『ザ・アブノーマル』(2011) - The Road –

これほど大雑把で客集め的な邦題があるだろうか?(あったような気も・・) 原題は「The Road」。内容はある田舎道を中心にして20年に渡って起きた、残虐かつ悲哀な事件を描くホラー作品で、舞台がフィリピンということもあってか懐かしい空気が漂ってくる。それほどグロくも無かったように思う(あくまでも、お・も・う

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■ ザ・アブノーマル - The Road – ■
2011年/フィリピン/110分
監督・脚本:ヤム・ララナス
製作:ホセ・マリ・R・アバカン
撮影:ヤム・ララナス
音楽:ヨハン・セーデルクヴィスト
 
出演:
カルミーナ・ヴィラロエル(カーメラ)
TJ・トリニダード(ルイス)
レキシー・フェルナンデス(ジャニーン)
バービー・フォルテサ(エラ)
ライアン・ラモス(ララ)
ルイーズ・デ・ロス・レイエス(ジョイ)

 

解説:
「519号室」「ホスピタル・オブ・ザ・デッド ~閉ざされた病院~」などを手がけたフィリピン出身の俊英ヤム・ララナス監督が放つ戦慄のスリラーホラー。
(WOWOW)
 
あらすじ:
2008年、ある夏の夜。親の車をこっそり動かしてドライブに出たティーンエイジャー3人組は、扉で閉ざされていた森の脇道に入っていき事故に遭う。彼らの捜査に当たった警官ルイスは10年前に同じこの道で行方不明になったままの姉妹がいたことを知り、関わりを調べ始めるが ―


the-road_movie2011_11-2ある夏の夜、免許の無い10代の女子2人と男子1人が楽しげにドライブに出た。最初は街中を走っていたが、ふと見つけた閉ざされた扉。そこを開けてみると真っ直ぐ田舎道が続いている。人気も人目も無いその道に車を進めた3人は、 すぐに気が付く。一本道のはずなのに、何度も同じところをグルグル走っているのではないか?時折、行き交う車はさっきも向こうからやって来たのではなかったのか?
・・・それに、その車には運転手がいないので、、は、、、?

the-road_movie2011_18気が付いた時には、もう遅かった。運転手のいない車は何度も現れ、終わりの無い一本道はどこまでも続いていく。恐怖に駆られた彼らは車を捨てて走って逃げようとしたが、もう遅かったのだ。闇は彼らに覆い被さった。

以上の事故は少女の1人が父親に連絡出来たため、すぐに警察の知るところとなったが、あまりに不可解な出来事な上に、彼ら3人の車とは別に事故車が見つかる。この赤い色の事故車は随分前に燃えたようであったが、運転手は不明。だが、担当刑事が少年少女の件を捜査するうち、10年前にこの不気味な道の界隈で2人の姉妹が行方不明になったままの件があることを知る。母親は何度も捜査の進展について警察に問い合わせていた。だが依然、捜査は進まず不明なままだった。

the-road_movie2011_21不気味な一本道の事件が10年前の事件をあぶり出すことになった。
ここから舞台は10年前の1998年となる。姉妹の車が故障し立ち往生しているところに通りかかる純朴そうな青年。ここでいきなりある事件が起きる。その事件は誰にも知られず、姉妹の母親はずっと苦しむこととなるが、この姉妹失踪事件の背景にはある家族の存在が。そしてその家族の中で日々行われていた事が、姉妹失踪を経て2008年の少年少女の事件へと繋がっていく。

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だからって許されるか?と言えばもちろんそうではないし、この作品はこれら事件の犯人にあまり同情的には作られてもいない。犯人に対するどうこうよりも、被害者となった、又はこれから被害に遭うかもしれない若者の世間知らずな幼さや無謀さに警告を発している。
残念ながら、この世界には想像を絶するような残虐な人間がいる。決して警戒を怠らないように。残虐な人間は必ずしも見た目でそうと分かるとは限らないのだから、と。