『ヒア アフター』(2010) - Hereafter –

大事なのは「今を生きる」ということ

■ヒア アフター -Hereafter-■
2010年/アメリカ/130分
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ピーター・モーガン
製作:ロバート・ローレンツ、キャスリーン・ケネディ、クリント・イーストウッド
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、ティム・ムーア他
音楽:クリント・イーストウッド
撮影:トム・スターン

出演:
マット・デイモン(ジョージ・ロネガン)
セシル・ドゥ・フランス(マリー・ルレ)
フランキー・マクラレン、ジョージ・マクラレン(マーカス/ジェイソン)
ジェイ・モーア(ビリー・ロネガン)
ブライス・ダラス・ハワード(メラニー)
マルト・ケラー(ルソー博士)
ティエリー・ヌーヴィック(ディディエ)
リンゼイ・マーシャル(マーカス、ジェイソンの母親)
デレク・ジャコビ(本人役)

■解説:
死に直面した3人の男女が、それぞれの苦悩を乗り越えて懸命にいまを生きようと模索する姿を、名匠C・イーストウッド監督が心優しく見つめた感動のヒューマン・ドラマ。
(WOWOW)

■あらすじ:
パリの女性ジャーナリスト マリーは東南アジアでバカンス中、津波に遭遇し九死に一生を得る。が、その時の臨死体験を忘れることが出来ず、次第に仕事に集中できなくなっていく。
サンフランシスコの工場で働くジョージ。彼はかつて死人と話すことが出来る霊能力者としてもてはやされたが、今は自分の能力ゆえに人と関わらない孤独な毎日を送っている。
ロンドンの双子の兄弟ジェイソンとマーカス。母親思いの仲のいい二人だが、母親は酒とドラッグに溺れている。そんなある日、兄のジェイソンは交通事故にあい亡くなってしまう-


死に直面し、死に囚われた3人が主人公。
その毎日は、分かり合える人もなく、孤独に苛まれた苦悩の日々で、表情にも影が張り付く。
それは「生きている」というよりも生と死の狭間をさまよっているようだ。

Contents

マリー(セシル・ドゥ・フランス)

女性ジャーナリストとして成功したマリーは、恋人もいて順風満帆だ。毎日に張りがあり、生き生きとしていた。だが、恋人とのバカンス旅行で津波にあい、臨死体験のようなものを経験してから一切が変わってしまった。
その時の光景が頭から離れず、仕事にも身が入らない。恋人に相談しても分かってもらえるはずもなく、次第に孤独になっていく。テレビの番組もおろされ行き詰まった時にネットで「臨死体験」研究者の存在を知る。
そして行動する-。

演じたのはセシル・ドゥ・フランス。ベルギー出身の女優で主にフランスの舞台や映画、テレビで活躍している。主な作品に『スパニッシュ・アパートメント(2002)』『80デイズ(2004)』『少年と自転車(2011)』がある。
常々感じているのだが、どうしてヨーロッパの女優さんというのはこうも自然なのだろう。笑い顔、泣き顔、歩いている姿どれをとっても、街角ですれ違った人のように自然で親しみやすい。対してハリウッドの女優さんは「私演じてます」と言わんばかり。これは作品や撮り方、化粧の有無の違い、なのか?

ジョージ(マット・デイモン)

子供の時に出た高熱が原因で「死者と語れる者」になったジョージ。一時はその能力を使って事業にし、メディアにもてはやされ、お金も稼いでいた。が、手に触れるだけで感じてしまう死者にまつわる過去-。聞きたくなくても聞こえるがゆえに、どんどん人を遠ざけ、自分は呪われていると感じていく。
そんなある日、ある出来事をきっかけに旅に出る。ずっとファンだった作家の住んでいた家などを観光し、気分もいくぶん晴れやかになる。そして行動する-。

マット・デイモン-。
こちらの記事でも少し触れたが、ボストンを舞台にした『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997)』の脚本(ベン・アフレックと共同執筆)、出演で注目された。脚本はアカデミー脚本賞を受賞し、俳優としてはアカデミー主演男優賞にもノミネート。
その後、『レインメーカー(1997)』『プライベート・ライアン(1998)』『リプリー(1999)』などに出演。多彩な役柄に挑戦している。
この頃は日本でまだジミー大西に似てるとか言われていたが、、
-2002年『ボーン・アイデンティティ The Bourne Identity』出演。

どうですか。
なんといってもこの作品で世界中にその名を知らしめ、女性ファンならず男性をも虜にしたに違いない。
『リプリー』の繊細さに敵なしの格闘技と銃の技。その上、記憶を失っているとは、、ぐぬぬ、これ以上の主人公設定は無いであろう。その主人公にマット・デイモンを持ってくるとは、製作側はなみなみならぬプロと見た
モービーの「エクストリーム・ウェイズ」で終わるエンディングは、自分にとって最高の締めくくりの一つとなっている。もちろんCDも持っている。


ボーン4作目には出ていないし、残念だなぁ。4作目のケネス(ジェレミー・レナー)と絡んだ5作目なんてどうだろうか。体力の続く限り、やって欲しい。。

マーカス(フランキー・マクラレン、ジョージ・マクラレン)

大事な分身ジェイソンを失ったマーカス。
その内なる悲痛な叫びは、誰にも届かないのか?
マーカスにとって聞いて欲しいのはジェイソンのみ。そこで彼は大胆な行動に出る。-

