「スパルタカスIII ザ・ファイナル」(2013/TV) - Spartacus: War of the Damned –

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『スパルタカス』最終章が日本でもとうとう放送開始される。その前に第1話の先行放送があったので、ワクワクしながら観てみたよ。セカンドシーズンではさほど感じられなかった反乱軍のまとまり方、戦略を考えての機能的な動き方とその結果に彼らも成長したなーと感動もひとしお

■スパルタカス3 ザ・ファイナル -Spartacus: War of the Damned-■
 TVドラマ2013年/アメリカ/全10話

Spartacus3

出演:
リアム・マッキンタイア(スパルタカス)
ダスティン・クレア(ガンニクス)
マヌー・ベネット(クリクスス)
シンシア・アダイ=ロビンソン(ナエウィア)
ダン・フューリーゲル(アグロン)
パナ・ヘマ・テイラー(ナシル)
サイモン・メレルズ(マルクス・リキニウス・クラッスス)
クリスチャン・アンティドーミ(ティベリウス/クラッススの長男)
トッド・ラサンス(ユリウス・カエサル)
アンナ・ハッチソン(ラエタ)
ロイ・スノー(ルフス/クラッススの部下)

解説:
ユリウス・カエサル、マルクス・クラッススら世界史に名の残る人も登場し、本作の代名詞ともいえる壮絶なバイオレンスと官能的エロティシズムで「スパルタカスの乱」に至るまでの凄まじい攻防をダイナミックに描く歴史スペクタクル。ついに完結! (スター・チャンネル)

あらすじ:
グラベルの死から半年。ますます人数が増え力をつけていく反乱軍にローマ側は苦戦していた。軍の増強が急務となるが、複数の戦争を抱える元老院に金銭的な余裕はなく、メテッルス議員は不仲な同僚の大富豪マルクス・クラッススに協力を要請しに行く。


主要なメンバーがどんどん倒れる中、とうとう妻スーラの敵を取ったスパルタカス(シーズン2:Spartacus: Vengeance)。いったん区切りが付いたように見える彼が今後目指すものは、「人間として自由に生きる権利」を奪還することに絞られる。相手は巨大な共和国ローマ。しかし、目的のはっきりした彼の元には、次々と反旗を翻した奴隷達が集まってくる。最終数十万人にまで膨れあがったとされるスパルタカス反乱軍は、この頃にはもはや反乱奴隷の寄せ集めとは違い、一国の軍隊組織のようにまでなっていた。

Spartacus3

奴隷といっても、元はローマに敗れた国や部族の元兵士達も多い。スパルタカス自身もトラキアの一兵士だった。

3,000のグラベル隊を打ち破った反乱軍に、元老院はローマ軍を次々と反乱軍に差し向ける。が、どうあっても鎮圧できないローマ側が最後にとった手段。大の資産家であり(自身で戦費をまかなえる)、軍事的にも有能なマルクス・リキニウス・クラッススに全指揮権を与え、スパルタカス討伐に向かわせた。  

マルクス・リキニウス・クラッスス

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共和政ローマ時代の政治家、軍人。
クラッスス一族はエクィテス(騎士階級)出身であり、父以外にもコンスル(執政官)やプラエトル(法務官)経験者を多数輩出した家柄。銀山や高価な土地を多数保有し、中でも優秀な奴隷を多く抱えてそれらの経営を任せたことで、一層の蓄財が可能となった。

クラッススは、自らの財産で訓練された新しい部隊を率いてスパルタカス軍を討伐すると申し出て、元老院はクラッススをスパルタカス討伐へ派遣した。

クラッススはレガトゥス(総督代理)のムンミウスへ戦闘を避けて様子を窺うよう指示したものの、ムンミウスはスパルタクスへ戦いを仕掛けたため、ローマ軍は多くの死者を出し、兵の多くも逃亡する無残な敗北を喫した。 クラッススは見せしめとして十分の一刑(罰を受ける集団の兵士の中から抽選で10人に1人を選び、その1人を他の9人で棍棒・石打などで処刑するというもの)を兵士らに実施、これは極めて異例のことであり、兵士達を奮い立たせたものの、信望を失うことともなった。

紀元前71年、クラッスス率いるローマ軍団はルカニアでスパルタカス軍を包囲した。ヒスパニアからポンペイウス、トラキアからルキウス・リキニウス・ルクッルスの弟マルクス・テレンティウス・ウァッロ・ルクッルスがイタリアへ向かっていると知らせを受けたスパルタカスはクラッスス軍との戦闘を決意した。
(Wiki:マルクス・リキニウス・クラッスス)

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この時代はローマがまだ帝政になる前である。このクラッススをパトロン(金銭等支援者)に持つまだ若いユリウス・カエサル(紀元前100年 – 紀元前44年)がこの後、登場するらしい。

クラッススの息子ティベリウスは、あまり使えなさそうだけど、このカエサルは若くてもあのユリウス・カエサル。この後、多くの戦歴を残し、賽を投げた後に元老院派を武力で制圧して、ローマの支配権を握ったことを思えば、クラッススのよき手助けになったのではないだろうか。
まぁ、ちょっとイメージは違うけど、細かいことは置いておこう。

そして対するスパルタカス反乱軍。
Spartacus3 War of the Damned_04スパルタカスはもちろんのこと、クリクススやガンニクスは実在の人物だ。彼らを中心にアグロン、ナシル、ナエウィアも脇を固め、何千、何万の部隊となって迎え撃つ。冒頭にも書いたが、反乱軍はもはや組織された軍隊のようになっているが、機動性のある奇襲作戦も得意だ。1話目でもスパルタカス、クリクスス、ガンニクスの3人がローマ軍の野営地に奇襲をかける。ここは史実がどうであったかは分からないが、スパルタカス自らが危険な作戦に出向くあたり、自身は軍隊の指揮をとる立場でありながら、他の者達と立場的な違いは無いという彼の考え方がよく出ている。身分や人の上下を無くし、そこから人々を解放することを、そしてこのような制度を無くすことを目的とする彼らの正義だ。

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正義を勝ち取るために真っ直ぐ前を向くスパルタカス。ナエウィアとの愛を育みながら未来を勝ち取るために戦うクリクスス。そしてどんな時にも勝利の美酒と美女を忘れないガンニクス。短剣二刀流の圧倒的な強さ。へべれけに酔っていても、スパルタカスの問いに的確に答え、そんな自分を恥ずかしがるようにバカを言うガンニクス。逞しいだけではない、どこか風のようなガンニクス。
(ぁ、、、なんか偏ってる)

歴史的事実は事実として彼らの前に絶対的に立ちはだかっているんだけども、どうして彼らが命をかけてこの困難な道を選んだのか、ということをじっくり観ていきたいと思う。そしてちょっとは史実とは違う結末、例えばガンニクスだけが助かったとか、、、は無理ですかね、やっぱり。

あー、それにしてもルクレティアやイリティアがいないとこんなに寂しいとは…
ではまた

■シーズン2レビュー 「スパルタカスⅡ」(2012/TV) – Spartacus: Vengeance –

   

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