『バンド・オブ・ブラザース』 第2話/ノルマンディ降下作戦 -Day of Days

■バンド・オブ・ブラザース -Band of Brothers-■
第2話/ノルマンディ降下作戦 -Day of Days

BoB_042

監督:リチャード・ロンクレイン
脚本:ジョン・オーロフ

■あらすじ:
BoB_0121944年6月5日。ノルマンディ上陸作戦決行前夜。激しい対空砲火の中、E中隊はパラシュートでドイツ軍占領下のノルマンディに降り立つ。降下の際の衝撃で装備が吹き飛んだ兵士も多かった。ウィンターズは散り散りになった部下を少しずつ集め、何とか大隊と合流する。
E中隊の次なる任務は、ブレクールにあるドイツ軍の砦を破壊することだった。安否不明の隊長ミーハン中尉に代わり、ウィンターズが指揮を執ることになる-


第2話は、10話の中でも一番のお気に入りだ。
1話目を観て想像していたのとは全く違った、対空砲火で味方の飛行機が撃墜される中での夜間パラシュート降下と、後に固定目標攻撃の手本となった砦の破壊を観ることが出来る。

■1944年6月6日未明 ノルマンディ降下
BoB_005E中隊はユタ・ビーチに上陸するアメリカ軍を助けるため、内陸側に降り立った。総勢何名の第101空挺師団が降下したのかは、調べた限り不明だったが、降下後、24時間で集合できたのが3000名。ドラマ内でウィンターズ達が大隊と合流した時点で9割が行方不明と言っていたので、総勢20000~30000名が降下したことになるのか。
E中隊のパラシュート降下の様子は詳細に描かれている。アポッタリーを出て海を越え、雲が切れた途端にドイツ軍の対空砲火が雨あられと(下から)飛んでくる。次々と味方の輸送機が撃墜される中、予め決められていた降下地点に向けての降下はほとんど出来ていない。隊員達は降下するというよりも墜落寸前の輸送機から振り落とされるように落ちていく。

BoB_019ウィンターズ達が無事に降下できたのは、運がよかったと言わざるを得ない。
この一連のシーンでは砲撃される緊迫の輸送機から飛び降り、味方が撃墜される中、地面に着地するまでをウィンターズと一緒に味わうことが出来ます。 → ノルマンディ上陸作戦概要

■1944年6月6日 ブレクール砲塁攻略戦
E中隊隊長のミーハン中尉の安否が不明なため、ウィンターズは中隊長代行となり、この作戦を指揮することになる。
ドイツ軍ブレクール砲塁は、88ミリ砲をユタ・ビーチに向けて砲撃しており、アメリカ軍の上陸を妨げていた。

ブレクール砲塁攻略戦
ウィンターズ中尉は、中隊の指揮を任されるなり、「ブレクール・マノールという、近郊の生垣に敵の砲塁がある。何とかしろ」との命令をうけた。戦場の状況説明もなかったが、ウィンターズはこのドイツ軍の砲台を破壊するべく行動を開始した。
BoB_040午前8:30、ウィンターズは敵陣を偵察した後、自身と他の部隊から計13名の兵を選出。 砲塁の位置についてはおおまかにグランシュマン村南部とだけ知らされており、敵戦力も不明なまま、ウィンターズ率いる部隊はユタ・ビーチ南西4.8km、サン・マリー・デュモンの北に位置するブレクール砲塁に攻撃を開始した。
堡塁には塹壕で繋げられた105mm砲4門と一個小隊に守備された第90砲兵連隊第6砲兵隊60名が配備されていた。
ウィンターズは砲塁に到着してから敵陣攻略の計画を立てた。まず、2挺のブローニングM1919重機関銃を援護射撃のため配置につけた。つぎに3名の兵(リン・コンプトン少尉、ウィリアム・ガルニア軍曹、ドナルド・マラーキー二等兵)を敵陣の側面に送り、敵の機関銃を破壊したうえで味方に援護射撃をさせた。

BoB_041砲塁は、守備力強化と補給を容易にする目的で105mm砲4門が塹壕で繋がっていたが、これは同時にこの砲塁最大の弱点ともなった。最初の砲台を破壊した後、ウィンターズは部隊を率い、塹壕をつたって敵の攻撃を遮りながら次々に砲台を破壊した。この際、砲塔にTNT火薬を入れ、ドイツ軍の手榴弾を点火のために使用した。

