『オープン・グレイヴ-感染-』(2013) - Open Grave –

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「穴の底」シチュエーション・スリラーかと思っていたら、また間違えました。記憶が無い5人の男女と話すことが出来ない1人の女性の疑心暗鬼に満ちたサスペンスに始まり、段々と明らかになる驚愕の事実へと向かうパニック・スリラーへ。邦題からゾンビものかとも考えたけどそれも違うよ。

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■ オープン・グレイヴ-感染- - Open Grave – ■
2013年/アメリカ/102分
監督:ゴンサーロ・ロペス=ガイェゴ
脚本:エディ・ボーレイ 他
製作:ウィリアム・グリーン 他
撮影:ホセ・ダビ・モンテーロ
音楽:フアン・ナバーソ
 
出演:
シャールト・コプリー
トーマス・クレッチマン
ジョシー・ホー
ジョセフ・モーガン
エリン・リチャーズ
マックス・ロッツリー

解説:
「NAKED マン・ハンティング」「アポロ18」のゴンサーロ・ロペス=ガイェゴ監督が、「第9地区」「エリジウム」のシャールト・コプリーを主演に迎えて贈るミステリー・スリラー。
(allcinema)
 
あらすじ:
雨の夜、記憶が無くなり自分の名前も思い出せない男が深い穴の底で目覚めた。辺りには大量の死体が無造作に投げ入れられており、思わず助けの叫び声を上げる。そこへ1本のロープが降りてきて無事に穴の外に出た男は、深い森を彷徨ったあげく、一軒の家を見つけた。中には5人の男女がいたが、4人は彼と同じく記憶が無く、1人の女性は口がきけなかった ―

Grave :墓、死体を埋める穴


真っ暗な中、身体がガチガチになった状態で目が覚めたとご想像ください。雨に当たって身体が濡れているから、屋外にいることが分かる。節々を伸ばしながら起き上がる。横にはコンクリートの高い壁が。何故この場所に?分からないのはそれだけではなく、自分の名前さえ思い出せない。記憶が失われていたのだ。
暗闇に段々と目が慣れてくるが、まだこの場所の全容は分からない。そこへ雷鳴が轟く。自分の周りには人の死体、死体、死体・・・!
 
Open_Grave_29なかなかインパクトのあるオープニング。男はを叫ぶが、この後どうやって穴から脱出するのか?
・・・と思いきや、誰かが覗き込み、スルスルと降りてくるロープ。案外簡単に脱出するんだねー。
しかし、この男。痩せこけた頬に無精髭。ボサボサの頭に泥だらけの服。善人なのか悪人なのか定かでは無く、信用できない雰囲気がぷんぷん。穴の底で拾った拳銃を手にしているからなおさらだ。
 
Open_Grave_13穴から脱出した後、この男が見つけた一軒家には男女が5人、険しい顔をして何やら話し込んでいた。そこに銃を構えた男が乱入してきたものだから、その場は大きく混乱する。何よりこの男女も穴の男と同じく記憶が無かったのだ。ただ一人、アジア系の女性には記憶が残っており何かを知っているようだった。が、彼女は英語を理解できない上、口がきけなかった。
ここは何処なのか、ここにいる人は仲間なのか敵なのか。辺りは深い森で建物はこの家一軒しかない。この事態を打破するには皆が協力するしかなかった。
 
Open_Grave_22こうして登場人物共々、何が何やら分からないまま話が始まる。家の中を調べると食糧の備蓄と多くの銃器があることが分かる。だが通信手段は無く移動手段も無い。部屋にかかっているカレンダーの18日に大きな○が付けられ、何かある日なんだと分かるが、その意味することは不明だ。
周辺は森が広がるばかりだったが、調べる内、半壊の建物に立てこもる子供や、納屋に鎖で繋がれた女性、鉄条網に括り付けられた男が見つかる。彼らは生きていたがとても凶暴に見える。それだけでは無かった。森の木々に見せつけるように縛られた多くの人の死体。それらが家を囲っていた。
 
 
Open_Grave_141/3ほど過ぎても謎だらけで話が進んでいくが、少しずつ解明されていく状況。
で、5人は助かるのか?みたいな単純な謎解明話では無いんですね。何より記憶が無いがために、誰かがこの状況を作った“敵”かもしれないという考えが残る。どの登場人物もひとくせあって、誰もが怪しい。正直そうなアジア人女性でさえ、信用できない。
最後には失われた記憶が戻り、皆の素性も分かるんだけど「ホントの恐怖はここから始まる」と同時に「希望と未来が広がる」という何とも救いがあるような、全くの絶望の淵にたたされたようなラスト。これは全て“感染”の結果なんですねー。
 
これ偶然にも18日に観たんです。それが何か?と思われた方は是非本作をご覧下さい。派手でうるさいゾンビものとは一線を画す(ゾンビじゃ無いんだけど)、落ち着いた色彩の中で繰り広げられる人間ドラマと明かされる真実。B級みたいな邦題だけど中身はA級。ラストはホントにショッキングです。