ダニエル・ラドクリフ出演作品はどれも外れがなくて、楽しめるものが多い。今回はネットで荒らし行為をして憂さを晴らしているオタクプログラマーのガンアクション・コメディ。両腕に銃をビス止めされたコブラみたいなラドクリフが活躍するよ。
■ ガンズ・アキンボ - Guns Akimbo – ■
2019年/イギリス・ドイツ・ニュージーランド/98分
監督:ジェイソン・レイ・ハウデン
脚本:ジェイソン・レイ・ハウデン
製作:トム・ハーン他
製作総指揮:アレクサンダー・ボージャーズ他
撮影:ステファン・シューペック
音楽:エニス・ロトロフ
出演:
ダニエル・ラドクリフ(マイルズ)
ナターシャ・リュー・ボルディッゾ(ノヴァ)
サマラ・ウィーヴィング(ニックス)
マーク・ロウリー(デイン)
コリン・モイ(クライヴ)
ネッド・デネヒー(リクター)
ハナコ・フットマン(ルビー)
セット・スジョストランド(ファックフェイス)
■解説:
映画.com
「スイス・アーミー・マン」「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフが主演を務め、両手に拳銃が固定された状態でデスゲームに参加させられた男の戦いを描いたアクション。
■あらすじ:
ゲーム会社でプログラマーとして働くマイルズは、ネットの掲示板やコメント欄に過激な書き込みをして鬱憤を晴らしていた。ある日、マイルズは本物の殺し合いを生配信する闇サイト「スキズム」に攻撃的な書き込みを繰り返し、サイトを運営する闇組織のボスを怒らせてしまう。組織に襲撃され気を失ったマイルズが目を覚ますと、両手にボルトで拳銃が固定されていた ─
Guns Akimbo:二丁拳銃
何かと不器用なゲームプログラマーのマイルズ。職場では上司にいじめられ、最近、彼女とも別れてしまって拠り所のない彼は、ビールを飲んではネットで暴言を吐く荒らしの書き込みをして毎日の憂さを晴らしていた。
ある夜、彼が書き込んでいたのは最近ネットで話題の闇サイト「スキズム」。ここは、ローマ時代の剣闘士の試合よろしく、1対1の本物の殺し合いを中継して再生数を稼いでいる危険なサイトだが、非常に人気で人が多く集まっており、試合を見ながらの白熱した書き込みも盛んだ。そこでいつものように悪態の限りをついていたマイルズ。それが運営管理者の目に留まりIPアドレスをたどられて自宅を特定されてしまうことに。
プログラマーなだけにIPアドレスを特定したぞ、という脅しの意味をすぐさま理解したマイルズ。だが慌ててももう遅い。襲撃者はあっという間にやって来た。殴られ気絶させられ、スキズムのアジトに連れていかれたマイルズ。次に気が付いたのは自分の家のベッドの上だったが、何かがおかしい。朦朧としながら自分の腕を見て驚く。両腕に一丁ずつの拳銃がとても荒々しく、腕にそのままビス止めされていた。運営管理者リクターからは「その銃でスキズム最強の戦士ニックスと戦って殺せ。さもなくば死ね」と連絡が入る ─
その腕、痛くないんですか…?というのは置いといて、今回のラドクリフ氏は、とても困ったことになってしまうラドクリフ氏。ゲームのプログラマーなだけにゲーマーではあるものの、本物の”銃”とか、本物の”戦い”とか、本物の”死体”なんかとは全く縁遠い存在だ。腕に銃を付けたまま、とにかく逃げようとするのだが、試合相手の最強戦士ニックスがどんどん間合いを詰めて追って来る。彼女ニックスにもこの試合に勝たなくてはいけない理由があった。
色んな女殺し屋を見てきたけれど、この眉毛の薄いニックスも最高ですよ。もう銃が身体の一部かなんかのように、撃つ、撃つ、撃つ。乗ってる車もかっこよくて、これも身体と一体化でもしてるようにニックスと一緒に走ってく。そのうえ標的の動きは完璧に把握していて、マイルズがどこに逃げようともピタッと現れ容赦なく攻撃してくる。百戦錬磨のこんな女に狙われたら、ものの数分で命が無くなりそうなもんだけど、マイルズはなぜか逃げるのがうまい。うまいというより、本人もそんなつもりじゃないのに運がいいのか事がうまく運んで少々の怪我で逃げてってしまう。
ニックスさんもいらいらしてるけど、さっさと両方に死んで欲しい運営管理のリクターもいらいら。ついにはマイルズの元カノまで拉致して、なんとか決着をつけようとする。それを知らされたマイルズ。まだ元カノを大事に思っている彼はもう我慢できない。今まで自宅のテレビとゲーム機で培ってきた銃の腕前と逃げ足、そして仲間意識とStan Bushの「Never Surrender」でこの戦いに勝つことを誓うのであった ─
でもね、マイルズも言っていたけど、スマホを見ずに街を歩くのは久しぶりだって。だってね、ニックスみたいな怖い顔した女が銃を持って公園を歩いてるんだよ?それを誰も気が付かない。理由はスマホを見て歩いてるから。街中の銃撃戦や車の事故にも反応が薄い、薄い。それはスマホでスキズムみたいなのを見て、現実の世界を全然見てないから。マイルズなんか久しぶりに見る現実の世界こそ、まるで虚構みたいだとまで言ってたわ。今回のこの一連の騒動は彼にいったいどんな影響を与えたのかな。それが知りたい。
ラストを見るに、あんまりいい影響は無かったような気がする…
この映画、小気味のいいガンアクションが見ていて楽しいんだけど、音楽もとても好み。
- 3Teeth「You Spin Me Round」
- Iggy Pop「Real Wild Child」
- Rick James「Superfreak」
- Stan Bush「Never Surrender」
- Enis Rotthoff「Neon Gray」など