『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 (2014) - Edge of Tomorrow

お気に入り作品を次々と書いてくシリーズ。公開後のレンタルで観たきりの久しぶりだったけど、ほとんど初心ですごく楽しめた。戦闘好き、SF好き、パワードスーツ好き、”One Minute!”好き、(トム・クルーズ好き)には堪らない一本。

■ オール・ユー・ニード・イズ・キル
 - Edge of Tomorrow – ■
2014年/アメリカ/113分
監督:ダグ・リーマン
脚本:ダンテ・W・ハーパー他
原作:桜坂洋「All You Need Is Kill」
製作:ジェイソン・ホッフス他
製作総指揮:ジョビー・ハロルド
撮影:ディオン・ビーブ
音楽:ラミン・ジャヴァディ

出演:
トム・クルーズ(ウィリアム・ケイジ)
エミリー・ブラント(リタ・ヴラタスキ)
ビル・パクストン(ファレウ軍曹)
ブレンダン・グリーソン(ブリガム将軍)
ノア・テイラー(カーター博士)
キック・ガリー(グリフ)
ドラゴミール・ムルジッチ(クンツ)
シャーロット・ライリー(ナンス)
ジョナス・アームストロング(スキナー)
フランツ・ドラメー(フォード)
羽田昌義(タケダ)
トニー・ウェイ(キンメル)

■解説:
桜坂洋のSFライトノベル「All You Need Is Kill」(集英社スーパーダッシュ文庫刊)を、トム・クルーズ主演でハリウッド実写化。「ギタイ」と呼ばれる謎の侵略者と人類の戦いが続く近未来を舞台に、同じ時間を何度も繰り返すはめになった兵士が、幾度もの死を経験し、成長していく姿を描く。

■あらすじ:
戦闘に対して逃げ腰な軍の広報担当官ウィリアム・ケイジ少佐は、戦闘経験が全くないにもかかわらず最前線に送り込まれてしまい、あえなく戦死。しかし、死んだはずのケイジが意識を取り戻すと、周囲の時間は戦闘が始まる前に戻っていた。再び戦死するとまた同じ時間に巻き戻り、不可解なタイムループから抜け出せなくなったケイジは、同様にタイムループの経験を持つ軍最強の女性兵士リタ・ヴラタスキに訓練を施され、次第に戦士として成長していく -

映画.com

別題: Live Die Repeat


Contents

見どころと感想

近未来のある時。突然、地球外生命体から攻撃を受け始めた地球は、全地球一丸となって統合防衛軍を組織、応戦するも大きな都市が次々と陥落、人類滅亡の危機に瀕していた。そこで地球を救う最後の頼みの綱として考案、開発された機動スーツ。これを装着したスーパーソルジャーの活躍が少しずつ功を奏し、反撃に転じていくようになった。軍部はメディアを使って市民たちに宣伝、鼓舞する。

そんな仕事を任されていたのがアメリカ軍所属メディア担当ケイジ少佐。テレビカメラの前で仕事をしていた彼にある日、将軍から呼び出しの連絡が入る。現場経験の無い口八丁の広報担当である自分に近々、決行される上陸作戦の現場でカメラを回せ、と。

銃もまともに撃てない彼は「とんでもない」とばかりに、将軍を恐喝もどきの口八丁であしらって丁重にお断りしたつもりになっていたが、すぐさま逮捕。気が付いた時には軍の空港で階級も剝奪され、明日突撃する部隊の一員に組み込まれていた。

さぁ、ここから始まる我らがトムの大冒険(‘ω’)ノ
管理人の大好きな大群の輸送ヘリが空を覆い、緊張感あふれる降下(Two Minutes!One Minute!つき)が始まる。今回の任務も命を張った大戦闘。それも気持ちの悪いギタイ(エイリアン)相手。だがいつもと違う。トムは弱いのだ。機動スーツ初めて、銃は撃てない、身体も動かない、走るのがやっとの状態。そしてあっという間に戦死と相成る。