ほどなくロナルド・スピアーズ少尉に率いられたD中隊増援が到着し、最後の砲台の攻略にかかった。スピアーズは優秀で極めて積極果敢な士官との評判であったが、このときスピアーズは塹壕の外を走り、自らの身を銃火にさらしながら隊員を率いて砲台を攻めた。
ウィンターズの部隊は、4つの砲台の無力化に成功し、ブレクール敵陣からの重機関銃砲火をうけながら撤退した。なお戦闘中ウィンターズは砲台陣地のうちの一つからドイツ軍の地図を入手していた。この地図にはコタンタン半島のすべてのドイツ軍砲台陣地が記されており、この計り知れないほど貴重な情報はアメリカ軍司令部の下に届けられた。

以上の功績によりウィンターズ以下、戦闘参加者が受勲している。

殊勲十字章
・リチャード・ウィンターズ中尉
銀星章
・“バック”リン・コンプトン少尉
・“ワイルド・ビル”ウィリアム・ガルニア軍曹
・ジェラルド・ロレイン二等兵
青銅星章
・カーウッド・リプトン軍曹
・“ポパイ”ロバート・ウィン二等兵
・クリーブランド・ペティ二等兵
・ウォルター・ヘンドリックス二等兵
・ドナルド・マラーキー二等兵
・マイロン・ラニ―上等兵
・ジョセフ・リーブゴット二等兵
・ジョン・プレシャ二等兵
・ジョー・トイ伍長
パープルハート章
・“ポパイ”ロバート・ウィン二等兵
・ジョン・ホール上等兵
・アンドリュー・ヒル准尉

このシーンも手持ちカメラによる素晴らしい臨場感で、ウィンターズと一緒に塹壕の中を走り抜けることになる。
射撃をしながら身をかがめて塹壕を走り、敵、味方の動きを的確につかみ指示を出す。ソベル大尉には無理だったことだろう。
この戦闘での戦死者4名、負傷2名。ドイツ軍の戦死者は20名、捕虜12名、砲台無力化4門。

この後E中隊はカランタンに向かう。


■登場人物1話目からの続き)
BoB_027(ホール) ジョン・ホール上等兵

BoB_035(トイ) “ジョー”・トイ伍長

BoB_032(スピアーズ) ロナルド・スピアーズ大尉

■各話あらすじとブログ内記事リンク
ノルマンディ上陸作戦概要
1.翼のために -Currahee
1944年6月4日、ノルマンディ上陸作戦決行直前。E中隊のウィンターズ中尉は2年前の夏、ジョージア州トコア基地での訓練の日々を思い返していた。
2.ノルマンディ降下作戦 -Day of Days
1944年6月5日、ノルマンディ上陸作戦決行前夜。激しい対空砲火の中、E中隊はパラシュートでドイツ軍占領下のノルマンディに降り立つ。だが部隊は散り散りになり、目的地に向かうにも困難が立ちはだかる。
3.カランタン攻略 -Carentan
上陸作戦決行日から6日後、E中隊はカランタンの町に入る。ドイツ軍の精鋭部隊が防衛するカランタンでは激しい市街戦が行われる。
4.補充兵 -Replacements
1944年9月、E中隊に新参の補充兵たちが配属され、オランダにパラシュートで降下する「マーケット・ガーデン作戦」が展開される。
5.岐路 -Crossroads
1944 年10月、ウィンターズ中尉は膠着状態となっていたオランダの運河で危険な任務を遂行した後、第2連隊の幕僚に昇進する。休暇をとりパリを訪れたウィンターズだったが-。
6.衛生兵 -Bastogne
1944年12月、ベルギーの町・バストーニュで第101空挺師団がドイツ軍に完全包囲される一方で、E中隊は町の近郊にある森で塹壕を掘って布陣を張った。しかし深い雪と厳寒に苦しめられ、食料や弾薬、冬装備、医療品が不足する-。
7.捕虜を捉えろ -The Breaking Point
1945年1月2日、ベルギーのバストーニュでドイツ軍の度重なる攻撃に耐えたE中隊はついに反撃を開始し、フォイ村の攻略を命じられる。フォイ村までの雪原を進攻し始めたE中隊だったが-。
8.雪原の死闘 -The Patrol
1945年2月、E中隊はドイツ国境に近いアルザス地方の町・ハーゲナウに入った。負傷して前線を離れていたウェブスターが隊に復帰したが、仲間の反応は冷ややか。そんな中、ライン川を渡りドイツ軍の捕虜を捕らえるよう命令を受ける。
9.なぜ戦うのか -Why We Fight
1945年4月、E中隊は国境を越えてついにドイツ領内に侵攻した。ドイツ軍の抵抗はほとんどなく、さらにルーズベルト大統領死去の報せが連隊に届く。そんな中、パトロール中の兵士が強制収容所を発見する。
10.戦いの後で -Points
1945年7月、E中隊はドイツのバイエルン地方にあるヒトラーの山荘「イーグルズ・ネスト」を占拠することに成功。ウィンターズはドイツ軍が降伏したことを知らされる。

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