エドガー・アラン・ポーですねー。もっとゴシックな感じかと思っていたけれど、2006年製作のこの映画は主演女優が現代的、舞台も現代にしていることもあって、ゴシックさが足りなかった..。それでも大きな屋敷、双子の兄であるロデリック、家を取り仕切る老女には不気味さが一杯。
■ハウス・オブ・アッシャー ~アッシャー家の崩壊~ - The House of Usher -■
2011年/ニュージーランド/87分
監督:ヘイリー・クローク
脚本:コリン・チャン
原作:エドガー・アラン・ポー「アッシャー家の崩壊」
製作:ボイド・ハンコック
撮影:エリック・トラジェザー
音楽:ザ・レヴ
出演:
オースティン・ニコルズ(ロデリック)
イザベラ・ミコ(ジル)
ベス・グラント
■解説:
過去に何度も映像化されているエドガー・アラン・ポーの名作『アッシャー家の崩壊』の21世紀バージョンとなるゴシック・ホラー。原作のもつ雰囲気を忠実に映像化している。「デイ・アフター・トゥモロー」のオースティン・ニコルズと、「コヨーテ・アグリー」のイザベラ・マイコ出演。(allcinema)
Contents
■あらすじ:
大学時代の親友マディの死を、彼女に兄であり、かつての恋人であるロデリックから教えられたジルは、葬儀のためにアッシャー家へと向かう。誰に聞いてもマディの死因を教えてくれない中、ロデリックもマディと同じ病を抱えていることを知り、しばらく滞在することになるが ―
見どころと感想
このブログでもいくつかエドガー・アラン・ポー関連の記事を書いているけれど、やっぱり不気味さ漂う古い映画の方が似合うかな。時代ももちろん19世紀で。
この作品もそんな映画かと思っていたけれど、時は現代。原作でアッシャー家を訪れる友人は男性だったが、こちらは女性で兄ロデリックの元恋人という設定。妹マディとも仲良かった元恋人ジルはいきなりロデリックから別れを告げられ、マディも大学をやめて連絡が付かなくなる。
それから3年後、ロデリックからマディの死の連絡を受けたジルがアッシャー家を訪れるところから始まる。
悲しみの葬儀は終わったものの誰もマディの死因について詳しくは話さない。ただ運転手の男が「アッシャー家の人間だから、他のアッシャー家の人間と同じ理由だ」と。その上、ロデリックも顔色が悪く、どこか悪いのが見て取れる。ジルはロデリックに問い質す。すると彼は、光が目を焼き、肌を焦がす。神経過敏で、神経衰弱にもなっている。今は注射薬で抑えているものの、自分もマディと同じく近いうちに死ぬ運命だと。
この家には何か秘密がある。
そうするうち、居間に飾ってあるアッシャー家代々の家族写真を見て、ジルはある事に気が付く。代々、夫婦の子供は二人で双子。そして名前を追っていくと―
ロデリックの頼みでしばらく滞在することになったジル。だが夜になると家のどこかで奇妙な音がし、白いドレスの女の影があちらこちらに現れる。調べてみようと部屋を出ると、家を取り仕切っている老女が勝手に動き回るなと。
このあたりまでは謎だらけでワクワクするんだけれど、どうも主役の金髪と行動に納得できない。最後に家も崩壊しないしね.. 前にも違う監督の同一作品を観たように思っていたんだけれど、オチを覚えてなかった。もしかしたら『吸血鬼カーミラ』(正しいタイトルは定かではない)の映画とゴッチャになっていたのかな
「アッシャー家の崩壊」は途中までコレ系に思わせるところが面白い。
「アッシャー家の崩壊」映画化作品
・アッシャー家の末裔 La Chute de la maison Usher(1928年/仏/監督ジャン・エプスタン)
・アッシャー家の崩壊 The Fall of the House of Usher(1928/米/監督ジェームズ・シブレイ・ワトソン)
・アッシャー家の崩壊 The Fall of the House of Usher(1949/英/監督イヴァン・バーネット)
・アッシャー家の惨劇 House of Usher(1960/米/監督ロジャー・コーマン)
・アッシャー家の崩壊 Zánik domu Usheru(1980/チェコ/ヤン・シュヴァンクマイエルのアニメ)
・アッシャー家の大虐殺 El hundimiento de la casa Usher(1983/西・仏/監督ジェス・フランコ)
・アッシャー家の崩壊 The House of Usher(1988年/米/監督アラン・バーキンショー)
・ハウス・オブ・アッシャー ~アッシャー家の崩壊~ The House of Usher(2006/米/監督ヘイリー・クローク)
・ハウス・オブ・アッシャー House of Usher(2008/米/監督デヴィッド・デコトー)
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エドガー・アラン・ポーですねー。もっとゴシックな感じかと思っていたけれど、2006年製作のこの映画は主演女優が現代的、舞台も現代にしていることもあって、ゴシックさが足りなかった..。それでも大きな屋敷、双子の兄であるロデリック、家を取り仕切る…
コメント
コメント一覧 (3件)
暗くてモノクロチック、画面全体に陰鬱さが漂わないと、らしくないですよね。
>『吸血鬼カーミラ』
何かで観たんですよ、それも割と最近。
調べてみるとこのタイトルの映画は無いんですね。『血とバラ』だったのかな(-.-)
↑
CS 洋画★シネフィル・イマジカで2010年に放送があったようです。
私は小説で読んだだけで映画は観たことないんですが、
ピックアップ画像を拝見するだけでも、ちょっち雰囲気
違うかなあ…って印象ですね。
おっしゃる通り、まさにゴシックで荘厳、陰鬱って感じが
しっくりくるかと思いますわ。ローズマリーの赤ちゃん
みたいな感じ…より、もっと暗い系か…?
しかし、『吸血鬼カーミラ』って、この固有名詞かなり
久方ぶりに目にしました…。
ハウス・オブ・アッシャー
エドガー・アラン・ポー原作「アッシャー家の崩壊」の完全映像化って書いてあったのですが、あれ?なんか、違うよね…?
私の覚えてるアッシャー家は、始終重くるしい雰囲気で、妹を生きたまま棺にいれ屋敷は沼の中に(超約しすぎです)…だったような気がするのですが、舞台が現代になったからなのか、暗いことは暗いのですが…どうもこう「陰鬱」な感じではないんですよね。
ただ、一家がすべて双子同士で結婚し双子…