とうとう始まりましたよー、「スパルタカスⅡ」
「スパルタカス -Spartacus: Blood and Sand-(2010)」シーズン1が終わり、このシーズン2クランクイン直前に主演のアンディ・ホイットフィールドを亡くし、「スパルタカス ゴッド・オブ・アリーナ(2011)」で時を埋め、ようやく正当な続編、シーズン2がスター・チャンネルで放送開始だ!
シーズン3レビューはこちら
「スパルタカスIII ザ・ファイナル」(2013/TV) - Spartacus: War of the Damned –
『スパルタカス』最終章が日本でもとうとう放送開始される。その前に第1話の先行放送があったので、ワクワクしながら観てみたよ。セカンドシーズンではさほど感じられな…
海外ドラマ史上、最も過激な歴史スペクタル第2章
■スパルタカスⅡ -Spartacus: Vengeance-■
TVドラマ2012年/アメリカ
製作総指揮:スティーヴン・S・デナイト、ジョシュア・ドーネン、サム・ライミ、ロブ・タパート
出演:
リアム・マッキンタイア(スパルタカス)
ルーシー・ローレス(ルクレティア)
マヌー・ベネット(クリクスス)
グレイグ・パーカー(ガイウス・クラウディウス・グラベル)
ヴィヴァ・ビアンカ(イリティア/グラベルの妻)
ピーター・メンサー(ドクトーレ/オエノマウス)
カトリーナ・ロー(ミラ)
ダン・フューリーゲル(アグロン)
レスリー・アン・ブラント(ナエウィア)
ダスティン・クレア(ガンニクス)
ニック・E・タラベイ (アシュール)
トム・ホッブス(セッピウス)
ハンナ・マンガン=ローレンス(セッピア)
■解説:
前作で話題を呼んだ「スパルタカス」の代名詞とも言える壮絶なバイオレンス、魅惑的エロティシズム、そして極悪非道の陰謀・・・。ドラマに欠かせない要素すべてを盛り込み、さらに過激さを増した歴史スペクタクルシリーズ「スパルタカス」の第2章が再び始まる!!
■あらすじ:
バティアトゥス養成所が崩壊して数週間。スパルタカス率いる奴隷たちはカプア郊外の地下水路で逃亡生活を続けていた。一方、グラベルは法務官となり、身ごもった妻イリティアとローマで暮らしていたが、惨殺されたローマ兵の遺体に彼の名が刻まれていたことから、彼に対する復讐を誓ったスパルタカスの仕業と断定した義父の命令でカプアへ奴隷狩りに行くことになる。
ローマ帝国に反旗を翻したスパルタカス達の
自由を求めた真実の戦いが今始まる-
(スター・チャンネル)
舞台は紀元前1世紀の共和制ローマ。
民衆は娯楽で剣闘士の戦いに興じ、貴族達はローマ軍として領土の拡大を図っていた時代。
権力、金、欲望-。そんなものが渦巻いていた時代を背景に生きた、1人のトラキア人が主人公だ。
彼の名はスパルタカス。本名ではない。
闘技場での戦いぶりに、かつて存在した猛将であるトラキアの王にちなみ、こう呼ばれるようになった。
スパルタカス
トラキアの一兵士。
ローマ軍の領土拡大のための戦いに巻き込まれ、奴隷に身を落とした。
シーズン2では法務官として出てくるガイウス・クラウディウス・グラベルとは、その頃からの確執がある。
かつてローマ軍副将だったグラベルは、傭兵として雇ったトラキア兵達との公約を破り、期間を過ぎても解放しなかったばかりか、たてついたスパルタカス達トラキア兵を奴隷として売り飛ばしてしまう。
その間にスパルタカスの故郷トラキアの村をも襲撃し、妻スーラも奴隷として連れ去られた。スパルタカスは剣闘士としてバティアトゥスの剣闘士養成所に買われていくが、その頭には連れ去られた妻と再会することと、グラベルに復讐することだけが渦巻いていた。
トラキア
トラキア(ラテン語:Thracia、トルコ語:Trakya)は、バルカン半島東部の歴史的地域名。現在は3か国に分断され、西トラキアがブルガリアの南東部とギリシャ北東部の一部に、東トラキアがトルコのヨーロッパ部分となっている。
古代ギリシア時代のトラキアにはインド・ヨーロッパ語族に属する言語を話すトラキア人と呼ばれる民族が住んでおり、独自の文化が栄えた。彼らは様々な小部族に分かれていたが、南のギリシアから様々な影響を受けて国家を形成することもあった。 近年、特にブルガリア領内でトラキア時代の遺跡発掘が進み、黄金文明と呼べるほど大量かつ精巧な金細工が発見されている。 (Wiki:トラキア)
シーズン1で演じていたのはアンディ・ホイットフィールド。イギリス出身、オーストラリアの俳優で2010年、『スパルタカス』の主演に抜擢され好評を博し、シリーズ化される事になった。しかし同年3月、病気であることが分かり降板。2011年9月、18カ月の闘病の末、亡くなった。
