『ゲスト』(2009) - The Uninvited –

韓国ホラー『箪笥〈たんす〉(2003)』をハリウッドリメイク。
火事で母親を亡くした姉妹が、父親の恋人から心理的に追いつめられてゆく。

The Uninvited_03

■ゲスト - The Uninvited -■
2009年/アメリカ・カナダ・ドイツ/88分
監督:ザ・ガード・ブラザーズ
脚本:クレイグ・ローゼンバーグ他
製作:ウォルター・F・パークス他
製作総指揮:マイケル・グリロ他
音楽:クリストファー・ヤング

出演
エミリー・ブラウニング(アナ)
アリエル・ケベル(アレックス)
エリザベス・バンクス(レイチェル)
デヴィッド・ストラザーン(スティーヴン)
ケヴィン・マクナルティ(保安官)

解説:
驚愕のエンディングが話題となった2003年製作の韓国製ホラー映画『箪笥〈たんす〉』をハリウッドでリメイク。本作で呪われた姉妹に扮したのは、『エンジェル ウォーズ』のエミリー・ブラウニングと、『呪怨 パンデミック』のアリエル・ケベルの2人。ハリウッド版は直接的な恐怖描写が多く、エピソードを積み重ねて観客の恐怖心を煽った韓国版との違いも興味深い。
 (スター・チャンネル)

あらすじ:
The Uninvited_10病で寝たきりの母親を火事で亡くしたアナ。
そのショックからしばらく精神科に入院していたが、ようやく退院の日が来た。迎えに来てくれた父親と気分も晴れやかに、姉アレックスの待つ湖畔の自宅に戻ったアナだったが、そこには家を切り盛りしている父親の恋人レイチェルがいた。レイチェルは母親に付いていた看護師だった。
そんなある夜、アナは母親の霊を目撃。何かを訴えかけるようなその仕草に、母親が死ぬことになった火事はレイチェルが起こしたものでは無いかと疑いだし、アレックスと一緒に真実を探し始める-


『箪笥』〈たんす〉(2003)に続いて、主役のエミリー・ブラウニングに興味もあり、ハリウッドリメイク版である本作を観てみた。リメイクと謳ってはいるが、ベースにしたくらいが妥当ではないかという印象。全体的にはハリウッド作らしく、うまくまとまっている。

The Uninvited_08病に倒れ寝たきりであった母親を火事で亡くしたアナとアレックスの姉妹。
勝ち気な姉アレックスは何とか持ちこたえたが、大人しい妹アナは神経を病み、1年近く精神科に入院していた。そのアナが主治医の許可のもと退院が決まり湖畔にある屋敷に帰ってくるが、家を切り盛りしていたのは母親の看護師だったレイチェル。彼女は今では父親の恋人であった。
家の様子はレイチェル好みに変えられ、父親も取られてしまったように感じるアナは、それが気にくわない。アナの居ない間の様子をアレックスから聞くにつけ、ますます不満に思う毎日を過ごす。

The Uninvited_09そんなある夜、自分の部屋で焼けただれた女の霊を目撃。また別の夜には母親が亡くなったボート小屋で、何かを訴えるようにさまよい出た母そのものの霊を見てしまう。怖がったアナだったが、何かを言いたげにレイチェルの居る母屋を指さす母親の霊に、母親の死の真実を暴くことを決意する。
早速、アレックスに相談したアナ。姉も同意し、行動に移す2人。
レイチェルの素性を調べるため、彼女の部屋を家捜しし、大量の睡眠薬などおかしな物を見つけた2人。あわせて火事が起きるところを全て見ていたと言う、友人マットの話を聞くために夜遅く待ち合わせる。しかし待ち合わせ場所に来ないマットを心配しているアナの部屋に、背骨が折れて化け物のようになったマットがやって来る。そして翌日マットの遺体が海から引き上げられた-。

The Uninvited_07おかしな怪奇現象が起きる中、自分の過去を調べられていると気がついたレイチェルは、隠しもしない敵意を持って2人の命を奪わんばかりの攻撃をしかけてくる。何を言っても信じない父親。警察に訴えてもどうにもならない。
2人はレイチェルの秘密を暴くことが出来るのか?
母親を死に追いやった者とは?


The Uninvited_15エミリー・ブラウニング(アナ)
何故かは分からないが、その動きに目を離せなくなる、不思議な魅力を持つ女優さん。
最近観た『エンジェル ウォーズ(2011)』と同じような設定で、ちょっと笑ってしまったが。
 詳しくはこちらの記事をご参照下さい。

The Uninvited_13姉妹が主役かと思っていたら段々と継母にシフトし、やがて登場人物全員ちょっとおかしいよ、と思わせながら物語が進んでいく『箪笥』に比べ、こちらははるかに単純化、狂気もあまり感じられず、分かりやすい話となっている。リメイクだからきっと誰かがあれだよなぁ、と考えながら観ていたからよけいそう感じられたのかもしれない。
ベースは、どちらも「父親への愛情」。それをスパっと分かりやすく表現しているのも本作『ゲスト』。
『箪笥』はアジア映画らしく、したたるほどじめじめしている。

この2作品を観る機会がもしあれば、単純明快な本作『ゲスト』→より複雑で怖い『箪笥』の順で観賞されることをお勧めします。

ではまた

  

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