16才、罪を知るには若すぎる。
-罪を犯したのはハンナ。-しかし、その実体は!?
■ハンナ - Hanna -■
2011年/アメリカ/112分
監督:ジョー・ライト
脚本:セス・ロックヘッド、デヴィッド・ファー
原案:セス・ロックヘッド
製作:マーティ・アデルスタイン、スコット・ネメス、レスリー・ホーララン
製作総指揮:バーバラ・A・ホール
音楽:ケミカル・ブラザーズ
撮影:アルバン・A・カルチャー
出演:
シアーシャ・ローナン(ハンナ)
エリック・バナ(エリック・ヘラー)
ケイト・ブランシェット(マリッサ・ウィーグラー)
トム・ホランダー(アイザックス)
オリヴィア・ウィリアムズ(レイチェル)
ジェイソン・フレミング(セバスチャン)
ジェシカ・バーデン(ソフィー)
アルド・マランド(マイルズ)
ガドラン・リッター(エリックの母親)
マルティン・ヴトケ(ネプラー/Mr.グリム)
■解説:
「つぐない」のジョー・ライト監督が、同作でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンを主演に迎えて贈るサスペンス・アクション。世界各地を舞台に、殺人マシーンとして育てられた少女の活躍を描く。共演は「スター・トレック」のエリック・バナ、「ロビン・フッド」のケイト・ブランシェット。 (キネマ旬報)
Contents
■あらすじ:
フィンランドの山奥にひっそりと住む父と娘。
父親はCIA工作員の過去を持ち、現在は元同僚達に命を狙われている身。娘はそんな父親に人里離れた山小屋で育てられ、銃や格闘技をはじめとするあらゆる戦闘テクニックを教え込まれた。
そして父を凌ぐほどの戦闘能力を備えることが出来たとき、娘は父の元を離れ、父を付け狙うCIAエージェントのいる場所を目指し行動を開始する-
見どころと感想
雪と氷で閉ざされた地、フィンランドの山奥で、まるで中世のような生活を送る父娘。
父親は料理の仕方や勉学、ヘラジカの捕まえ方やさばき方の他に、銃の使い方や格闘技など、戦闘テクニックの全てを娘に教える。父親は元CIA工作員。訳あって、今は世間から隠れている身であるが、娘を相棒として育て上げた暁には、自分を陥れた元同僚のCIAエージェントへの復讐を目論んでいる。
16歳になった娘は、もはや父を凌ぐほどの技を手にし、いつでも準備はOKだ。
なかなか娘の独り立ちを決心できない父親だったが、娘はGOのボタンを押す。それは、CIA工作員が持つ、非常時に自分の居場所を教えるための小さな装置であった。
ここから舞台は一変。雪の中の山小屋にCIAが手配した急襲部隊が襲ってくる。父親は既に脱出済み。残った娘は2人ほど倒した後に、わざと捕まり基地へと連行される。父娘が目的とする人物マリッサ・ウィーグラーに近づくために-。
任務を完了し、基地を脱出したハンナ。
父親の待つベルリンの‘グリムの家’を目指し、舞台はCIAの地下秘密基地からモロッコの砂漠、ドイツへと移っていく。道中、マラケシュの宿の主人に世話になり、アメリカからの旅行者家族であるソフィー家のキャンピングカーにも乗せてもらった。
後は計画通り、父親と再会するだけであったが、CIAが放った追っ手が2人を追い詰めていく。
世話になった宿の主人は拷問されたあげく、殺された。ソフィー一家もつかまりハンナの行き先を執拗に尋問されるが-。
ソフィー
ハンナと同じ年頃のアメリカ娘。何かに付け親に反抗する一番手を焼く時期の娘さん。モロッコに来て、グレース・ケリーにかぶれたりもしている。
一人で旅するハンナを最初は変わった子だと思っていたが、徐々に気に入り、親友とさえ思うようになる。
このソフィーの家族はハンナに親切にしたがために、CIAに拉致され尋問を受ける。
しかし親子共々、不平や恨みを言うでもなく、CIAの尋問をやり過ごしている。他に尋問された者達は結局は殺されてしまったが、この一家はどうなったのだろうか?
