『 ブルー・リベンジ』(2013) - Blue Ruin

もっと刹那的で衝動的な復讐かと思って観始めたけど、ちょっと違ってた。特に後半は、主人公の目的が達せられたにも関わらず、違う方向に進んでいってしまったように思える。これじゃ、あんまり同情出来ない・・・

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■ ブルー・リベンジ - Blue Ruin – ■
2013年/アメリカ・フランス/91分
監督・脚本:ジェレミー・ソルニエ
製作:アニシュ・サヴィアーニ 他
撮影:ジェレミー・ソルニエ
音楽:ブルック・ブレア 他
 
出演:
メイコン・ブレア(ドワイト)
デヴィン・ラトレイ(ベン)
エイミー・ハーグリーヴス(サム)
ケヴィン・コラック(テディ)
イヴ・プラム(クリス)
デヴィッド・トンプソン

解説:
両親を殺されたホームレスの悲しい復讐劇を描いたサスペンス・スリラー。第66回カンヌ国際映画祭監督週間で上映されるや完成度とリアリティを持った世界観が話題となり、国際映画批評家連盟賞を獲得した。監督・脚本は、数々の作品の撮影を担当するほか、ホラー作品「Murder Party」(未)で注目を集めたジェレミー・ソルニエ。孤独な戦いに乗り出すホームレスを、これまでのジェレミー・ソルニエ監督作品全てに出演しているメイコン・ブレアが演じている。ほか、「ホーム・アローン」のデヴィン・ラトレイ、「SHAME-シェイム-」のエイミー・ハーグリーヴスらが出演。ロードショーに先立ち、特集上映『未体験ゾーンの映画たち2015』で上映。

あらすじ:
オンボロの青い車の中で暮らすホームレスのドワイト(メイコン・ブレア)は、ある日警察に呼び出され、両親を殺害し服役していた犯人が刑期満了を前に釈放されることを知らされる。金も地位も理解者もないドワイトは、一人、復讐を果たすべく釈放された犯人のもとへと向かう ―
(Movie Walker)


両親が殺されてしまったからなのか、それとも元々なのかは分からないが、オンボロ車で暮らすホームレスのドワイトはある日、両親を殺した犯人が司法取引によって釈放されることを知る。それまでは怠惰に毎日を過ごしていたドワイト。だが、その事実を知った途端、彼のキレていたゼンマイが再び動き始める。それもかなり精巧に、素早く。

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故障して動かないとばっかり思っていた彼の愛車に、ずっと大事に取ってあったたガソリンが入れられて優しく力強くエンジンがかかる。同じく、故障して動かなくなっていたかのようなドワイトの身体には力がみなぎり、案外攻撃的な運転で親の敵がいるヴァージニアへとアクセルを踏む。
彼の目的は“復讐”だ。
そのための彼の動きには無駄が無い。
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親の敵にのみ向けられた瞳。彼は復讐を達成する。その全ての所作はまるで熟練の殺し屋のようでさえあった。この時、彼は攻撃する側であったのだが、ここからは一転、守る側に。というのも敵にもドワイト自身にも家族がいたからだ。敵の男を殺したことで、その家族にドワイトの姉一家が狙われる羽目になる。そしてその敵側の一家は筋金入りのならず者一家だったのだ。

復讐が復讐の連鎖を呼ぶ。
ここからは孤独なホームレスの復讐物語ではなくなってしまい、ただ銃口を向け殺しあうだけの話になってしまう。ドワイトが伸びた髪や髭を切ったこともあってか、全く違う話に見えてくる。最初の崇高な目的である「親の敵討ち」が、いつの間にか殺された側にも理由があることがわかり、それを打ち消すかのようなドワイト側の殺戮のようにさえ見えてくる。なのでこのラストも充分納得できるものであり、ドワイトにあまり同情の気持ちはわかない。もちろん敵側家族にも。
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全く救いの無い、意味の無い殺戮とラストの西部劇だけに、ただ一人残った少年はどう生きるのだろう?と気になるところでもあるが、実際、こんな人生を与えられてうまく生きていける確率はかなり低いのが現実だ。あんな家族でもこの少年は守られていた。それを壊したのはドワイトなのだ。だが少年は復讐することも出来ない。
・・・あ、、まさか・・・

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