『ムカデ人間』(2009) - The Human Centipede (First Sequence) –

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「ホラーは好きだけど、これだけはありえないわ」とずっと存在していないことにしていた巷で噂の『ムカデ人間』。とうとう借りてしまいましたよー。・・・結果、どうだったかと言うと、「あの状態」だけがクローズアップされていたけれど結構普通にサスペンス? 結局、最後まで楽しく観てしまったトサ。


 
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■ムカデ人間 – The Human Centipede (First Sequence) -■
2009年/オランダ・イギリス/90分
監督・脚本:トム・シックス
製作:トム・シックス、イローナ・シックス
撮影:グーフ・デ・コニング
音楽:パトリック・サベージ、オレグ・スピーズ
出演:
ディーター・ラーザー(ヨーゼフ・ハイター博士)
アシュリー・C・ウィリアムズ(リンジー)
アシュリン・イェニー(ジェニー)
北村 昭博(カツロー)
アンドリュー・レオポルド(クランツ刑事)
ピーター・ブランケンシュタイン(フェラー刑事)

解説:
そのあまりにも悪趣味かつ不謹慎なテーマが各地で物議を醸し、世界中のホラー・ファンの間で大きな話題となったオランダ発の怪作ホラー。常軌を逸した欲望にとりつかれ禁断の人体実験に手を染める変態マッドサイエンティストの餌食となってしまった3人の男女の戦慄の運命をグロテスクな描写満載で描く。主演は「魔王」のディーター・ラーザー。また、犠牲者の一人としてTV「HEROES/ヒーローズ」にも出演の日本人俳優、北村昭博が登場。 (allcinema)

Contents

あらすじ:


ヨーロッパ旅行中のアメリカ人リンジーとジェニーのレンタカーがドイツ郊外でパンク。森の中で民家を見つけ助けを求めたが、出してもらった飲み物で昏睡。そこは自己中心的な研究に向け準備を進めていた、外科医ヨーゼフ・ハイター博士の住む家だった-
 


もう分かっていることだから書きますが、お尻と口をくっつけて、「つなぎ人間」もとい「ムカデ人間」を作ってみたいと思いついてしまったドイツのある外科医。思い立ったら準備をして完成させるまで、やり通さないと気が済まない。寝ても覚めても頭の中はこの事ばかり(この性格はよく分かる)。しかし素材が生き物、それも「ヒト」で実験したくなってしまったから、さあ大変。
きちんと(下手な絵で)図解を作り、頭の中で何度も何度も構成して組み立てては崩す。そしてまた組み立てる。とうとう完成した「それ」のために、次は勝手に身体が動き出し、手には動物に使う麻酔銃。車を走らせ材料捜し。もうこうなったら止まらない。頭の中には燦然と輝く仕上がった作品がおいで、おいで、、と。。

こんな博士が住むドイツ郊外の森。ここへ迷い込んでしまったアメリカの女子2人が何も知らずに、自ら検体を捧げに博士の家へ入ってしまい囚われの身に。そこに日本人男性も連れてこられ、これで材料が揃った。泣き叫ぶ3人を麻酔で眠らせ、博士は手術に挑む。
そして完成してしまうのだ。「ムカデ人間」を。

確かに悪趣味かつ不謹慎。よくこんな事を思いついたな、とびっくりするが、作品自体は博士と3人の被害者とのやり取りを中心に、多発する行方不明者事件を捜査する刑事との攻防を描く、案外普通のサスペンスストーリー。
マッドサイエンティストな博士はマイケル・シャノンをもっといびつにした感じの見るからにサイコな頑固者といった感じ。この博士はドイツ人で役名“ヨーゼフ・ハイター”は実在したナチス・ドイツのマッドサイエンティストフェター博士、リヒター博士、ヨーゼフ・メンゲレに由来しており、なかなか設定に隙が無い。

可愛そうなことになるアメリカの女子2人は、ごく普通の女の子たち。次は(確か)ウィーンに行くんだよー、と故郷の友達と電話したところだったのに、エライ目にあってしまう。そして1人は早々にこの状況を諦め、1人は最後まで戦い抜く覚悟で立ち向かう。
もう1人、ムカデ人間の先頭にさせられたのは日本人カツロー。ヤクザものという設定と聞いていたので、なんとなくイヤな感じがしていたが、最初は口汚く叫んでいたものの、このカツローもなんとかこの状況から抜け出そうと最後近くまで努力をする。しかし、くっつけられていては1人で何かが出来るわけもない。3人揃っての涙ぐましい努力が展開されていく。博士vsムカデ人間。ここに捜査に立ち寄った刑事も参加。はたしてムカデ人間の行く末は。そして博士に天罰は落ちるのだろうか。

