脚本家の妄想なのか現実なのか、それとも執筆中のお話なのか、、、 スランプに陥っているっていうけど、さすが脚本家。次々繰り出されるお話は普通に面白い!え?お話じゃない?・・・ そんな脚本家をエドワード・ファーロングが演じてる。役者さんはやっぱり上手いよね。え?それも違う・・?

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■ フローズン・ライター - Below Zero – ■
2011年/カナダ/99分
監督:ジャスティン・トーマス・オステンセン
脚本:シグネ・オリニク
製作:チャド・コワルチャック 他
撮影:ノーム・リー
音楽:ジェフ・ティモシュク

出演:
エドワード・ファーロング(ジャック)
クリスティン・ブース(ペニー)
マイケル・ベリーマン(ガンナー)
マイケル・アイズナー(モーティ)
セイディ・マドゥー


解説:
スランプに陥った作家が自らを極限状態に追い込むべく、精肉工場の冷凍室にこもって執筆しようとするのだが…。次第に常軌を逸していく主人公をE・ファーロングが怪演。
(WOWOW)

あらすじ:
締め切りが迫っているというのに全く筆が進まない脚本家ジャックは、エージェントの勧めもあって郊外に建つ精肉工場の冷凍室にこもることに。冷凍室に閉じ込められた男が主人公のホラーを書くということで決めた場所だった。扉は中から開けることは出来ず、面白いモノが書けなければ契約打ち切りという状況の中、少しずつ執筆が進むジャックだったが  ―


 スランプで書けない映画の脚本家がわざわざ田舎の廃精肉工場までやってきて、5日間、自分を追い詰めて書き上げるという一種の体育会系シチュエーション。・・かと思いきや、冷凍室に入れられた途端「おーぃ、やっぱりやめるわー、出してー、ねぇー、おーいぃっ!」って。
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まー、確かに外からしか開閉できない分厚いドア、中にはベッドと5日間の食糧、トイレの代わりのバケツが一つ。あとはノートパソコンが一台にプリンタ。電気はもちろん使えるけれど、一度に使いすぎるとオチルかもしれないという忠告付き。冷凍室の室温設定はそんなに低くはされていないものの、窓も無いような場所に閉じ込められれば逃げ出したくもなるか…
けれどもこの人は自分で決めたんだよね。今度のホンは冷凍室に閉じ込められた男が主人公で、タイトルは「氷点下」って。

この精肉工場はもう営業していなくて地元の人が管理しているみたいな状態。案内してくれたのはペニーという女性だけれど、完全に「都会」の「脚本家」を弄りまくりでバカにしている。
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そしてこの人を食ったようなペニーが5日間、脚本家ジャックの世話をする。ペニーはジャックのエージェントから何があっても5日間は彼を外に出さずに脚本を完成させるように言われており、金で雇われた彼女は任務を遂行するのであった。彼女も生活がかかっているからね。

観念したジャックはパソコンに向かう。
しばらくすると指が動き始め、目の前に文章が、虚構の世界が舞い踊る。さすがプロの脚本家だ。ここからは彼の紡ぎ出す物語がジャックやペニーを登場人物にして映像化されていく。ホラーだから、どこからともなく現れた鬼畜な殺人鬼までもが登場する。
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ジャックはここに来る途中で事故りかけた事や工場内で見た不気味な作業場や血痕の跡などを絡めながら、どんどん話を進めていく。殺人鬼によって冷凍室に閉じ込められた彼と彼女は助かるのだろうか?頼みの綱は殺人鬼の家族らしい少年の存在だが、うまく自分たちのために動いてくれそうにない。あー、どうなるのかっ?

う~ん、ありきたりだな..
気に入らなければ文章をドラッグしてデリートキーを押すだけ。いくつものアイデアを文章にしていくうちに、ペニーが耳元で文句を言い出す。さっきまで登場人物として殺されそうになっていたのに、今はこんな話じゃ筋が通らないと言っている。ちょっと変わった彼女の息子は相変わらず思うように動いてくれない。みろ!助けに来た友人が殺されちゃったじゃないか!彼だけが頼みだったのに・・・

いつの間にか、現実と自分の作る物語の境目が無くなっていくジャック。
彼は脚本を書き上げることが出来たのだろうか。殺人鬼から逃げることが出来たのだろうか?そもそも、書くためにホントにこんな所に来たのだろうか・・・?
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冒頭から小さな事も含めて色々な事がジャックの周りで起きる。実際に起きた事、ジャックが書いている話の中で起きた事。映画が進めば進むほど分からなくなってくる。
実はジャックはとても素晴らしい脚本家だったのだ。 ― もし生きていれば・・・

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