『ドンファン』(1995) - Don Juan Demarco –

たまには、隣の人の手をとってみてはいかがでしょう

Don Juan Demarco_19

■ドンファン - Don Juan Demarco -■
1995年/アメリカ/98分
監督:ジェレミー・レヴェン
脚本:ジェレミー・レヴェン
製作:フランシス・フォード・コッポラ、フレッド・フックス、パトリック・パーマー
音楽:マイケル・ケイメン
撮影:ラルフ・ボード
出演:
ジョニー・デップ(ドンファン・デマルコ)
マーロン・ブランド(ジャック・ミックラー)
フェイ・ダナウェイ(マリリン・ミックラー)
ジェラルディン・ペラス(ドンナ・アナ)
レイチェル・ティコティン(ドンナ・イネス)
タリサ・ソト(ドンナ・フリア)
ボブ・ディッシー(ショー・ウォルター)

解説:
スペインの伝説上の漁色家ドン・ファンが現代に甦った? 若き名優デップが尊敬するブランドとの共演で繊細な演技をみせる、F・コッポラ製作のロマンチックな一篇。
 (allcinema)

あらすじ:
Don Juan Demarco_05ニューヨークの裏町。いましもビルの上で自殺を図ろうとしている青年がいた。
警察の説得に応じないとして、呼び出された精神科医ミックラー。なんとか青年をビルから降ろし、勤める病院で診察を受けることを承諾させた。
青年の名前は‘ドンファン・デマルコ’。女性を愛し幸福にすることを天恵としていたが、最愛の女性に拒絶され生きていく希望を見失い、自らの命を断つことにしたと言う。医師ミックラーに促され、彼は今までの人生を語り出す-


Don Juan Demarco_08精神科医の仕事に心血を注ぎ込み、燃え尽きてしまったジャック・ミックラーが、退職を10日後に控え、最後の患者となる不思議な青年に出会った。青年は自分を愛の貴公子‘ドンファン・デマルコ’だと名乗る。17世紀の衣装に身を包み、剣を携え軽やかに歩く姿はスペインの貴公子そのものであったが、彼の魅力はそれに留まらない。
治療のために、彼の生い立ちから順に話を聞くミックラー。
医者の立場から患者に話をさせていたのが、気がつくと彼の話に魅了され、続きを聞かずにいられない。彼の物語に引き込まれてしまったジャックは、その世界に行ってみたいとさえ感じるように。
上司や同僚が虚言癖のあるただの分裂症患者だ、早く投薬して治療しろというのを、ミックラーは簡単に聞き入れることが出来なかった。

愛の貴公子ドンファン・デマルコ
Don Juan Demarco_02アメリカ人青年と、亡くなった親から引き継いだコーヒー農園を営むメキシコ人女性。2人は出会ったその時に愛を確信し、翌週結婚。きっちり9ヶ月後に生まれたのがドンファンだった。
幼い頃より、得体の知れない魅力が宿り、周りに女の子が侍っていたが、決して傲慢にならず同性にも好かれていたドンファン。
しかし16歳の頃、自分の犯した罪のせいで、父親が決闘を受けることになり剣に倒れる。母親は悲しみのあまり修道院に入り、ドンファンは罪の意識と不名誉を恥じるあまり仮面を付けるようになった。
そこからドンファンの世界を股にかけた冒険が始まる。行く先々で女性に愛され、女性を愛するドンファン。
Don Juan Demarco_17そんな彼が最後にたどり着いた小さな島で見つけた最愛の人ドンナ・アナ。しかし彼の女性遍歴を知ってしまった若いドンナ・アナは彼を拒絶してしまった。
失意の元、ドンファンが命を絶つためにやって来たのが、ニューヨークのビルの上だった。

女性のみならず男性をもその不思議な魅力で虜にしてしまう‘ドンファン・デマルコ’。後にジャック・スパロウとして世界中から愛されるようになったジョニー・デップしか考えられないほどのはまり役。
Don Juan Demarco_03ジャック・スパロウよりはソフトだが、本作でもフワフワとした掴み所の無い、それでいて芯のある愛の貴公子を嫌みなく演じている。
ドンファンはただの嘘つきなのか?それとも真実を語っているのか?
それは最後まで観てもはっきりしない。
確かドンファンは言っていた。「その答えはあなたの中にある」と。

精神科医ミックラーと妻マリリン
Don Juan Demarco_20結婚して32年。精神科医の仕事を真面目に取り組み、その半生を捧げてきたところで、ある日突然やる気が失せてしまったミックラー。
退職してありがちにエジプトへ夫婦旅行を予定していたところに現れたドンファン。彼の物語は、ミックラーが長年忘れていた青春の頃の熱い情熱を思い出させる。
家に帰り、ふと見るとそこにはいつも変わりなく居てくれている妻マリリンが。
「君のことをもっと知りたい」と突飛なことを言いながら花を差し出す夫に、マリリンは変わりのない愛情深い眼差しを向ける。
ドンファンはミックラーの仮面の下にある情熱を読み取り、マリリンへの愛を正直に表現させた。
エジプトではなく、小さな島へ旅立った1組の夫婦。そこには30年以上も前からの変わらぬ愛情が溢れている。

Don Juan Demarco_21ミックラー夫妻を演じたマーロン・ブランドフェイ・ダナウェイ
マーロン・ブランドはどうしたことか巨体になり、フェイ・ダナウェイも若くはない。しかし、隠しようのない、この溢れ出てくる気品と風格。
本作最後に小さな島で2人が踊るシーンがあるが、とても楽しげで、実はここが一番好きなシーンだったりする。
さて、今の若い役者が何十年か後に、この気品と風格を出すことが出来るかな(上から


お伽噺のような物語の最後は、ブライアン・アダムスの情熱的な曲が流れ素敵なハッピー・エンドとなる本作。
この作品の成分は、
捕らえ所のない、しかしその動きから目が離せないジョニー・デップの魅力30%
マーロン・ブランドとフェイ・ダナウェイの余裕のある軽快な大人の魅力30%
そして、心地よいギターの音色とB.アダムスの掠れた声の見事なコラボによる楽曲30%
と、なっている。
残りの10%は、、、自分で工夫してふりかけてみよう。

ではまた

Bryan Adams – Have You Ever Really Loved A Woman

同時代の名曲をもう一つ Bryan Adams, Rod Stewart & Sting – All For Love 『三銃士(1993)』より

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