで暮らす必要がある。だが、その大人がUFOなら?いったい誰に助けを求めればいい?

砕け散るところを見せてあげる

玻璃は最後に砕け散る。でも砕け散ってなくなってしまったのではない。砕け散って無くなったのは”UFO”だ。最後に分厚い殻を破り、中から力強い別の、新しい玻璃が生まれ出た。それをずっと見ていた清澄は、だが、元の赤黒いままの玻璃を一人にしておくのは間違いだとちゃんと知っていた。
ヒーローは、脱ぎ捨てたシャツをまた着なくてはならないのだ。
またヒーローになるために ─

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