この映画を観終わった後、おかしなことに子供の頃考えていた、変な事を思い出した。
こんな事、文章にするのも初めてだけど、それは
「ある日、目が覚めたら、自分が忍者になっていて、学校(小学校)でいきなり壁や天井を歩き出したら、みんなびっくりするだろうな」とか、「今日、家に帰ったらなぜかバレリーナが着るチュチュが買ってあって、今日から自分はバレリーナになる」とか。 あぁーー…。
ここから先↓はネタバレ気味になる可能性が
なんでこんな事思い出したんだろう、と考えているうち、なんと思いついたんです。
この「ハンナ」という物語は全てソフィーの妄想ではないか
妄想と言うよりは、夢を見るお年頃のソフィーが作った物語なのではないかと。
そう考えると色々な?のところに説明がつく。
1. 雪深い山小屋に住む父娘
- 銃の練習に使う弾はどこで調達したんだろう。そもそもお金は?
- 図鑑1冊で勉強していたようだが、本当にそれだけで外の世界に通用した?
- 娘のカルチャーショックが無さすぎ
2. やけに親切な宿の主人
- 素性も分からない子供をただで泊めてあげるとは、ちょっと信じがたい。
3. 美しい敵と変な追っ手
- 絵に描いたような美しいCIAエージェントと怪しいクラブを経営しているCIAの手先
- このエージェントが最後に履いていた靴がグレース・ケリー風
4. ソフィー家以外は殺された
- 宿と‘グリムの家’の主人、エリックの母親は惨殺されたが、
- ソフィー家は無事(らしい)
5. ‘グリムの家’
- 山小屋以外は知らないのに、着々とヨーロッパ内を移動するハンナ
- 父親との再会場所が‘グリムの家’というのも可愛らしい
6. ケミカル・ブラザーズ
- 音楽を全て担当。夢の世界のシャープなダークファンタジーさが溢れている。
7. そもそもの設定が
- 元同僚に命を狙われている元CIAの父親とかカッコよすぎ
- 胎児に操作しても不死身の兵士は作れない
ソフィーは普通の今時の女子高生。現実的でありながら、半分は夢の中で生きているお年頃。
そんな唯一無二の時代に考える
もし私が儚げな美少女だったら、、
もし私の親がこんな人だったら、、
もし私の境遇がこんなに不幸だったら、、
もし私を助けてくれる親切な人がいたら、、
もし私にこんな力があったら、、
もし、もし、もし、、、
あ~、なんか覚えがあるぞー。
子供の頃、考えたことがありませんか?…ありません?…そうですか…
ではまた
監督 ジョー・ライト
ロンドン出身。
Wikipedia
2005年に長編映画初監督作品でもある『プライドと偏見』で高い評価を受け、一躍注目を浴びる。この作品で英国アカデミー賞新人賞などを受賞。2007年の『つぐない』は第64回ヴェネツィア国際映画祭のオープニング上映となった(オープニング上映された監督の中では史上最年少の年齢でもある)。『つぐない』は第65回ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)を受賞した。
■監督作品
・プライドと偏見 Pride and Prejudice(2005)
・つぐない Atonement(2007)
・路上のソリスト The Soloist(2009)
シアーシャ・ローナン
アイルランドの女優。1994年生まれ。
Wikipedia
アメリカ合衆国のニューヨーク市に生まれる。両親は共にアイルランド人で、父親のポール・ローナンは俳優。3歳の時に両親と共にアイルランドのカーロウ州に移り住んだ。
9歳の時に子役としてキャリアをスタートさせ、アイルランドのテレビシリーズなどに出演した。2007年公開の『つぐない』で13歳という史上7番目の若さでアカデミー助演女優賞にノミネートされて注目を集めた。2009年12月公開のピーター・ジャクソン監督作品『ラブリーボーン』の主役に抜擢され、放送映画批評家協会賞若手俳優賞、ラスベガス映画批評家協会賞若手俳優賞など多くの賞を受賞した。 (Wiki)
■主な出演作品
・つぐない Atonement(2007)
・奇術師フーディーニ 〜妖しき幻想〜 Death Defying Acts(2008)
・エンバー 失われた光の物語 City of Ember(2008)
・ラブリーボーン The Lovely Bones(2009)
・ウェイバック -脱出6500km- The Way Back(2010)
・ザ・ホスト The Host(2013)
コメント
コメント一覧 (2件)
しげちゃんさま
こんばんは。コメントを頂きありがとうございます。
こちらこそ拙い文章の映画作品紹介ブログですが、
どうぞよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
以前から、詳細な解説を加えた映画紹介に驚き、
私も訪問させて頂いておりました。
拙いブログですが、これからもよろしくお願いします。