人類の想像を超える初めての世界が目の前に広がる ―!通常10%しか機能していない人間の脳が100%動き出したらどうなるのか?その経過が正しいのかどうかは別として、未知の世界を次々とテンポよく見せてくれる手法は、こちらが考え問いかける暇も無く最後まで一気に進んでいく。うまいなぁ、と思っちゃった。
■ LUCY/ルーシー - Lucy – ■
2014年/フランス/89分
監督・脚本:リュック・ベッソン
製作:ヴィルジニー・ベッソン=シラ
製作総指揮:マーク・シュミューガー
撮影:ティエリー・アルボガスト
音楽:エリック・セラ
出演:
スカーレット・ヨハンソン(ルーシー)
モーガン・フリーマン(ノーマン博士)
チェ・ミンシク(マフィアのボス)
アムール・ワケド(刑事デル・リオ)
アナリー・ティプトン
ジュリアン・リンド=タット
ピルー・アスベック
2014年/フランス/89分
監督・脚本:リュック・ベッソン
製作:ヴィルジニー・ベッソン=シラ
製作総指揮:マーク・シュミューガー
撮影:ティエリー・アルボガスト
音楽:エリック・セラ
出演:
スカーレット・ヨハンソン(ルーシー)
モーガン・フリーマン(ノーマン博士)
チェ・ミンシク(マフィアのボス)
アムール・ワケド(刑事デル・リオ)
アナリー・ティプトン
ジュリアン・リンド=タット
ピルー・アスベック
■解説:
「レオン」「ニキータ」のリュック・ベッソン監督がスカーレット・ヨハンソンを主演に迎えて贈るヒロイン・アクション。新種ドラッグの影響で脳機能が驚異的に覚醒し、超人的な能力を発揮し始めたヒロインの暴走の行方を描く。共演はモーガン・フリーマン、チェ・ミンシク。(allcinema)
■あらすじ:
台北のホテルでトラブルに巻き込まれ、運び屋として体内に新種の袋詰め麻薬を埋め込まれたルーシー。ところが途中でその袋が破れ体内に麻薬が放出、脳に異変が起き始める ―
台湾でだらだらと自分探しをしていたルーシーが、ひょんな事から麻薬の運び屋に。それだけでも大変なトラブルに巻き込まれたと言えるが、その麻薬が超がつくほどの特殊な物だったために、彼女は人類が未だかつて経験した事の無い世界に突入していく。それもものすごいスピードで。
まずこの新種麻薬が選んだ(ともいうべき)人間がルーシーだった点。これは神に感謝しなければいけないほどの人選だった。ルーシーは確かに自分の生きる道をなかなか見つけられない女子だけれども、家族や友人を大切に思い、犯罪などの妙なトラブルには近付かないようにする知恵はあった。ようするにベースは善人なのだ。
そしてこの麻薬が人に与える影響は脳機能の覚醒という点。
麻薬の一種が「覚醒剤」とも呼ばれるように元々そういった作用があるのか?とも思ったが、その作用は人から眠気を奪い去り無いものを見せる「幻想、妄想剤」というのがホントの所だろう。だが、この新種のブツは実際に未だ手つかずの人間の脳を“覚醒”させていく。もちろん人によってはこの覚醒についていけずに自滅する者もいるだろう。だがルーシーは、大量に直接摂取したにも関わらず、この新薬に適合した。10%未満しか使われていなかった彼女の脳は、次々に覚醒。100%の完璧な脳形態を目指していく。
ところで脳がもっと動き出せばどうなるのか?
こういった事を研究している科学者はもちろんいるんだけれど、普通の一般人が想像できる範囲は限られている。もっと計算が速くなる、記憶できる容量が増える、最先端技術が次々に開発されていく、身体能力がアップする、などなど、これぐらいはなんとなく想像できる。しかし!このSF映画によると、そんなものは脳機能20%未満で既に達成可能。20%を超えるとどうなるのか・・・ 10%使っているかいないかの人間にはとても想像できない世界が広がっていた!
まず20%を超えると自らの身体を組成している細胞、DNAレベルで組み替えが可能となる。ようするに目の色や髪の色を自由に変えたりするような簡単な事から、細胞レベルにバラしたものを又組み直すことが出来るようになる。次に30%を超えると、その能力は他人にも使えるようになる。40%になると対象は有機的な生物だけで無く無機質である“物質”にも使えるようになる。
・・・これは、ようするに魔法使いになったという事か!?(いいのか、こんな解釈で…) 善人では無い“悪人”が脳を覚醒させていったらどうなるのか?これは説明する必要もないだろう。だが彼女は覚醒と同時に「人間らしさ」が失われていくことも語っていた。もはやここまできたら善人、悪人であることの意味は失われていくのだろうか。
生物を含む個体を自由に扱えるようになった後、水や風、電気、通信というあらゆる物質を傘下に収めたルーシー。彼女は薬を摂取してまもなく脳研究者ノーマン博士に連絡を取り、彼の待つ大学に向かっている。だが、そこに向かっているのは彼女だけではなかった。そもそも、この新種麻薬を開発、売りさばこうとしていた韓国マフィアがいたのだ。そのマフィアの冷血無慈悲なドンも彼女を追っている。
ミステリアスなSFだったこの作品は、ここから『マトリックス』ばりのアクションへと変わっていくが、人類未到の域へと達したルーシーはどうなるのか。アレかなー。“時空”をも制した彼女は人類がいうところの「神」へと変わったのか、それとも原始時代へ遡り、新しい進化の手助けとなるのか。
何にせよ、彼女のような存在は一人だけで充分。博士が言ってたよね。
「人類が君の犠牲に適うといいが・・・」
コメント
コメント一覧 (3件)
この記事を書いてから色々見てみると、評判悪かったんですね、これ。面白かったのに…
私もヒロ之さんと同じく、次どうなるんだ、次は?次は?でテンポよく最後まで見終りました。
よくよく考えると、脳覚醒が100%になると自分の肉体はおろか全てを支配できるのか?・・・なんで?となるんですが、考えてみたところで私ごときに分かるはずもなく、ルーシーとモーガン博士に拍手を送ることにしたんです。
あんまり筋に関係無かったですけどミンシクちんも良かったですよね?^^
昨日TB と共にコメントも一緒にと思っていたのですが、寝落ちしてました(^^;
物凄く評判の悪い作品ですけど、私はめっちゃ好きです。
どうなるのか?
こうなるのだ!
疑問をきちんと形として納得行く範囲に答えとして、出している所に好感が持てました。
それが正解かどうかは別にして、監督の思い描く100%覚醒は、そこまでぶっ飛んでいるのか!と、その発想力に脱帽でした。
LUCY/ルーシー
LUCY
2014年
フランス
89分
アクション/サスペンス/SF
PG12
劇場公開(2014/08/29)
監督:
リュック・ベッソン
『アデル/ファラオと復活の秘薬』
脚本:
リュック・ベッソン
音楽:
エリック・セラ
出演:
スカーレット・ヨハンソン:ルーシー
モーガン・…