『アザーズ』好きなので美女と少年の幽霊・ゴシックホラーという内容に思わず飛びついた。観終わっての感想はいろいろな作品の良いところを詰め込んだな、というもの。まぁそれでも主演のレベッカ・ホールの美しさにあっという間に最後まで観終えることが出来たが。
■アウェイクニング - The Awakening -■
2011年/イギリス/107分
監督:ニック・マーフィ
脚本:ニック・マーフィ、スティーヴン・ヴォーク
製作:デヴィッド・M・トンプソン他
撮影:エドゥアルド・グラウ
音楽:ダニエル・ペンバートン
出演:
レベッカ・ホール(フローレンス)
ドミニク・ウェスト(マロリー)
イメルダ・スタウントン(モード)
アイザック・ヘンプステッド・ライト(トム)
2011年/イギリス/107分
監督:ニック・マーフィ
脚本:ニック・マーフィ、スティーヴン・ヴォーク
製作:デヴィッド・M・トンプソン他
撮影:エドゥアルド・グラウ
音楽:ダニエル・ペンバートン
出演:
レベッカ・ホール(フローレンス)
ドミニク・ウェスト(マロリー)
イメルダ・スタウントン(モード)
アイザック・ヘンプステッド・ライト(トム)
■解説:
「それでも恋するバルセロナ」「ザ・タウン」のレベッカ・ホール主演のゴシック・ホラー。共演にドミニク・ウェスト、イメルダ・スタウントン。監督は英国BBC出身の俊英ニック・マーフィ。 (allcinema)
■あらすじ:
1921年、第一次大戦後のイギリス。インチキ降霊会などの詐欺を見破ることで警察の捜査援助を仕事とするフローレンス。全く幽霊の存在を信じていない彼女の元へ、ある日寄宿学校の教師が訪問する。務める学校でたびたび少年の幽霊が目撃されており、生徒達が怯えているので、その真相を解明して欲しいという依頼だった。不承不承ながら引き受けたフローレンスは現地に向かい、さっそく調査を開始するが-
作品冒頭にこのような紹介が入る。
1914年から1919年にかけて、イギリスだけでも戦争やインフルエンザなどで100万人もの人が死亡。
人々は幽霊の存在に救いを求めた。
降霊会(または交霊会)は1840年代にアメリカで出現し、50年代になるとヨーロッパのブルジョワサロンを熱狂させていた。フランスの心霊術研究家アラン・カルデックはその著作『霊の書 (Le livre des Esprits)』(1857年)においてこのセッションに Séance という名を与え、そこに哲学的意味を見て取ることとなる。今日では、ブラジルに多くの支持者がいるという。(Wiki:交霊会)
それが本当であろうとインチキであろうと、突然家族や友人を亡くした人々が「降霊」という形で死者の言葉を聞き、慰め、または慰められ、自身の次なる一歩を踏み出すために必要だった会とも言える「降霊会」。しかし主催者側が結構な金品を受け取ることから警察に「詐欺」の名目で目をつけられる。
こういった捜査に協力していたフローレンス。詐欺であることには違いなく、霊の存在を信じていない彼女は降霊詐欺のテクニックを見破り次々と会を潰していくが、それに客として参加している人々の慰めを得る機会を潰していることも理解しており、仕事を終えるたび心が傷つくのだった。
実の両親をずいぶん前に亡くし、養父母と一緒に暮らす彼女の元に、ある日寄宿学校の教師が訪ねてくる。学校の建物は以前は私邸であり、当時、事故で死んだ少年の幽霊がたびたび目撃される。それだけれあれば害は無いが、その幽霊を目撃した生徒が恐怖のあまり自殺した。残る生徒達は怯えており、この少年の幽霊の真相を解明して欲しいという依頼内容だった。
幽霊は信じていないから、といったんは断ったフローレンスだったが、生徒が可愛そうなのでという教師の言葉に引き受けることにした彼女は、教師マロリーと一緒に現地へと向かう。
きっと誰かのいたずらだろうと考えた彼女は、挨拶もそこそこに調査の準備を進める。それは、写真機を設置し、足跡を付けるための粉をまき、通ればなる鈴をぶらさげたひもの設置など科学的なものであった。
さっそく彼女の罠に生徒の一人がかかり、自殺したと思われた生徒も事故死であったことが判明。仕事は終了したかに思われたが、その頃から彼女の周りに起き始める不気味な出来事。彼女を引き留めるかのようなその現象を怯えながらも究明することにしたフローレンス。
ふわりと現れる少年の霊、彼女にしか聞こえない話し声やライフルを持った男の正体とは-
古い建物の寄宿学校、目撃される少年の霊、自殺した生徒、人形の家、、などなど設定自体はおどろおどろしくゴシックホラーな感じの本作だが、『アザーズ(2001)』のようなゾッとする怖さはあまり無い。それよりも人間の記憶と罪悪感のいなし方に主眼を置いているように思われる。誰のせいでも無い悲惨な出来事に囚われ、罪悪感に苛まれる主人公が真実の記憶に向き合い、前に進んでいく物語だ。
作品前半がホラー仕立てであるために気付かないでいると、あまり目新しいものではないにしろ、後半から終盤にかけておーっという展開に驚かされる。
そしてエンディングだが、ずっと黒っぽい服装のフローレンスが白いコートで登場する。
これは過去を脱ぎ去ったという意味なのか、それとももう一つの事象であるのか。自分好みなのはもう一つの方だけれども、どっちでしょう。ここでも観る者の考え方、生き方が試されているのかな..
ではまた