最後まで観て、私は思いましたよ。
この博士はムカデ人間を造ってどうしたかったのか?ペットとして飼いたかったのか?
でも少し考えたら分かるよね。ヒトなんだから排泄物を食べて生きていけるはずがない。先頭はともかく他の2人は遅かれ早かれ病気になるでしょうに。
しかし博士はこんな事ではへこたれない。ちゃんと次善策を考えていた。
・・・恐ろしや。

この『ムカデ人間』は3部作。
2作目は既にDVD化され、レンタルすることも出来る。しかし、これまた主人公らしき人物のあまりの気持ち悪さがレンタルする手を止めてしまうほど。だがそうも言ってはいられない。3作目の撮影が今年2013年5月から始まっているらしいのである。それも500人つながる撮影が。さらに本作1作目の博士も再登場するということ。
↓右(2枚目)は3作目らしいよ


つなげるというより合体させている感じですね。

ということで、近々2作目も不退転の決意で観ねばなるまい。
ではまた  

北村 昭博(きたむら あきひろ)


The Human_14高知県有数の進学校である土佐塾中学校・高等学校に通う高校生だった北村は、アメリカへ家族旅行で行ったことで現地の自由な雰囲気に刺激を受け、ハリウッドで映画を勉強する決意をする。
ロサンゼルスの演劇学校The Beverly Hills Playhouse(ビバリーヒルズ・プレイハウス)で演劇と監督術を5年間学び、在学中にダニエル・ボールドウィン出演の長編映画『I’ll Be There With You』(邦題:LAマザーファッカーズ)を監督。

『ムカデ人間』のカツロー役では、今までにない日本人像を求める。リサーチをしていくなかで、ボクシングの亀田三兄弟の父親である亀田史郎とやくみつるがワイドショーで口論を繰り広げる動画をYouTubeで発見。インパクトのある関西弁を喋る亀田史郎をモデルにして、その役作りをした。
「大人しくて礼儀正しい日本人」のイメージを壊す大胆な演技が評価され、2009年に人気ドラマシリーズ「HEROES/ヒーローズ」のタダシ役に抜擢される。連続ドラマのエピソードの中でストーリーのカギとなるゲストスターの役に、当時日本での芸能活動の経験がない北村が抜擢されたことは話題となった。

■主な出演作
 ・Porno(2004年) – アキ 役
 ・ムカデ人間(2011年) – カツロー 役
 ・LAマザーファッカーズ(2012年) – アキ 役
 ・ニップルズ&パームツリーズ(2012年) – フィル 役
 ・SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者(2012年) – MC林道 役
 ・クソすばらしいこの世界(2013年) – マサノリ 役
(Wiki:北村昭博)

不退転の決意で観たムカデ人間

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • コメントありがとうございます。
     
    この作品は何年も横目に見つつ、まだ見ぬ世界に入り込むのが怖くてスルーしていた映画でした(たいそう)。
    ので、実際に観てみてちょっと拍子抜けしたのですが、ホラーと言うより人間ドラマとしてみれば、なかなか面白かったです。
    でも確かに仰る通り「ムカデ人間」であったことの「何か」が欲しかったですね。
    私も一番ゾッとしたのは、淡々と、まるで明日の試験範囲を説明している先生のように手術内容をドイツ語で説明しているシーンでした。
     
    **
    私も時々お邪魔させて頂いておりました。
    いつも美味しそうなものをご案内頂きありがとうございます。
    よだれ垂らしながら(すみません)読ませて頂いております。
    これからもよろしくお願いいたします!

  • こんばんは。
    クールなブログデザイン、タイトでソリッドな文章に
    感服しております。
     
    これ、私も観まして、確かに題材の割に普通というか、
    もひとつ盛り上がりに欠けたかな~っていう印象でした。
    ムカデ人間ならではの何か、が欲しかったですねえ。
     
    個人的には、ムカデになる前に、博士が3人にこれから
    施すオペの内容を説明してる時が最も怖かったです・・・。

  • コメントありがとうございます!
     
    仰る通り、私ももっとキ○ガイ的な吐き気を催す系かと思ってました。
    よっぽど痛いのが駄目で無ければ、普通に観られる作品でしたね。
    続編ではどんどん数を増やして、どうなるんだろう?3では500人だそうですが、一度に捕まえてこられる数ではないし、かといって順番にやってたんでは最初の人から順に死んでいきそうですよね。
    あぁー、もう興味津々です。
     
    拍手ありがとうございました。
    何かラッキーなことがあればいいですね!

  • こんにちは、拍手ボタンを押したら777番目だったのがみょうに嬉しかったしろくろです(ーー;)
     
    なんと私もつい最近になってコレ見ましたよ。確かに思いの外普通の感じでしたね。もっとキ○ガイ的に序盤から狂った展開になると思っていたので(まあ発想自体既に狂っているとも言えますが(__;))見終わった直後は、おおっ意外とちゃんとしてますやんという印象でした。
     
    しかし続編の度に繋ぐ人数をどんどん増やしていくというのはイージーだけど絵面考えたらめっちゃ面白いですよね(^_^;) 

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