『ゾンビ・リミット』(2013) - The Returned –

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ゾンビに人間的感情が残っていたとかのゾンビ映画がありますが、そのもう一歩先を行ったのがこの作品で、とうとう人類はワクチンを開発してゾンビ・ウィルスを抑える治療法を手に入れる。ゾンビもの作品は対立する人間ドラマが見どころでもある。治療法を手に入れたこの作品もそっちに向かっていきますよ

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■ ゾンビ・リミット - The Returned – ■
2013年/スペイン・カナダ/98分
監督:マヌエル・カルバージョ
脚本:アテム・クライチェ
製作:フリオ・フェルナンデス 他
撮影:ハビエル・サルモネス
音楽:ジョナサン・ゴールドスミス

出演:
エミリー・ハンプシャー(ケイト)
クリス・ホールデン=リード(アレックス)
ショーン・ドイル(ジェイコブ)
クローディア・バソルス
バリー・フラットマン
メリーナ・マシューズ
ポーリーノ・ヌネス

解説:
「REC」製作チームが放つ、最新型ゾンビ映画。〈シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2014〉にて本邦初上映。
(公式サイト)

あらすじ:
ワクチンを開発することでゾンビウィルスの大流行を抑えた人類。ワクチンを48時間毎に打つことでゾンビ化を抑えるのだが、彼ら“リターンド”を危険視する反リターンドが台頭、過激なデモが起き始める。そんな中、ワクチン製造が出来なくなってきているという噂が囁かれ始め ―


The_Returned-movie2013_18-2何が原因だったのか、ある時、人類を襲ったゾンビ・ウィルス。感染者に噛まれたり、感染者の血液が体内に入れば12時間もすると完全にゾンビ化する恐怖のウィルス。だが研究者は感染者の髄液から“リターンド・タンパク質”を取り出し培養することに成功、ワクチンが仕上がった。これにより、感染後数時間のうちにワクチンを打ち、しばらく治療するとゾンビ化を防ぐことが出来るようになる。だが体内にはウィルスが残ったままであることには変わりなく、ワクチンを一生48時間毎に打ち続けることが必要に。ワクチンを打っている限り、普通の人間となんら変わりない。

The_Returned-movie2013_11彼らウィルス保持者=キャリアは“リターンド”と呼ばれるようになった。
家族や恋人、友人にとっては自分たちの世界に帰って来てくれた大事な人。だが、このウィルスを必要以上に恐れる者にとっては近付いて欲しくない、出来ればこの世に存在して欲しくないモノであった。かくして“反リターンド”なる人々が集まり始めた。治療する病院の前で抗議のデモが始まり、あちこちで暴動が起きる。
そして時を同じくして、ワクチン製造がしばらく止まるとの噂が流れ始め、リターンドとその家族はワクチンが無くなるのではないかとの恐怖に怯え、反リターンドはとうとうリターンドの抹殺を始める。再び混乱し始めた世界。

そんな中、愛し合う医師ケイトとリターンドのアレックスは、手に入るありったけのワクチンを持って街を出るが ―

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黒ずくめの恰好に覆面をして、治療のため入院しているリターンドを殺してまわる“反リターンド”。
この顔を隠す覆面と黒ずくめの同じ恰好は、個性を殺した“誰でもない”事を、もしくは皆が同じ考えである“誰でもある”事を表現しているのか。どちらにせよ非常に残忍で卑怯なやり方だ。殺される側はなんの言われも無く殺されるというのに、命を奪いに来る相手の名前はおろか顔を確認することも出来ないなんて、こんな不公平なことはない。

だがしかし、この作品で不公平なのは反リターンドだけではなかった。
ケイトは医師である立場を利用して、恋人のためにワクチンを裏ルートで手に入れる。ケイトはリターンドの治療が専門の医師なのだ。彼女には多くの患者がいる。だがもうすぐ手に入らなくなるだろうワクチンは全て恋人のために。恋人のために誰かに回るはずのワクチンを奪ったことになる。
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ゾンビもの作品というのは、ほとんどがパニック映画でもあるので、登場人物たちの言動がとても重い・・・ものが多い。この作品もゾンビウィルスを何か他のウィルスに簡単に置換えることができる。
あまりやりたくないけれど..  

さーて今年も〈シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション〉のレンタルが始まりました。次々と観ていく予定です!

毎年秋は、日本でも
“シッチェス映画祭”ファンタスティックセレクション

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