シーズン1の次に製作されたのが、「スパルタカス ゴッド・オブ・アリーナ(2011)」。
時系列的には「スパルタカス」の前日譚にあたり、登場するのはまだ若いクリクススと、その頃の剣闘士の王者ガンニクスである。舞台は同じみバティアトゥスの養成所だ。主役はガンニクスで、剣闘士の彼が正当な方法で自由を手に入れたところで物語は終わる。
今作シーズン2にもガンニクスがクレジットされているので、自由の民となった彼がどこかでスパルタカス達と出会うのかな、と思われる。
シーズン1で剣闘士の王者へと登りつめたスパルタカス。
映画『グラディエーター(2000)』でも有名になった剣闘士とは
剣闘士とは
古代ローマにおいて見世物として剣闘士試合で戦った戦闘員。名前の由来は、剣闘士の一部がローマ軍団の主要な武器でもあったグラディウスと呼ばれる剣を使用していたことから来ている。
共和政ローマやローマ帝国の多くの都市にはアンフィテアトルム(円形劇場)が存在しており、そこで剣闘士同士、あるいは剣闘士と猛獣などとの戦いが繰り広げられた。また人工池などを用いて模擬海戦が行なわれることもあった。325年、コンスタンティヌス1世は剣闘士競技を禁止したが、実際には500年頃まで各地で続けられた。
記録上最も古い剣闘士競技は紀元前264年にローマのマルクス・ユニウス・ブルトゥスとデキムスの兄弟が父の葬儀に際してボアリウム広場で行ったものである。剣闘士となるのは主に戦争で捕獲した捕虜や奴隷であったため、剣の奴隷、即ち剣奴ともよばれた。他、犯罪者が刑罰として就く場合や、自ら志願して剣闘士となる者もいた。奴隷が剣闘士になる場合、剣闘士養成所(ルドゥス)の教官によって優秀な闘士になりそうな人材を市場で買い集められ、長期に渡って訓練を施してから試合に出場した。
かつては試合が始まれば剣闘士たちはどちらか一方が死ぬまで闘ったと考えられていたが、実際には必ずしも死ぬまで戦わされるということもなく、助命されることが多かった。研究によると、紀元1世紀において100試合に出場した200人の剣闘士のうち死亡者は19人で、つまり生存率は9割を超えている。
上述の通り犯罪者が刑罰として剣闘士に就く場合があり、実際に試合で死ぬのは剣闘士として訓練されていない彼らが中心であったと思われる。
そして無事生き残り、引退した剣闘士の中には、訓練士(ラニスタ)として剣闘士を鍛える側にまわる者もいた。彼らにはその証として木剣があたえられた。剣闘士は競技場で観衆の喝采を浴びる対象ではあり、多額の報酬を受けたが、やはり奴隷身分であり、解放されても名誉あるローマ軍団の兵士になることは出来なかった。 (Wiki:剣闘士)
バティアトゥスの剣闘士養成所でもドクトーレと呼ばれる訓練士オエノマウスにより厳しい訓練の様子が描かれる。
スパルタカスは囚われた奴隷の身としてこの訓練所に連れてこられたが、親友ウァロは金を稼ぐために自ら志願して入っている。そのウァロの妻が今シーズン第1話で亡くなるアウレリアだ。
宴会で催された余興の剣闘試合で、親友ウァロの命を奪うことになってしまったスパルタカス(シーズン1)。その妻の命さえ守れなかったことで、今シーズンでは自身の個人的な復讐には目をつぶり、信念のために全てを犠牲にする覚悟でリーダーシップを発揮していく。
クリクスス
あわせて描かれるのが、恋人ナエウィアを探し求めるクリクスス。
クリクススはスパルタカス以前の剣闘士の王者であった。スパルタカスとはその地位を巡り争うが、お互い大事な女性を失った悲しみを知っていることもあり、今は一つの目的に向かって共闘している。
スパルタカスがトラキア出身なのに対し、クリクススはガリア(現フランス)なので何かと2つのグループに分かれ対立することも多いが、分裂すれば共倒れになるということを2人はよく分かっている。よきライバルであり、よき友でもある。
ナエウィアは同じバティアトゥスの奴隷で女主人であるルクレティアに可愛がられていたが、クリクススと愛し合っていることを知ったルクレティアに嫉妬の激情から他の家に奴隷としてやられてしまう。今は行き先も分からない状態だ。孤独に生きてきたクリクススにとって、初めて心を交わし許したナエウィアの不在は耐え難いものがある。
ローマ軍副将として初めてスパルタカスと会った時からの因縁で、またもやスパルタカスを追うことになった法務官グラベル。彼は実在の人物で、実際の第三次奴隷戦争時にスパルタカスを追っている。
