ヒメアノ~ル (2015) - Himeanole

思った以上に、サイコです。グロいです。
金太郎さん(※1)にメレブ(※2)、V6じゃな~い!なんて軽い気持ちで観始めると、殺人鬼と血しぶきに慣れていない人はとんでもない目に遭わされます(-ω-)

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■ ヒメアノ~ル - Himeanole – ■
2015年/日本/99分
監督・脚本:吉田恵輔
原作:古谷実
製作:由里敬三 他
撮影:志田貴之
音楽: 野村卓史
 
出演:
森田剛(森田正一)
濱田岳(岡田進)
佐津川愛美(阿部ユカ)
ムロツヨシ(安藤勇次)
山田真歩
駒木根隆介
大竹まこと

解説:
 「さんかく」「麦子さんと」の吉田恵輔監督がカルト的人気を誇る漫画家・古谷実の問題作を、主演に「偉大なる、しゅららぼん」の濱田岳とV6の森田剛を起用して実写映画化した衝撃のサスペンス・スリラー。ひょんなことからヒロインと思いがけない恋に落ちた冴えない青年が繰り広げる甘いラブコメ展開と、対照的にヒロインをつけ狙う森田剛扮するサイコパスな殺人鬼によってもたらされる戦慄の恐怖が交錯していくさまをスリリングに描き出す。共演は佐津川愛美、ムロツヨシ。
(allcinema)


・・・― な~んて、『アイアムアヒーロー』とほぼ同じ出だしで始まる今回の感想文は、『ヒメアノ~ル』。レンタルで観て、公開されていたときに、あ、行きたいなってどうして思っていたのかを思い出しました。
予告編に納められている、軽いタッチのコメディな部分とダークなサイコパス風味の組み合わせにとっても興味を持ったからでした。それにあまりテレビを見ない私でも最近よく目にして、その雰囲気が結構お気に入りの出演者さんたち。
※1)金太郎さん icon-arrow-right auのテレビCM三太郎シリーズの一人
※2)メレブ  テレビ東京で放映されている「勇者ヨシヒコ」の主要登場人物の一人で使えない魔法使い

『ヒメアノール』とは “アノール”とはトカゲの1科である。イグアナ科アノール属に含まれるトカゲの総称。165種ほどがある。 (ヒメアノール=ヒメトカゲ)となるが、“ヒメトカゲ”とは体長10cmほどで猛禽類のエサにもなる小型爬虫類。つまり、“ヒメアノ~ル”とは強者の餌となる弱者を意味する。(公式サイト:ヒメアノ~ル)


上京し、清掃の仕事に就いている岡田君。お金も趣味も取り柄も無く、彼女もいない岡田君の良いところはお人好しなとこ。同じ会社のこれまた冴えない先輩、安藤さんがカフェで働く片思いの娘にどうしても接近したいというので手伝うことに。
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カフェのユカちゃんにはどうやらストーカーのように付きまとっている男がいるらしい、と自分もストーカーまがいに毎日カフェに通っている安藤さんは岡田君に訴える。ところが、そのストーカー男は岡田君の高校時代の同級生、森田君であった。

himeanole_13森田君に接近し、様子を聞き出す岡田君。だが、ストーカーなどしてないよ、と言う森田君の様子がどこかおかしい。さっき言ったことを忘れ、以前に言っていたことも忘れている風で話がうまく噛み合わない。それより何より、何で生活しているのか、とてもアブない香りが漂ってくる。
あまり近づきたくないタイプだと思う岡田君。そうこうするうち、ユカちゃんの恋する相手が自分だと告白され、安藤さんとの3人は妙な三角関係に陥ってしまう。

そんな3人をよそに、街では火事や人が死ぬ事件が多発。警察はそれらの現場の一つであるアパートの住人、森田君が事件に関係あるのではないかと、彼の行方を追っていた ―


濱田氏とムロ氏ということで、軽いラブコメタッチで始まるオープニング。人生に対しての不安や文句を言いつつも、明るい日差しの元で働く二人。何にも目的が無いよー、と岡田君が言えば、人生の先輩、安藤さんは「どんな人間にも不満や将来への不安がある。だがそれがあるからこそ、それらを無くすために人は生きていく。それらが生きるための原動力になるんだ」なんて。
そんな事を言いながらもムロ氏はいつもの調子で、2人は息の合った漫才コンビのようにストーリーを進め、明るく楽しく話は進んでいく。森田君が登場するまでは ―。

彼の周りには薄暗い雲が巻き付いている。おしゃれなカフェに一人座っていたとしても、都会的な雰囲気では無く、どこかおどおどとした腰の落ち着かない、分かる人には分かる、アブない人間なのが一目で分かる感じなのだ。だからユカちゃんも気味悪がったのだ。

himeanole_14特に岡田君との会話の噛み合わなさが素晴らしい(サイコパス的な意味で)。
何かを問いかけても返ってくる言葉は「別に。色々。いつも・・。人生終わってる。底辺」・・・。そんなマイナス言葉だ。安藤さんの「オレの天使、ユカちゃんは生きる希望だ」とは真逆だ。
アブないのはそんな言葉だけでは無い。毎日通っているはずのカフェには初めてだと言うし、さっき言っていたことと整合性がとれず、まるで、そこにもう一人の森田君がいるようだ。
そうなのだ。彼はきっと人格が分裂している ―

これが分かる頃には、森田君の正体があらわになってくる。そして物語はラブコメから連続殺人鬼主演のサイコホラーに。それに否応も無く巻き込まれるのが前半のラブコメ3人組だ。
日常から非日常にいきなりたたき落とされるが、その原因はただ単に昔、見過ごしていたものだった。原因は岡田君自身にもあったと思い出した時、岡田君の人生が開く。

それにしても実はこの作品、非常に後味が悪いのです。
思ったことはただ一つ。正しいと思った行動は出来るだけやってしまうということ。かなり難しい状況な場合もあるだろうけども。じゃないと、いつまでも心に引っかかる。もしかしたら本作のような最悪の結果として自分に返ってくることになる場合も。
あー、、でもこれも単なる自己満足、自己保身なのかな…

merebu最近、個人的に注目のムロツヨシ氏。なんといっても「勇者ヨシヒコ」シリーズでの活躍がお気に入りではあるのですが、本作『ヒメアノ~ル』ではムロ氏の個性が生かし切れていない感じで少し残念だった・・・


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