『エコエコアラディア ウィッチ・マーク』(1970) - Mark of the Witch –

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このカルト感・・・!前から観たいと思っていたのを思い切って借りてみました!・・借りてみました・・・・。確かにDVDだったはずなのに、まるで傷だらけのフィルム仕様。これがわざとの効果なのかアナログ・リマスターだからなのかは分かりませぬ。内容は現代に蘇った魔女の復讐もの。お話にもアナログ・リマスターの影響が出ているのか・・・?

■ エコエコアラディア ウィッチ・マーク - Mark of the Witch – ■

Mark of the Witch

1970年/アメリカ/75分
監督:トム・ムーア
脚本・製作:メアリー・デイヴィス 他
撮影:ロバート・ベザード
音楽:ホワイティー・トーマス

出演:
ロバート・エルストン
アニトラ・ウォルシュ
ダリル・ウェルズ
マリー・スタンテル

解説:
300年前の魔女の怨念が復讐を繰り広げるホラー。
(キネマ旬報社)

あらすじ:
17世紀。魔女のマージョリーは魔女裁判で有罪となり、刑を下したマッキンタイア・スチュアートを呪いながら絞首刑になった。300年後の現代。大学でオカルト・サークルに所属する女学生が1冊の古い本を発見。その中に記述されていた魔女を呼び出す儀式を皆で行うが ―


タイトルの“エコエコアラディア”は呪文の一文。古賀新一氏のホラー漫画「エコエコアザラク」の主人公は“エコエコアザラク エコエコザメラク エコエコケルノノス エコエコアラディーア”などと唱えているらしいです。“ウィッチ・マーク”というのは、そのまま魔女の刻印という意味で、悪魔の僕である人間(女生とは限らない)や魔女の手首に施される焼き印のこと。

Mark of the Witch

そしてです。300年前に魔女裁判で絞首刑にされた魔女マージョリー。彼女は自分を陥れたかつての仲間マッキンタイア・スチュアートにありとあらゆる呪いの言葉を吐きながら死んでいく。要するに絶対復讐してやるぞ、と。

この作品の特徴は何と言っても魔女が唱える呪文にある。ものすごくマイナスでネガティブで悪魔的な呪詛と共に繰り出される長い、長ーい呪文の数々。マージョリーが死ぬ場面から300年後の現代、ラストにいたるまで、そのほとんどが呪文で埋め尽くされるほど。
そしてもう一つの特徴が、演出なのか何なのか時折入る縦のフィルム傷のようなもの。それも同時にフィルムが一瞬切れていきなり繋がったかのようなジャンプする場面仕様。切れたビデオテープをテープでくっつけて、隣にあるDVDレコーダーを赤白黄色のRCAケーブルでダビングした感じ。

Mark of the Witch

このいきなり飛ぶ仕様は脚本的にもありまして、自宅に帰った女学生が次の場面では教授の家に、なんてのもあってポカンとなってしまう。
他にも役者さんのアップがやたら映され、実際、最後まで観るのは苦行のようでもありましたが、古き70年代の雰囲気を楽しむことに目的をシフトしたのでした。

Mark of the Witch

で、お話は女学生を通じて蘇ったマージョリーと、マッキンタイア・スチュアートの子孫で大学教授のマックとの戦いという構図になっていく。と、言ってもバトル的な戦いはラストまでなくて、マージョリーはひたすら呪文を唱えては学生を血祭りに。教授は意地悪してくる彼女をかわしつつも退治するための下準備を始める。

どちらも動きはのっそりしていて、危機感も不気味さもあまり感じられない。台詞も多めで魔女がよくしゃべるものだから、陰鬱な感じとも程遠い。

Mark of the Witch

なんて考えているうちに、最初で最後の戦いが始まる。ここは結構良かった。十字型の光に挟まるようになって動けなくなる魔女が取り憑いた女学生。その状態から女学生だけを引き出すとマージョリーが残り身動き取れないという展開。「ぉおー、やっと見どころが!」と思ったその瞬間、またフィルムが飛んで、「っへ?」なラストになだれ込む。
ぃゃ、今思い出しても「なんで?どこからそうなった?」ってなるんですけども、どうしても必要な展開であったのだろう。でも、もうちょっと間に何コマか挟もうよ。
ポスターは手塚治虫「哀しみのベラドンナ」みたいで雰囲気あるんだけどなー

哀しみのベラドンナ

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