冬の大寒波が日本列島を襲った今日という日にピッタリな映画をチョイス。「フローズン」と聞けば夏の美味しそうな飲み物を想像しがちだが、これはあの名作『オープン・ウォーター(2003)』のゲレンデ版。取り残された3人の若者に容赦なく自然が襲いかかる。そして、サメに変わってあの動物までもが・・・
■フローズン – Frozen -■
2010年/アメリカ/94分
監督:アダム・グリーン
脚本:アダム・グリーン
製作:ピーター・ブロック 他
製作総指揮:ティム・ウィリアムズ 他
撮影:ウィル・バラット
音楽:アンディ・ガーフィールド
2010年/アメリカ/94分
監督:アダム・グリーン
脚本:アダム・グリーン
製作:ピーター・ブロック 他
製作総指揮:ティム・ウィリアムズ 他
撮影:ウィル・バラット
音楽:アンディ・ガーフィールド
出演:
エマ・ベル(パーカー)
ショーン・アシュモア(ジョー)
ケヴィン・ゼガーズ(ダン)
エド・アッカーマン(ジェイソン)
ライリア・ヴァンダービルト(シャノン)
ケイン・ホッダー(コディ)
■解説:
デビュー作となるスラッシャー映画「HATCHET/ハチェット」で一躍ホラー界期待の新鋭となったアダム・グリーン監督が、極寒のスキー場を舞台に描く戦慄のサスペンス・スリラー。ひょんなことからリフトに置き去りにされてしまった3人の男女が、文字通りの身も凍るような恐怖に見舞われるさまを描く。(allcinema)
■あらすじ:
週末だけ営業しているスキー場に遊びに来た3人の若者。1日楽しんだ彼らは終業間際にもう一度だけと無理を言ってリフトで山頂へ向かう。しかしリフト係員の勘違いにより、リフトは停止。彼らは照明が消えて人気の無くなったリフトに取り残されることに ―
週末のスキー客で賑わうあるスキー場。スノボなどで1日遊んだジョーとダン、ダンの恋人パーカーの3人は、暗くなり始め客がほとんど帰ったゲレンデで、最後の一滑りを楽しもうと無理を言って係員にリフトに乗せてもらう。
動き出したリフト。乗っているのは3人だけという状況で、係員が訳あって交代し、手違いでリフトが止められてしまう。3人が乗ったゴンドラは運悪く地上から一番高い位置に。
色々な理由で時々止まるリフトに、最初はまたか、という感じで動き出すのを待っていた3人。だが背後から順に消されていく照明に気付いた時、これは異常事態であることを確信する。
日が暮れて吹雪が吹き荒れる中、戻らない自分たちを係員が気が付くだろう、誰かが通りがかるだろう、などと助けが来るのを期待した3人だったが、それもむなしく時間だけが過ぎていく。
気温が下がり、常に風が吹き抜けるリフトの上。パーカーの頬に凍傷が起き始め、恋人ダンはこの事態を解決するためゴンドラから飛び降りる事を決意。15mはある高さからのジャンプに2人は止めたが、ダンはジャンプ。足から落ちてひどい骨折を負う。そして身動きできなくなったダンの目の前には、さらなる敵が近付いてきた―
これは怖い。『オープン・ウォーター』と同じで、ちょっとしたミスから、いつでもどこでも誰にでも起きる可能性のある事故。敵は自然で容赦が無い。いくら叫んでも頼みは聞き入れてくれない。その上、これまた『オープン・ウォーター』と同じように、弱った人間に襲いかかってくる動物の存在。彼らには人間は獲物にしか見えていない。ぁぁー・・
『オープン・ウォーター』での被害者は夫婦だったが、こちらは子供の頃からの友達と一人の恋人。毎年、男同士で雪山を楽しんでいたのに、今年は満足にスノボが出来ないパーカーが一緒で不満なジョー。ダンが飛び降りた後、それらの不満を一気にパーカーにぶつけるジョー。謝るパーカーに自分こそ悪かったとジョーが言うこのシーンは結構好きだなー。
彼らがどこにでもいる普通の若者だと分かる。だから、こういった事故が起きた時の対処の仕方も分かっていない。
でもあの状態でも人間は結構、生きることが出来るんだなー。眠ってしまったらすぐに凍死してしまうのかと思っていた。
せっかく夜が明けて日が差してきたんだから、すぐに行動するべきだった。特にダンの末路を見た後では。それにロープを伝って行く時も、ジャケットを脱いでロープにかけてシャーっと滑って行くのは無理だったのかな。←これはアクション映画の見過ぎなのか..
狼は基本的には人を襲わないらしいですね。今回はただ、獲物の少ない冬で、いかにも弱々しい3匹の生き物がそこにいたと。
日本では絶滅してしまった「ニホンオオカミ」も人は襲わなかった。反対に作物を荒らす鹿なんかを捕食してくれるので人間は助かっていたらしい。群れで暮らしテリトリーを持つ狼の縄張りに人が迷い込んでしまった時は、そのテリトリーを抜けるまで人の後を狼が付きそう。まるで人の里まで送っているようで、これが「送りオオカミ」の語源なんだとか。
そう言えば、最近見たニュースでは鹿が増えすぎて作物を荒らし困っている地域があるという事だったです。
コメント
コメント一覧 (3件)
フローズン
いくら途中で係がかわっても、日本ではまずありえないでしょう。
それにしても寒い。北国なのでスキー場は昔よくいきましたが、リフトが止まったことも何度かありました。結構な高さで止まると10分くらいしたらまた動くとわかっていても怖いものです><
それがこの作品では、地上15メートルの場所で次に営業再開するのが一週間後という極限状態。
低予算で作ったわりにわりと楽しめました。ほとんどが3人だけ…
もっとあーすれば、こーすれば、と後から言うのは簡単ですものねー。
彼女が助かったポイントは、敵にまだ獲物が残っていた、ということでしょうか。確かにそこまでのくだりは、うまくいきすぎだったけれど、現実ってそんなものなのかなー、と。
どちらにせよ、気の毒な映画でした。
ジャケットを使って、リフトのケーブルをシャーッ、ていうのは、私も思いました(笑
でも現実にそんなことしたら、途中でちぎれて落っこちるんでしょうね~
いろいろ思うところはあるけど、でも彼らの行動以外、やりようはなかったのかもな、とも思います。
ただ、ヒロインがひとり取り残されて、ラストまでのくだりは、ちと雑だったような気も。
ことがうまくいきすぎて、拍子抜けしてしまいました。
ラストの彼女の顔はよかったですけどね。