フランキーとジョージのマクラレン兄弟はこの役をこなし、観客の涙を誘ったことだろう。

酒とドラッグに溺れ、福祉局に子供を取られそうになっている二人の母親にリンゼイ・マーシャル。
悲惨な役どころだが、イーストウッドは悲惨に見せない。兄弟は母親をかばい、なんとかそれに応えようとする母親。そこに強い絆が見てとれ、最悪の状況の中にも一筋の光が見える。
リンゼイ・マーシャルはアメリカのドラマ『ROME[ローマ](2005~2007)』(HBO、BBCが共同制作)で一風変わったクレオパトラ役を演じている。


監督はクリント・イーストウッド

クリント・イーストウッド・ジュニア(Clint Eastwood、本名:Clinton Eastwood, Jr.、1930年5月31日生まれ)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州、サンフランシスコ出身の映画俳優、映画監督、映画プロデューサー、作曲家、政治活動家。公称身長188 cm。
俳優として数多くの西部劇やアクション映画に出演し、トップスターの地位を確立した。監督としても『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞作品賞と監督賞を2度受賞するなど、現代のハリウッドを代表する人物と目されている。(Wiki)

ClintEastwood
帰属: Fanny Bouton

1950年代、兵役後にサウス・カリフォルニアに移住し映画界に入る。
不遇の時代を経て、TVシリーズ『ローハイド(1959~)』で人気者に。その後、マカロニ・ウェスタンを中心に出演。刑事ハリー・キャラハンを演じた『ダーティハリー』は1971年。
監督業としても長く、1作目は1971年の『恐怖のメロディ』。主人公に異常なまでに執着するストーカーの恐怖を描くスリラー作品である。その後も監督と俳優を両立させ、1986年にはカリフォルニア州西海岸にあるカーメル市市長に当選、1期2年間務めた。

彼の人生はなんと充実したものであろうか。
次々に追いかけ、行動し、チャレンジしていく。そして自分の糧とし、作品として世に残していく。
いったい何人分の人生を送っておられるのだろうか。

■主な監督作

1971
恐怖のメロディ
Play Misty For Me
●
1973
荒野のストレンジャー
High Plains Drifter
●
1975
アイガー・サンクション
The Eiger Sanction
●
1976
アウトロー
The Outlaw Josey Wales
●
1977
ガントレット
The Gauntlet
●
1982
ファイヤーフォックス
Firef label ox
●
1983
ダーティーハリー4
Sudden Impact
●
1985
世にも不思議なアメージング・ストーリー
Amazing Stories
 
ペイルライダー
Pale Rider
●
1986
ハートブレイク・リッジ 勝利への戦場
Heartbreak Ridge
●
1988
バード
Bird
1990
ルーキー
The Rookie
●
1992
許されざる者
Unforgiven
●
1993
パーフェクト・ワールド
A Perfect World
●
1995
マディソン郡の橋
The Bridges of Madison County
●
1997
真夜中のサバナ
Midnight In the Garden of Good And Evil
 
目撃
Absolute power
●
1999
トゥルー・クライム
True Crime
●
2000
スペース・カウボーイ
Space Cowboys
●
2002
ブラッド・ワーク
Blood Work
●
2003
ミスティック・リバー
Mystic River
2004
ミリオンダラー・ベイビー
Million Dollar Baby
●
2006
父親たちの星条旗
Flags of Our Fathers
 
硫黄島からの手紙
Letters from Iwo Jima
2008
チェンジリング
Changeling
 
グラン・トリノ
Gran Torino
●
2009
インビクタス/負けざる者たち
Invictus
2010
ヒア アフター
Hereafter
2011
・エドガー
J.Edgar
●は出演作

本作『ヒア アフター』の不運な3人の主人公たち。
そんな3人のうねるような運命が一つになった時、影を落としていた表情に華やぎが戻る。
が、これは運命のせいではない。
本人達は気がついてはいないが、自分の人生を変えたいという内なる願望のもと、知らず知らずのうちに行動し、自分の力で勝ち取った。

タイトルの『Hereafter』の意味は「あの世、来世」の他に「これから先、今後、将来」という意味もある。

ではまた

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • 球頭男さん
    寄って頂き、ありがとうございます。ブログもほめて頂いて恐縮です。。
    **
    『ヒア アフター』観られたんですね。イラストレビューが楽しみです!
    私もブログを始めてやっと3ヶ月の初心者です。
    最初はどうなるかと思ってましたが、始めて間もない頃にリンクのお願いなんかに
    気持ちよく応えて下さった方々のお陰でここまできました。
    これからもよろしくお願いいたします。

  • momorexさん
    ボクのつたないブログにコメントしてくださってありがとうございます。
    なにぶん超初心者なもんで手探り状態の悪戦苦闘中なんですけど、
    momorexさんのブログはとてもキレイでめちゃくちゃ読みやすいですね!
    いや~うらやましい!
     
    実は『ヒア アフター』はちょうど昨日観たところでして、
    敬愛してやまないイーストウッド師匠の底力に感嘆していたところであります。
    近々ボクのブログでもイラスト付きでレビューするつもりですので、
    よければまたいらしてください。

  • まとめteみた.【『ヒア アフター』(2010) – Hereafter -】

    大事なのは「今を生きる」ということ■ヒアアフター-Hereafter-■2010年/アメリカ/130分監督:クリント・ド脚本:ピーター・モーガン製作:ロバート・ローレンツ、キャスリーン・ケネディ

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