フランス上陸作成(対エイリアン)

エイリアンにフランスをとられた地球軍はフランスを奪還すべく、北のビーチからの上陸と中国・ロシア軍の東からの攻撃で挟み撃ち作戦を決行。ご存じの通りこの北のビーチからの上陸は、まんま第二次世界大戦のノルマンディ上陸作戦をなぞっている。

ノルマンディ上陸作戦とは
第二次世界大戦中の1944年6月6日に行われたオーバーロード(大君主)作戦を指す(Operation Overlord)。ナチス・ドイツによって占領された西ヨーロッパへの侵攻作戦。最終的に、300万人近い兵員がドーバー海峡を渡ってフランス・コタンタン半島のノルマンディーに上陸した。史上最大の上陸作戦であり、その後これを超える規模の上陸作戦は行われていない。

Wikipedia:ノルマンディー上陸作戦

詳しくは下記記事で↓

今回の上陸作戦は以前と違い戦況は圧倒的に劣勢で、ビーチに釘付けのまま味方はどんどん戦死していく。このビーチでの上陸作戦成功が地球を取り戻すカギとなる。

戦死してしまったトム…。だが、次の瞬間、軍の空港で目を覚まし、階級剥奪からまたも同じ時間が始まる。周囲の人間の言動は全く同じで、ただ自分がそれを全て未来でも見てきたかのように知っているという事態に。これを何度か繰り返すうち、軍の英雄リタも同じタイムループを経験したことを知ったケイジ。彼らはこの戦争で勝ち、地球を奪還するためには共にビーチからギタイのラスボスのところに移動し、それの息の根を止める必要があることに気が付く -


何度も何度も生き返り、やり直し、訓練を積むことで情けないケイジがいつの間にかトムに変身。地球のため、未来のため、任務遂行に邁進していく。
思えばトムさん『宇宙戦争』でも最初のダメ親父から、危機の中でいつしか頼れるパパに変身していってたなー。

本作は、何度もタイムループが繰り返し起きる。それを起こってしまう事故としてではなく、利用し支配していこうとするまでが特に面白くて目が釘付けになる。タイムワープ物は苦手だけれど、本作はそう難しい話ではなく、過去ではなく未来を変えていくお話だから、おかしなことにならないんだよね?ね…?

そして終盤1/4くらい。残念ながらラスボスに到達する頃には結果が想像できてしまうって事と相まって、いつものトムさんだから何となく普通の作品に。
けれどもラストのラスト、エンディングが大好きな『ボーン・アイデンティティー』風なものですから、監督、ダグ・リーマン好きな者の好みをよくわかってらっしゃる~って思わずつぶやいてしまった(*’ω’*)。思えば色恋沙汰より任務が大事、けれどもすこーし交わる目線みたいな流れがボーンだね。

監督 ダグ・リーマン

Doug_Liman

アメリカ合衆国ニューヨーク州出身の映画監督・映画プロデューサーである。父親は著名な弁護士アーサー・L・リーマン。ブラウン大学と南カリフォルニア大学の大学院で学んだ。2002年の『ボーン・アイデンティティー』が大ヒットした。

Wikipedia

■主な作品

  • キル・ミー・テンダー(1994) 監督
  • スウィンガーズ(1996) 監督・撮影
  • go Go (1999) 監督・撮影
  • ボーン・アイデンティティー(2002) 監督・製作
  • ボーン・スプレマシー(2004) 製作総指揮
  • Mr.&Mrs. スミス(2005) 監督
  • ボーン・アルティメイタム(2007) 製作総指揮
  • ジャンパー(2008) 監督
  • フェア・ゲーム(2010) 監督・製作・撮影
  • オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014) 監督
  • ザ・ウォール(2017) 監督
  • バリー・シール/アメリカをはめた男(2017) 監督
  • カオス・ウォーキング(2021) 監督
  • ロックダウン(2021) 監督・製作総指揮
  • Live Die Repeat and Repeat (TBA) 監督

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