『セカンド・ハウス』(2012) - El Campo –

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5年も空き家だった田舎の古い一軒家。自然の中でゆっくりと休養するはずが、その家と周りの寂しい風景に次第に不安定になっていく妻。これは都会に戻る時には夫婦のどっちか一人になってるんだろー、ふ・ふ・ふっと予想していたけれど違いましたねー。幽霊を連れて帰っちゃった?ホラー映画じゃ無いからこれも違いますー
 

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■セカンド・ハウス - El Campo -■
2012年/アルゼンチン・イタリア・フランス/85分
監督:エルナン・ベロン
脚本:エルナン・ベロン 他
製作:ジョルジオ・マグリウロ 他
撮影:ギレルモ・ニエト
音楽:アントニオ・フレッサ 他

出演:
ドロレス・フォンシ(エリサ)

レオナルド・スバラグリア(サンチャゴ)
マティルダ・マンサーノ(マティ)
ポチ・デュカス(管理人)
フアン・ビジェガス(管理人夫)

解説:
自然に包まれたバカンスを過ごしたいと、郊外に中古のセカンドハウスを購入した夫婦。だが、妻だけはなぜか古びた家の空気に嫌なものを感じ始める。アルゼンチン発の心理サスペンス。ホラー映画のように明確な怪奇現象が起きるわけではないが、《嫌な雰囲気》によって夫婦仲に亀裂が生じていく様が、緊張感あふれる描写で綴られる。主演は「10億分の1の男」など地元アルゼンチン出身の国際派スター、L・スバラグリア。(WOWOW)
 
あらすじ:
都会の喧噪を逃れようと郊外にセカンドハウスを購入したエリサとサンチャゴ夫婦。幼いマティを連れて早速訪れたが、長い間空き家であったその家は、とてもすぐに住めるような代物では無かった。それでも少しずつ修理しながら住み始めた夫婦だったが、妻のエリサは家の中の不気味な雰囲気を感じ取り、次第に機嫌が悪くなっていく ―


El_campo_25じゃじゃ~ん、着いたよー!見て見て、どうだ?いいだろう?ほらー、この木は100年はたっているんだぞー
憧れの田舎の一軒家を手に入れはしゃぐ夫と、遠いこと、周囲の寂しい風景、鳩が住んでる窓の破れた小さなぼろ家にうんざり気味の妻。
こんな所に子供を寝かせるんかい、と思わず出そうな言葉を飲み込んで、その夜は眠りについたけど、家がきしむ音、配管が鳴る音、窓ガラスの代わりに張られたビニールのパタパタ音が不気味で怖くてすぐに目が覚める。
こんなの、休養でもバカンスでもなんでもない!余計に仕事が増えるだけじゃない!
 
El_campo_18こういう感じ。夫婦でよくありますよね?夢見る夫と現実的な妻とのギャップ。
妻エリサは夫サンチャゴを愛しているけど、子供が出来て仕事を辞め、育児に追われる毎日にストレスがたまりまくり。それなのに2人目が欲しいとか言い出している夫の言葉はきっぱりと無視していた。やっと取れた夫の休暇。娘の面倒をみてもらって、ちょっとは休憩しようと思っていたのに、こんな所に連れてこられた。
さて、あなたがエリサならどうします?
 
最初はなんとか笑顔を作っていたけれど、眉間に寄った皺がどんどんへばりついていく。それは、家を空けた時に勝手に入り込んでいた管理人のお婆さんを発見した時、ほとんど頂点に。親切に声をかけてくれるお婆さんを邪険に無視して、身体全体でここに対する嫌悪感を表現する妻。それでも夫は気が付かない。
地元のダンスパーティーに参加して、はじけて見せた後、「2人目いいよ」とも言ってみた。ほら、人と接して楽しく暮らせるならば、2人目も考えるよ、と言ったのにまだ妻の本心に気が付かない夫。
 
El_campo_241人で1日家を飛び出し、私だって1人になりたい時がある!あなたの顔なんか見たくない!離婚して!
ここでようやく事態の深刻さに気付いた夫。
真面目で神経質であるほど、育児疲れに陥る母親に気が付いた。そして家を手放すことを決心した。
 
都会のマンションに戻る車の中で突然、涙がこぼれた夫。自分勝手な夢をみていた事と妻を理解していなかった事への懺悔の涙か。それとも単純に自分の夢が破れたから? その彼に優しく手を伸ばす妻。
してやったり
妻の心理的陽動作戦は成功した。

 

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