『コロニー5』(2013) - The Colony –

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これも日本未公開だけど、うまい俳優を使って丁寧に作られた近未来SFサスペンス作品。何が起きるのか、何が出てくるのか?と緊迫感一杯の前半から、大きく動く後半のホラー展開が素晴らしい。カナダの映画って面白いのが多いから目が離せない。

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■ コロニー5 - The Colony – ■
2013年/カナダ/94分
監督・脚本:ジェフ・レンフロー
製作:ポール・バーキン 他
製作総指揮:ノア・シーガル 他
撮影:ピエール・ギル
音楽:ジェフ・ダナ
 
出演:
ローレンス・フィッシュバーン(ブリッグス)
ケヴィン・ゼガーズ(サム)
ビル・パクストン(メイソン)
シャーロット・サリヴァン(カイ)
アッティカス・ミッチェル(グレイドン)
ジョン・テンチ(ヴィクター)

解説:
氷河期が訪れた未来の地球を舞台に、地下のコロニーでわずかに生き長らえる人間たちが、弱肉強食の生存競争を繰り広げる。L・フィッシュバーン主演のSFサスペンス。
(WOWOW)
 
あらすじ:
氷河期になり人類のほとんどが死滅。かろうじて生き残った人間達は地下に逃げ、いくつかのコロニーを作って生活していた。その中の一つ、“コロニー7”では植物、動物などを大事に育て自給自足で生き延びていた。そんなある日、同じような“コロニー5”からSOS信号を受け、そのまま連絡が途絶える。助け合って生き延びることを約束していたため、コロニー7のリーダー格ブリッグスはコロニー5へ向けて出発するが ―


 
地球温暖化がひどくなる。それならば冷やせばいいじゃないか、という事で作られたいくつもの巨大な「気象調節タワー」。難しいことは分かりませんが、とにかくこれで上昇した気温を下げようとした。確かに気温は下がり、ある日、雪が降る。翌日も雪が降る。翌々日も雪は降り続き、そのままやむことが無くなった。
この氷河期は人類が巻き起こしたのだった。
 
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気温が著しく下がり絶えられなかった人間が死亡する。生き残った人間の中で食糧についての争いが起こり、また人口は減る。こうしていくつかの思想の元、生き残った人類はほんの数十名ずつのコロニーを地下に作り暮らすことに。元軍人ブリッグスが暫定的にリーダーとなっている“コロニー7”では、植物の種を大事に保存し、動物を育て自給自足の暮らしを続けている。
 
それでも薬が手に入らない世界ではウィルスによる風邪のような病気で人々が簡単に死んでいく。この風邪ウィルスの恐怖は、今で言うならエボラウィルスと同じくらいの威力を持つ。密閉された地下空間での生活では、いったんウィルスが広まると止めることが出来ないからだ。ここコロニー7でも目下一番の問題事項であった。
 
全体を助けるためにウィルスにかかった人間を追放するか、殺してしまうか、、。小さな世界で人権という大きな問題を個々に抱えているコロニー。民主主義に則って事は進められるがいつも上手くいくとは限らない。充分に不穏な空気が流れる中で、SOS信号の後、連絡が途絶えた近隣のコロニー5。ブリッグスは若者2人とともに命をかけてコロニー5を目指すことに。
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さて、タイトルが『コロニー5』ですから、ホントの舞台はこちらになるのです。
一見うまくいっているように見えるコロニー7でさえ、問題や諍いが起き安心できないのに、SOS信号が発せられたコロニー5では何が待ち受けているか分かったもんじゃない。けれどもお互い助け合っていくことが決まりのコロニーどうしの約束を果たすため向かうブリッグス。
 
演じているのはローレンス・フィッシュバーン。今回は常に分厚い装備を纏っているせいもあってか、大声を出したり、大きなアクションを使わずともこの正義感の強い元軍人をとても抑えた演技で好演している。特に彼は食糧で争う人々に嫌気がさして軍を離脱した、という設定で、とても人間らしい優しい人物だ。そんな彼のアップになった時の目は、いつもの厳しい眼差しとは違い、涙をたたえたようにうるうるしていてとても印象的だった。
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The_Colony-movie2013_27ブリッグスに同行した若者の一人は男前のサム(ケヴィン・ゼガーズ)。彼は少年の頃に雪の中で死にかけていたところをブリッグスに助けられ、コロニー7で育った。恩人であり育ての親でもあるブリッグスの考え方を踏襲しているサム。このサムがコロニー5で見たこと、知ったことが、今後の人類、地球にとっての大きな役割を担うことになる。だがそれが成功したかどうかは分からない。どちらにも取れる、もしくはどちらにも取れないようなラストとなっている。
 
コロニー5で起きたこと。
それは言えませんねぇ 近未来SFなんだから、エイリアンにいくのかなーって思いながら観ていたんだけど、、、食物連鎖の「一番上」と「一番下」について考えさせられた結果になった。
でもこれだけは書いておきましょう。後半は作品の雰囲気は大きく変わってアクションに、そしてホラーになっていく。描写は結構、過激ですからスプラッター苦手な人は注意かも。