『31km』(2006) - KM 31: Kilómetro 31 –

『マシニスト』製作スタッフによるホラー作品。事故で昏睡状態になった双子の姉を助けるべく奮闘する妹が恐怖の体験をする。主な登場人物は姉の恋人、妹の友人、刑事、老婆と少ないが、どの人物にも大いなる役割が備わっており、よくあるホラーの殺されるためだけの人物がいなくて無駄がない。それに何よりラスボスの霊が出てくるシーンがなかなか怖くていい。 ホラー祭り4本目にしてようやく見応えある作品登場!

■31km – KM 31: Kilómetro 31 -■

KM31

2006年/メキシコ、スペイン/101分
監督:リゴベルト・カスタニーダ
脚本:リゴベルト・カスタニーダ 他
製作:フリオ・フェルナンデス
製作総指揮:ホセ・ラモン・エリゾンド
撮影:アレハンドロ・マルティネス
音楽:カルレス・カセス
出演:
イリアナ・フォックス(アガタ/カトリーナ)
ラウル・メンデス(オマール)
アドリア・コヤード(ヌーニョ)
ルイザ・ウエルタス
フロール・パヤン

解説:
メキシコで2007年2月に公開され、メキシコ映画史上3番目の興行収入を記録した。メキシコで語り継がれる都市伝説をモチーフに製作されたゴシックホラー。 (allcinema)

あらすじ:
ハイウェイで事故に遭い、重傷を負った上、昏睡状態に陥った双子の姉アガタ。妹カタリーナは姉の助けを呼ぶ声が聞こえるようになり、事故現場へ赴く。事故多発地帯のその場所では、少年の霊が多数目撃されていることを知った彼女は調査を進めるが、真相に近付くにつれ恐るべき真実を知ることになる-


KM31

恋人と喧嘩して泣きながらハイウェイを運転していたアガタが、いきなり飛び出てきた少年を撥ねてしまった。駆け寄ったアガタがその少年の顔に恐怖を感じ、たじろいだその一瞬、後続の車にアガタが撥ねられ重傷を負う。その時、自宅にいた双子の妹カタリーナは同じような痛みを感じ、姉によくないことが起きたことを知る。

アガタは両足を切断した上、昏睡状態。嘆き悲しむカタリーナとアガタの恋人オマール。付き添いにはカタリーナの長年の友人ヌーニョも一緒だった。

この夜から、カタリーナは奇妙な人影を見たり、「助けて」と叫ぶアガタの声が聞こえるようになる。恋人オマールも事故現場ではっきり姿を現さない少年を目撃。この“レオーネ31km地点”には何かの謎があることを感じる。
さっそくカタリーナとヌーニョ、オマールはそれぞれの方法で調査を始める。

オマールは知り合った刑事から、この地点で繰り返し起こる事故により女性の犠牲者が多数いることを教えられ、その原因は少年の霊ではないか、という話を聞くが信じられない。
カタリーナとヌーニョは現場近くに住む老婆と出会い、ここで過去に起きた母子心中について聞かされる。そしてその母子は毎夜、生け贄を求めてさまよい事故を起こし続けているとも。アガタは生と死の狭間に囚われており、これら全ての事に決着をつけることが出来るのは、カタリーナとアガタであるとも言われる。

KM31

カタリーナは恐怖で目の前が真っ暗になりながらも、アガタを生の世界に連れ戻すため、現在は下水溝となっている母子が心中した川へ行くことを決意する-

KM31

ここまでが長いんです
ここまでが長くて、少年の霊にあまり風情が感じられない上、出没し過ぎなので「また、やっちまったかなB級」とぶつぶつ思うことになる。
しかし!ここから一気にグレードアップします。なんと言ってもお気に入りは心中した母の最初の登場シーン。「私の子供はどこ..?」としくしく泣きながら登場するところは、なかなか雰囲気があって怖いよー。その後のガバーっとアップになるのはよくある感じなんだけど、最初のしくしくはじめじめしていて幽霊らしく、後ろを向いているのも併せて雰囲気満点。やっぱり幽霊はじめじめとネガティブしてなくちゃ。


そして終わり方もいい。 設定自体もあーーー・・となる上、ある人の“叫び”がカメラの動きとその場の空気をキンキンうならせて、なんとも不安で不幸な救いの無さを表して、イヤーな感じにさせてくれる。
それにしても老婆は何故、あんな風にカタリーナに言い切ったのかなー。一番の悪いやつは老婆な気もする。
ではまた

まだまだホラー続きます。

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