『ミロクローゼ』(2011) - Milocrorze: A Love Story

全編、派手でどんちゃん騒ぎな歌舞伎ミュージカル・アニメ風純愛作品。山田孝之氏がいろんな男に扮して、これでもか!と大騒ぎしながら観る者に語りかける。
「漢よ、愛には貪欲、かつ一途であれ」

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■ ミロクローゼ - Milocrorze: A Love Story – ■
2011年/日本/90分
監督・ 脚本:石橋義正
撮影:小山田勝治
音楽:石橋義正 他
主題歌:ONE OK ROCK「LOST AND FOUND」
ナレーター:美波
 
出演:
山田孝之(オブレネリ・ブレネリギャー/熊谷ベッソン/多聞)
マイコ(偉大なミロクローゼ)
石橋杏奈(蜘蛛伊/ユリ)
原田美枝子(壷振り師 お竜)
鈴木清順(刺青師 蛾禅)
佐藤めぐみ(新幹線パーサー)
岩佐真悠子(天柘楼案内人 雪音)
武藤敬司(賭場オーナー)
奥田瑛二(なきゃむら)

解説:
シュールでブラックな笑いが世界的に評判を呼んだ「オー!マイキー」の石橋義正監督が、「闇金ウシジマくん」の山田孝之を主演に迎えて贈る奇想天外ラブ・ファンタジー。山田孝之が一人三役で演じる三者三様の主人公が辿る3つの愛の物語を、多彩な映像表現を織り交ぜパワフルに描き出す。共演はマイコ、石橋杏奈、原田三枝子、奥田瑛二。

あらすじ:
少年のような容姿のメルヘンチックな男性オブレネリ ブレネリギャー。ある日、公園で出会った美女“偉大なミロクローゼ”にひと目ぼれ。彼女への愛に突き動かされ、平凡だった彼の生活が一変する。毒舌でならす青春相談員の熊谷ベッソン。純情青年のピュアな悩みにも、激しい罵倒とハイテンションなダンスで解決へと導く。一方、花屋で働く美女ユリに心奪われた片目の浪人、タモン。謎の盗賊団にさらわれた彼女を取り戻すべく、時空までをも超えて壮絶な流浪の旅を続けていたが ―

(allcinema)


またまた発掘!おもしろ邦画。といっても公開当時は話題になっていただろうから、知らなかったのは私だけ… 録画してあったのをHDDから発掘しただけという(というのも、ちょっと今、山田孝之氏に注目しているからでして(._.)

元々、歌って踊ってのミュージカル映画は割と好き。派手な絵面、エスニックな色合い、夢見心地なファンタジー、ついでにホラーはもっと好きな自分にはぴったりな作品だったのがコレ『ミロクローゼ』。
タイトルの意味するところは、、、ま、とりあえず、「私の大事なもの」「私の全て」「あなたがいないと生きてけない」みたいなものを象徴する言葉であると思われます。特にこの名で呼ばれる女性は「女神」ともいう存在で登場し、神々しく彼を照らしつけ、彼の全てを支配するまでに。
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ほんとにコレでいいのか?

人に恋する気持ちというのは一種の魔法状態であり、自らにかける催眠状態のようなものでもある。1話目の奇妙なとっちゃんぼうやオブレネリが陥った状態がまさにコレ。何の楽しみも刺激も無い平凡な毎日を送っていた彼が女神(偉大なるミロクローゼ)と出会って一変。彼女と一緒に暮らしたいために様々な努力をし、夢を成就させたものの、幸せは一過性。女神に出て行かれて不幸のどん底に。
けど彼は自力で立ち直っていくのです。そして一回りも二回りの大きな男性に。
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このように恋に煩い悩む男子は世間には大勢いる。
milocrorze_23で、このような男子の相談に乗る青春相談員が2話目主人公の熊谷ベッソン氏。彼は美女を引き連れ、歌い、踊りながら不遜な態度で相談に回答する。でも、それがあまりに的確、あまりに常識的にナオン(女性)の気持ちを言葉で表す。
そんなグチャグチャやってるからモテないんだよ。男なら当たって砕けろ。駄目な場合は君のミリキ(魅力)が足りなかったってことだ。さっさと諦めて気持ちを切り替え次に行け。行動あるのみ。歌って、踊れ!
↑こんななりでお腹も出てるけど、悩める若者にエールを送る素敵なベッソン氏。

ここまで失恋で心が折れたけれど、なんとか立て直して女神から解放された青年、彼らのような若者の見方、とアニメのようなシュールさで進んできた本作。ここからはグッと趣向が変わって刃傷沙汰に。
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彼(左っかわ)の名は多聞(たもん)。一目惚れした花屋の美女と恋を成就させたものの、悪党どもに彼女を奪われ、何年もの間ずっと探し歩いている。そしてようやく居場所を見つけたが、そこは遊郭。あまりにベラボウな料金で入館することもかなわず。そこで丁半博打で資金を増やすことにしたものの、それも失敗し、話の流れでとにかく大暴れしながら彼女を探すことに。

いいですよー、多聞!
サラッと流れてきたこれまでの話とは打って変わって、濃い、臭い、超派手で見応えたっぷり。原田美枝子演じるお竜もいいけど、合間に見栄を挟みながら進む多聞の大立ち回りは、どの構図、どの出演人物、どの小物をとっても全てが完璧でどのコマも絵になっている。
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あわせてラスト近く、多聞のアップの表情もとても良くて、長く映ることもあり思わずじっと見入ってしまう。愛する女を見つけ出し、この手に抱くまでは決して諦めないという多聞の生き方は(なんで暴れたのかは置いといて)、究極のベッソン氏でありオブレネリに共通するところでもある。
だが、しかし!この後、ユリはどうなったんだろう・・・
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ということで、複雑化した世の中を、単純に純粋に感じたい方、したい方。特に恋に悩んでおられる方はコレを観て、ちょっと頭のもやもやを吹き飛ばしてみてはいかが。

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