『チェンジリング』(1980) - The Changeling –

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カナダ産ホラー続いてます。有名な作品との事ですが、この映画は知らなかったー。80年代前後の血しぶきホラー量産時代に珍しく、少し古めのオカルト・ミステリー的な内容と舞台のようなカメラ撮りで、主人公は初老の作曲家とお屋敷。この古い屋敷に眠る悲しく恐ろしい“ある事実”を主人公が解き明かしていく。

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■ チェンジリング - The Changeling – ■
1980年/カナダ/107分
監督:ピーター・メダック
脚本:ウィリアム・グレイ 他
原作:ラッセル・ハンター
製作:ジョエル・B・マイケルズ 他
撮影:ジョン・コキロン
音楽:リック・ウィリアムズ
 
出演:
ジョージ・C・スコット(ジョン・ラッセル)
トリッシュ・ヴァン・ディーヴァー(クレア)
メルヴィン・ダグラス(ジョセフ)
ジーン・マーシュ(ジョアンナ)
バリー・モース
ジョン・コリコス
マデレーン・シャーウッド

解説:
70年前に起きた惨劇が引き起こす怪異現象を、ショック演出ではないミステリー・タッチで淡々と描いた良質の怪談映画。冬のカナダの森閑とした背景も雰囲気充分。余談だが、劇場公開時にはヒカシューの歌う“パイク”がイメージ・ソングに使われた事でも有名。
(allcinema)
 
あらすじ:
交通事故で妻子を一度に亡くした作曲家ジョンは傷心を抱えたまま、暮らし慣れたニューヨークを離れシアトルへ。ある財団が管理する古い屋敷に移り住んだ。作曲活動の傍ら大学で講義を受け持ち、妻子を悼みつつ始まった新生活だったが、ほどなく屋敷内で不気味な現象が起き始める ―


オカルト・ホラーです。最初はじわじわ起きる原因不明の不気味現象が、最後には怒りに満ちた悪霊へと変化していく感じではあるけれど、主人公が初老の落ち着いた男性でもあり「キャーッ」と叫ぶ系の騒々しさや派手さは排除され、じっくりと進んでいく。
どうしてまた、そんな広い屋敷に一人で住む?というほどの巨大屋敷(もはや城)が舞台で、この屋敷で過去に起き、ずっと隠されてきた真実が主人公ジョンに語りかけてくる。
 
The_Changeling_1980_18ジョンは少し前に愛する妻と幼い娘を自動車事故で亡くしたばかり。その哀しみのオーラが屋敷に住みつく何者かを刺激したのかもしれない。もしかしたら分かってくれるかも?と。確かに前の住人の娘が同じように事故で亡くなっていた。
 
亡き娘が遊んでいた赤いボールが大きな階段をポトン、ポトンと落ちてくる。確か書き物机に仕舞ってあったはずなのに。壁の向こうから声がする。誰もいないはずなのに。毎朝6時に大きな金属音が鳴り響く。いつの間にやら蛇口が開いている。古い建物だから仕方ないのか?
こうしてまでも分かってくれないジョンに、屋敷の何者かは見つけて欲しい場所を大きく派手に示した。その場所は「屋根裏部屋」。
 
The_Changeling_1980_12イヤですよねー、屋根裏部屋・・・
特にこの屋敷は巨大だから、屋根裏と言っても長い階段を上がった先の先にある。広い階段が狭くなり、行き止まりに続く細い廊下を歩いて行くジョン。彼は大人だから暗い廊下を伝いながら冷静に示された部屋を探していくが、らしい場所が見つからない。確か赤いステンドグラスが埋め込まれていた部屋だった。
 
この長い階段の上から下の人間を覗き込むような場面がよく出てくるんですよねー。階段は暗くて目をこらしても全部は見えなくて、階段の上が暗闇であることが分かる。そこから下を見下ろしているのはダレ・・?
 
The_Changeling_1980_17前半はポルターガイスト的なオカルトで進み、ジョンが調べていく内にこれはただの幽霊話では無いことが分かってくる。
屋敷の何者かがジョンを選んだことは正解だったのかもしれない。最後にはうまく事が運ばずいらつく何者かに「やれることは全部やっただろ!?」とジョンが言い返すほど仲良しに
何者かの目的はただ一つ。とても強い恨みに突き動かされ、恨みを晴らすまでは終わらない。結果、ジョンはそんな何者かの手助けをすることになった。
タイトルの「チェンジリング」とは「取り替え子」のこと。これはネタバレになっているようにも思えるけど、そんなに簡単な話でもない。
 
ギャー、ゥゲっ、グチャっとかのホラーも楽しくていいけど、こういう落ち着いた色彩のミステリー・ホラーもいいですね。前に観た『赤い影(1973)』の雰囲気を思い出しましたワ。