『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013) - Under the Skin –

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これは一言で言うなら「釣り」のお話です。釣り人は地球外生命体、釣り餌はスカーレット・ヨハンソン、獲物は人間。釣り餌がよく出来ているから釣れるわ、釣れるわ、で地球外生命体うはうは状態。で捕った獲物をどうするのかというと、、
あ、結構ネタバレしてると思います!

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■ アンダー・ザ・スキン 種の捕食 - Under the Skin – ■
2013年/イギリス・アメリカ・スイス/108分
監督:ジョナサン・グレイザー
脚本:ウォルター・キャンベル、ジョナサン・グレイザー
原作:ミッシェル・フェイバー「アンダー・ザ・スキン」
製作:ジェームズ・ウィルソン 他
製作総指揮:テッサ・ロス 他
撮影:ダニエル・ランディン
音楽:ミカ・レヴィ
 
出演:
スカーレット・ヨハンソン
ジェレミー・マクウィリアムス
ジョー・スズラ
クリシュトフ・ハーディック
ポール・ブラニガン
アダム・ピアソン
マイケル・モアランド
デイヴ・アクトン
ジェシカ・マンス

解説:
スカーレット・ヨハンソンがセクシーな美女に姿を変えた謎の地球外生命体を演じる異色のSFスリラー。道行く男たちを次々と飲み込んでいく孤独な捕食者のミステリアスな心の軌跡を、心象映像ベースのスタイリッシュな筆致で描き出す。原作はミッシェル・フェイバーの処女小説。監督は「セクシー・ビースト」「記憶の棘」の映像派、ジョナサン・グレイザー。
(allcinema)
 
あらすじ:
スコットランド。バンを運転し街で男に声をかけては家に誘う美しい女がいた。着いて行った男はそのまま姿を消すが、一人で歩いていた男や一人暮らしの男を狙っているという用意周到さで事件にもならない。だがある夜、顔に大きな腫瘍の出来た男に声をかけたことから、彼女の中で何かが変わり、ルール外の行動を取り始める ―


 
このSFエイリアン映画のオープニングの不気味さよ・・・
あまりに長く続くブラックアウトに放送障害か?(オンラインレンタルで視聴)とモゾモゾしてきたところに、青い小さな光が映る。同時に弦楽器のようなノイズとともに妙な言葉が聞こえてくる。バックでは昔習ったレンズと光の屈折のような装置が映り続け、それがピタッと合ったとき、、
 
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瞳が出来上がるんだ..
ようするにエイリアンが自分の側(スキン)を用意している映像なのだろう。側は女性。今回はスカーレット・ヨハンソン型となる。あの妙な言葉はエイリアン語か、もしくは地球言葉の練習をしているのか。続く川の強い流れは、まるで血管を走る血液のようであり、ヨハンソン型が出来上がったことを彷彿とさせる。
 
ヨハンソン型の働きは素晴らしい。
バンを走らせ獲物を探す。釣り上げた後はアジトに連れ込み、生け簀に閉じ込める。ホントにコレ、生け簀としか例えようがない。この作品はSFなんだけど、たくさんのUFOやエイリアンが出てくるわけではなくて、UFOらしきモノは最初にビルの屋上で光って飛び去るだけだし、エイリアンもエイリアン状態で出てくるのはラストだけ。
ただし、エイリアンの母船か宇宙の彼方か何かと繋がっている場所は白く光る部屋だったり、真っ黒な部屋だったりする。生け簀はこの黒い部屋にある。
 
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生け簀に放り込まれた男はどうなるかって?
酷い話ですよー。しばらくはそのままに。その後、ふやけてブヨブヨになってきた頃合いを見計らって、一気に中身をブッっとばかりに抜く。そこに残るのは男の側(スキン)だけ。それがふわわ~っと浮いている。抜いた中身は一つ所に集められ、何かに使われる。
何に使うんだろうか?釣り餌を作るのに使うのかな。それとも単純に食糧なのか..
 
一気に ブワッと
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作品冒頭にも妙なノイズが聞こえていたけれど、この生け簀部屋でも太鼓付きの妙に気持ち悪い音楽がバックに流れる。この映画はほとんどが自然の中か、車の中か、白い部屋か黒い部屋かで出来ている。スタイリッシュといえばそうだけど、スタイリッシュな映像とは裏腹にスキンの下のエイリアンの存在、鼓動、息づかい、肉とか骨とかやたらに生臭くもある。「無防備な気持ち悪さ」とでも言おうか… ヨハンソン型がやせ形ではなくてむっちり型なのもその感覚を手伝う。
 
Under_the_Skin-2013_04最初はヨハンソン型を大いに利用していた釣り餌さんだった。顔に腫瘍がある男を誘った時も特に何も感じなかった。必要なのは中身であって、外側のスタイルはどうでもいいのだ。
だが何故か、彼を生け簀に放り込めなかったヨハンソン。人が溺れようと、幼子が死ぬのを待つように泣いていようと全然気にしなかった彼女なのに、初めて自分の頬を触れさせたこの男に何かの感情が芽生えたのだ(逃げ出したこの男はきっちりと始末された。始末したのはいつもバイクで移動する、あれは監視型エイリアンだね)。
 
そしてそれを知った時、人間の行動や感情に興味を持ち始め、それが彼女の弱点となる。
今までは男を誘い込む事に使っていた肉体が、今度は足かせとなり人間の男達の反応をうまくコントロール出来なくなったのだ。バンを手放したのも災いした。自分を守るものは、もはやこのムッチリしたスキンだけになったのだ。
そのスキンが傷んで破れた時、彼女の使命は終わりを告げた。
・・・でもバイカーは一人じゃ無いんですよね・・・