剣心やゴスリングにうっとりとしながらも、密かに進められているスパニッシュ・ホラー第3弾。何故かこの監督の作品に魅了されているらしい。女子集合体のキャーキャーした感じと、ザクザクいくグロスプラッターの融合がどうもツボにはまる。モノクロだった『ルームズ・フォー・ツーリスト』や適当だった『スクリーム・アット・ナイト』に比べて、こちらはかなり本格的。
■36 PASOS(36パスオーエス) - 36 PASOS -■
2006年/アルゼンチン・メキシコ/99分
監督・脚本:アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ
撮影:セルヒオ・フライシャー
音楽:ロドリゴ・フランコ
2006年/アルゼンチン・メキシコ/99分
監督・脚本:アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ
撮影:セルヒオ・フライシャー
音楽:ロドリゴ・フランコ
出演:
ノエリア・バルボ
イネス・スバラ
アリアナ・マルチオーニ
メリーサ・フェルナンデス
プリシラ・ラウト
アンドレア・ドゥアルテ
■解説:
アルゼンチンホラーの鬼才、アドリアン・ガルシア・ボグリアーノ監督によるソリッドシチュエーションホラー。(amazon)
■あらすじ:
素敵な豪邸でゲストのバースディ・パーティーの準備をする6人の美女。ビキニ姿で踊りながら楽しげに作業を進める彼女たちだったが、実は彼女たちは拉致されこの屋敷に連れてこられた囚われの身であった ―
広い庭や素敵なプールを持つ豪邸で、楽しげにパーティーの準備をする美女6人。きびきび動いている娘や、やる気のない娘やら、「ちゃんと手伝ってよねー」とか言いながら部屋を片付け、料理が作られていく。
だけど、なんで皆ずっと水着?
なんか、オカシイよね、と思いつつも観ていくと、いきなりダンスが始まるし、これはテレビ番組か何かなのか?と混乱してくる。
この辺りが、本作のボグリアーノ監督のやり方で、登場人物達のおかれている状況とは真っ逆さまの雰囲気で話が進んでいくのだ。ついでにもう一つの特徴として、オープニングにはこれまた全然関係無いようなシーンが入れられる。でもそのシーンこそがネタバレになっている、という点も同じなのだ(だいぶ慣れたな(-。-)y-゜゜゜)。
しかも今回は美女揃い。というのも彼女たちは今は社会人なのだが、同じ高校出身で派手系グループ(よくある一目置かれている美女軍団)に属している娘達だったのだ。その彼女たちが集まって誰かは分からないゲストのためにパーティーを企画したのか?と、思いきや、ダンスの後に速攻明かされる驚愕の真実。
今回それは「拉致、監禁」。
監禁といっても、ルールに従っている限りは屋敷の中を自由に動ける。ちなみにルールとは
・ここでの出来事を決して口外しない
・敷地の外には出ない
・いかなる状況下でもパーティーの準備をする
・笛に従う
・手紙の指示に従う
・楽しむこと
などなど、、「沈黙」と「服従」と「喜び」なのである。
これさえ守っていれば、傷つけられる事もなく、いつかは自由の身に・・・
な、はずは無いとは思うが、彼女たちのほとんどは頑張って守っていた。けれども、ごく一部の娘がストレスに耐えられなくなりルールを破る。すると、すぐさま現れるニット帽を被ったムサい男にコテンパンに拷問され、下手すればあの世行き..。どんなに可愛く美人でも、この男には通じない。
彼女たちは日常の生活の中でいきなり、無理矢理拉致された。この恐怖の現場は結構丁寧に描写され、彼女たちを拉致するために家族なんかも殺されるなど被害に遭っている。とても残虐で計画的なのだ。
では、何故拉致されたのか?一体、誰が?
後半は新しく現れる人物とともに、これまでの危うい監禁状態の均衡が破られて事態が大きく展開。惜しげも無く水着姿を披露していた彼女たちは助かるのだろうか..。
他の作品を観る限り、無理そうだけど
監禁犯の理由は結構単純だ。この単純な話をお色気と強度のグロで彩り、ついでにブラッド・ピット出演『カリフォルニア』のアデール(ジュリエット・ルイス)風女子も出演させるという、前代未聞の手法で私を虜にしたのだった。