『スピーシー・オブ・コブラ』(2010) - Hisss –

巨大コブラがエロティックな美女に変体し、人間を丸呑みに!!
4000年の昔より伝わる大蛇伝説が現代に甦る。
「サベイランス」のジェニファー・リンチが贈る、危険(ヤバい)度100%クリーチャーホラー! (amazon)

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■スピーシー・オブ・コブラ - Hisss -■
2010年/アメリカ・インド/93分
監督:ジェニファー・リンチ
脚本:ジェニファー・リンチ
音楽:アヌ・マリク
撮影:マドゥ・アンバット
出演:
マリカ・シェラワット(ナギン)
ジェフ・ドーセット(ステイツ)
イルファン・カーン
ディヴィヤ・ダッタ
ラマン・トリッカ

あらすじ:
Hisss_03末期の脳腫瘍と診断され、余命半年と宣告された科学者ステイツは、4000年の昔からインドに伝わる、コブラの女王のみが持つ不老不死の力のある石を手に入れるため、インドのジャングルに分け入る。
女王をおびき寄せるため、巨大コブラの雄の捕獲に成功したステイツは、完璧な準備を整え女王の登場を待つ-


6月6日の記事『ゴシック』つながりで、どうしてもジェニファー・リンチ監督作『ボクシング・ヘレナ(1993)』が観たくなり、あちこち探したけれど、探しきれず。。今の時代、この問題作を観るのはもはや無理なのか、、とあきらめ、ではと借りたのが本作『スピーシー・オブ・コブラ』。監督の3作目となるようだ。
10年以上も前に観た『ボクシング・ヘレナ』は、その表現がかなりの問題作と言われただけあって、衝撃的で好みの作品として記憶に残ったが、本作『スピーシー・オブ・コブラ』は良くも悪くも普通の印象。

インドに古代の昔から伝わる大蛇ナギン伝説
体内に不老不死の石‘ナグマニ’を抱え、ジャングルの女王として君臨する。従えるのはジャングルの動物だけではなく、そばによる人間女性の妊娠などにも深く影響を及ぼす力があるらしい。女王の怒りを買うと、付近の女性が一斉に出血、妊娠中の胎児さえ殺してしまう力を持つ。
反対に子宝を授かるために祈りの対象「子宝の神」のような力もあるらしい。
血みどろのなんとも生々しい感じが、本作の最初から登場する。が、出血した血は鮮やかな「赤」で、さらりと表現されている。

Hisss_12さらりとしたこの「赤」は、少し先のお祭りの場面にも出てくる。
この3日続く水かけ祭でインド映画らしく皆踊っているが、染料の赤が染み出して皆の顔が真っ赤っか。
いきなりダンスシーンが挿入されるのはインド映画ならでは。

この祭と平行して、余命いくばくもない科学者ステイツが、ジャングルで女王ナギンの伴侶である雄をわざと女王の前で捕獲。女王は怒り狂い、時間をかけて人の姿に変身。祭で賑わう人間の町にやって来る。

Hisss_07この変身シーンは割と見応えがある。狼男系の作品でも変身シーンは度々出てくるが、よく考えるとあれは人からモンスターへ。本作で出てくるのはまず蛇から人へ。蛇の鱗がはがれ、脱皮をするかのように出てくる美しいナギン。
狼男の変身シーンは、最近の作品よりも『狼男アメリカン(1981)』(An American Werewolf in London)のような古い作品の方が好みの自分としては、割と楽しめたナギンの変身。
にょーっと伸びた蛇の皮膚をぷちっとはがすようにして、身体が出てくるところは一見の価値有り。

 

Hisss_13祭で賑わっている町に、案外そっとやって来た女王。聞こえてきた笛の音色に操られるように片隅にいくと、そこには蛇遣いが。大蛇コブラの女王も蛇遣いの笛の音には無力となり、踊るしかなくなる。
強いのか弱いのかよくわからない女王だったが、この後、2人の男に暴行を受けそうになった時、その正体が現る。1人の男は毒で殺害、もう1人の男は丸呑みに。
Hisss_16残念なのがこの丸呑みシーン。肝心の丸呑みの様子が描かれていないっ。正直落胆しました。がっかりです。その声が監督に聞こえたのか、丸呑みシーンの代わりに呑んだ後のお腹が一杯シーンは作ってくれました。
どうなっているのかは、ちょっと分かりづらいです。説明しようと思って1分くらい熟視してみましたが、よく分かりませんでした

この後、女性に暴行を働く男を血祭りにあげながら、伴侶の雄を探し求めるナギン。かすかに受け取れる雄のテレパシーはどんどん弱くなる。
惨殺された死体が次々発見され、てんやわんやになる警察とも絡み合いながら、ナギンは町をさまよう。
女王は無事に伴侶を取り戻すことが出来るのか。


全体として、ちょっと風変わりなクリーチャー系ホラー・インド映画となった本作。
世間の評判はあまり芳しくないようだが、父親のデヴィッド・リンチの系統を継ぐ登場人物は、本作にも健在だ。ただインド映画独特のやかましさが、じっくりじわじわとくる恐ろしさを消し去っているのが残念。
でもインド風味を否定すると本作は成り立たないので、これは新しい試みなのかもしれない。

ではまた