第三次奴隷戦争の背景
第三次奴隷戦争とは、紀元前73年から紀元前71年にかけて共和政ローマ期にイタリア半島で起きた剣闘士・奴隷による反乱である。3度の奴隷戦争の中で最大規模のものであった。反乱軍側の首謀者スパルタカスの名にちなんでスパルタカスの反乱と呼ばれることが多い。紀元前3世紀後半にイタリア半島を統一したローマの勢いは紀元前2世紀に入っても留まるところを知らず、領土拡大の為の対外戦争に邁進していった。その戦域は広がる一方でありかつ長期に及んだ。
各地に派遣されたローマ軍の中核は重装歩兵であり、その担い手はローマ市民権を持ったローマ市民達であった。同時に彼らはそれまでの国家の経済的基盤と言うべき中小の自作農民でもあったが、このような従軍の連続によって農業を続けることができず、徐々に土地を手放さざるを得なくなっていく。元老院階層やエクィテス(騎士階級)を中心とするローマの富裕層はこれらの土地を吸収して確固とした大土地所有制を築き上げていった。
彼らは安価な労働力としてローマが征服したガリア、ゲルマニア、トラキアなどの地から大量の奴隷を輸入し、ラティフンディウムと呼ばれる大土地所有制を急速に発展させた。ラティフンディウムにおける奴隷の扱いは人間的なものとは程遠く、彼ら奴隷たちに支えられた大土地所有制が最盛期を迎える中で反乱の危険は高まっていった。第三次奴隷戦争/脱走・蜂起
紀元前73年春、スパルタカスは剣闘士養成所から脱走を計画、それに同調したガリア人のクリクスス(Crixus)やオエノマウス(Oenomaus)ら数百名の奴隷と共に脱走を実行、その内の7、80人が成功してナポリに程近いヴェスヴィオ山のカルデラに逃げ込んだ。ローマはプラエトル(法務官)ガイウス・クラウディウス・グラベル(Gaius Claudius Glaber)に兵3,000を預け派遣したものの、反乱軍はローマ軍を奇襲して勝利を収めた。
敗走したローマ軍が放棄していった武器や防具を手に入れると共に、この勝利を伝え聞いた周辺地域の奴隷たちが続々と加わった。ローマはプラエトルであったプブリウス・ウァリニウス(Publius Varinius)に兵2,000を預けて反乱鎮圧に向かわせたが、反乱軍はウァリニウス軍を撃破した。その間に反乱軍の規模は約70,000名まで膨れあがったとされる。
グラベル
この常に上から目線の嫌みな男ガイウス・クラウディウス・グラベル。妻は有力元老院の父を持つイリティア。
富と権力を得るためには、人を陥れることなど平気な2人。特にイリティアはそれを楽しんでいるようだ。いや、イリティアだけに限らず、このドラマに出てくる権力を持つ人間達は全て同じ穴の狢だ。
この夫婦は仲がいいのか悪いのかよく分からないが、似たもの夫婦であることに間違いは無い。
イリティアはその登場の時から、意地悪で腹黒いのが見え隠れしていたが、シーズン2ではさらにパワーアップ。ルクレティアがいないのをいいことに言いたい放題だったが、そのルクレティアが実は生きていたことが分かった後も、すぐに形成を立て直し、ルクレティアを手中に収めようと画策する。
しかし、あのルクレティアがこのままのはずはないと、シーズン1を観た者は思っているはず
だまされませんわよ。
他にも今シーズンでは、なんか嫌らしい貴族セッピウス・セッピア兄妹や、シーズン1でも暗躍したアシュールが出てくるらしいので、どろどろとした人のイヤらしさを充分堪能できそうだ。
それになんといっても、今シーズンは反乱軍進撃がメインなので、第1話早々から『300〈スリーハンドレッド〉(2007)』シーンが盛りだくさん。今後が非常に楽しみであります。
シーズン2全10話の後は、シーズン3が最終ということです。第三次奴隷戦争をがっつり映像にしてくれそうですね。
なんと!格闘ゲーム「Spartacus Legends」(PS3/Xbox360)が発売予定
→4Gamer記事「Spartacus Legends」
Ubisoft,人気ドラマ「スパルタカス」を題材にした格闘ゲーム「Spartacus Legends」を2013年に発売
ではまた
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スパルタカスII 【2012年製作:TVドラマ】
TVシリーズ「スパルタカス」のシーズン2です。
シーズン1で、
奴隷という身分から脱出したスパルタカスとその仲間達。
ローマからの追撃は、
まだ田舎町の出来事と言うことで、
…