『NY心霊捜査官』(2014) - Deliver Us from Evil –

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楽しみにしてたんですよね、主演はエリック・バナだし。TVドラマみたいな邦題がついているけれど、原題を意訳すると「悪魔への扉」とでも言いましょうか、懐かしい感じのするオカルト・ホラーです。宗教心の無い私ですけど、こういった場合は神様の存在は必要なものなんだな、と思いましたです。原作者の実体験のお話ですよ・・・

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■ NY心霊捜査官 - Deliver Us from Evil – ■
2014年/アメリカ/118分
監督:スコット・デリクソン
脚本:スコット・デリクソン 他
原作:ラルフ・サーキ「エクソシスト・コップ NY心霊事件ファイル」
製作:ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:マイク・ステンソン 他
撮影:スコット・キーヴァン
音楽:クリストファー・ヤング
 
出演:
エリック・バナ(ラルフ・サーキ)
エドガー・ラミレス(ジョー・メンドーサ神父)
オリヴィア・マン(ジェン・サーキ)
ショーン・ハリス(サンティノ)
ジョエル・マクヘイル(バトラー)
クリス・コイ
ドリアン・ミシック
マイク・ヒューストン
オリヴィア・ホートン
ダニエル・サウリ

解説:
霊感を持つ現役のニューヨーク市警巡査部長ラルフ・サーキの手記『エクソシスト・コップ NY心霊事件ファイル』を「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソン監督で映画化した異色の実録ホラー・サスペンス。その特殊能力ゆえに不可解な心霊事件に遭遇してしまった主人公が、事件解決のために恐るべき悪霊に立ち向かっていく姿を描く。主演は「ミュンヘン」のエリック・バナ、共演にエドガー・ラミレス、オリヴィア・マン。
(allcinema)
 
あらすじ:
ニューヨーク市警サーキ刑事は鋭い勘の持ち主で、その週も勘に従いいくつかの事件を受け持った。それは動物園で幼い息子をライオンの檻に投げ込んだ若い母親ジェーンと、自宅で妻へ酷い暴力を振るうDV男の事件だった。一見、なんの関係もないかに見えたこの2つの事件に、ある繋がりを発見したサーキは、ジェーンを心配して現れた教区の神父メンドーサと出会うことにより、自分の不思議な力を知ると共に、これら事件の裏に蠢く巨大な悪の存在と対峙することになる ―


 
Deliver_Us_from_Evil_21エリック・バナといえばフート(『ブラックホーク・ダウン(2001)』)。フートといえば“デルタ”ということで(全然関係無いが、、)、ある海兵隊の兵士3人がイラク戦争中に踏み込んでしまったやばい場所に端を発して巻き起こる、1人の悪魔の物語。
そのやばい場所とは、地下に隠された何かの神殿のような場所で、そこに踏み込み、あるものを見てしまった事で悪魔に取り憑かれ、そのままアメリカに持ち帰って来てしまった3人組。もちろんそれまでに、この悪魔憑きとその僕は軍の中でさんざんな事をしでかして、不名誉除隊となっている。
 

The_Exorcist_1973Movie思えばあの『エクソシスト(1973)』の冒頭でメリン神父が悪霊パズズの像を発見した場所もイラクだったのだ。
イラク北部にある古代遺跡は学校で習った四大文明“メソポタミア”にまで遡る。当時のメソポタミアは多神教であり、多くの神々が信じられていた(Wiki:メソポタミアの神々)。と同時に、災いや怪我、病気などの不幸を人間にもたらすものは“悪霊”の仕業とされ、その災いの数だけ悪霊がいるとされていた時代。それら悪霊には名前が付けられ、恐れられていたためにめったに絵や像として表現されなかった。
だからメリン神父がパズズの像を発見した事には意味があり、理由があったのかもしれません 横道にそれついでに書いておきますと、この貴重なイラク古代遺跡はフセイン政権下ではきちんと保存されていなかった上、イラク戦争では米軍攻撃でかなりの被害が出て、貴重な遺物が壊され、盗まれしてしまったということです(いったい、誰が悪魔なんだか・・)

 
Deliver_Us_from_Evil_23こういう背景の中、こともあろうに米軍兵士に取り憑いた1人の悪魔“ジャングラー”(作中では「神の御血で封印されはずだろ、お前」という事だったのだが、この名前の悪魔については調べがつきませんでしたぞ)。
1人の米兵に取り憑き、残り2人を僕に変えてアメリカに乗り込んだジャングラー。彼の目的は人間の僕化であり、その方法も実に簡単。これに気が付いたのが、以前から悪霊学を学んで悪魔の存在を現実問題として知っており、悪魔払いを行っていた神父メンドーサ。
 
ライオン檻子供投げ込み事件で神父と知り合った刑事サーキは、最初こそ笑って信じなかったものの、関連事件を捜査していくうちに、ある共通のものを発見。メンドーサを信じざるを得ない状況に。と同時に自身に宿る“力”と、自身に巣くう“悪”に直面することになる。

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現代的な捜査を続けていく警察と、どんどんオカルト要素が露わになっていく前半も面白いが、この映画の一番の見どころは最後にある悪魔払いの儀式となるのかな。儀式そのものは『エクソシスト』をはじめとする数々の悪魔映画で再現されているために、儀式の流れや悪魔の出方なんかは知識としてもう知っている(本作の監督は『エミリー・ローズ(2005)』でもやっている)。
 
そこをどう新しく見せるか、という点ではあまり目新しいものは無かったものの、儀式の場所が警察署の取調室であったり、神父の唱える言葉がラテン語で呪術性が増幅して聞こえたことや、例の悪魔の名前を言わせる場面でそれを聞き取ったのが神父では無かったこと、名前を言う悪魔の声が部屋中を飛び回る、など面白い点も。それといつも思うけれど、悪魔に取り憑かれた人の演技の凄さには敬服します。

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神父役は『ドミノ(2005)』“チョコ”ことエドガー・ラミレス。声がいいですねー。それは儀式でもよくいかされていたと思う。
 
本作はサーキ元刑事の手記がベース。サーキ氏はこの後、警察を退職。その後は神父と共にある方面の職務を遂行しているということ。映画という形が難しければ、TVドラマでぜひ、その職務とやらを次々報告してほしいなー。
↓はサーキ氏が悪魔祓いを行うドキュメンタリー映像。信じるか信じないかはあなた次第です。