『300〈スリーハンドレッド〉 ~帝国の進撃~』(2014) - 300: Rise of an Empire –

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行ってきましたぜ。前回、ヨホホ~イと飛び跳ねながら映画館に観に行ってから7年も経っていたとは・・!今回は男性陣筋肉よりも、蛇と龍を合わせたような残忍さと美しさを併せ持つ、実在したアルテミシア役エヴァ・グリーンが印象深かった。2500年も前の海戦映像化は見事で、まるで目の前で起こっているかのよう。ただし、単純な筋肉アクションは1作目に軍配。
 
■300〈スリーハンドレッド〉 ~帝国の進撃~ - 300: Rise of an Empire -■

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2014年/アメリカ/102分
監督:ノーム・ムーロ
脚本:ザック・スナイダー 他
原作:フランク・ミラー「Xerxes」
製作:ジャンニ・ヌナリ 他
製作総指揮:スティーヴン・ジョーンズ 他
撮影:サイモン・ダガン
音楽:ジャンキーXL

出演:
サリヴァン・ステイプルトン(テミストクレス)

エヴァ・グリーン(アルテミシア)
レナ・ヘディ(王妃ゴルゴ)
ハンス・マシソン(アエスキロス)
カラン・マルヴェイ(スキリアス)
デビッド・ウェナム(ディリオス)
ロドリゴ・サントロ(クセルクセス)
ジャック・オコンネル(カリスト)
イガル・ノール(ダレイオス王)
ピーター・メンサー(ペルシャの使者)

解説:
2007年の「300 <スリーハンドレッド>」に続いてフランク・ミラーの人気グラフィック・ノベル・シリーズを映画化した歴史スペクタクル・アクション第2弾。史実を基にしたペルシア帝国 VS ギリシャ連合の壮絶な戦いを、今度は海を舞台に再び迫力のバイオレンス&アクションとスタイリッシュな映像美で描き出す。主演は「アニマル・キングダム」のサリヴァン・ステイプルトン、共演にエヴァ・グリーン、レナ・ヘディ。前作の監督ザック・スナイダーは脚本と製作を務め、監督は新たに「賢く生きる恋のレシピ」のノーム・ムーロが手がける。
(allcinema)
 
あらすじ:
スパルタ王レオニダスがペルシア帝国100万の大軍に、わずか300人の戦士を率いて立ち向かおうとしていた時、エーゲ海ではペルシア軍の大艦隊にアテナイの勇者テミストクレス将軍がギリシャ連合軍を率いて対峙していた。圧倒的な戦力差を見事な戦術で跳ね返していたテミストクレスだったが、残忍な女将軍アルテミシア率いるペルシア艦隊の猛攻撃を受け ―


1作目『300 〈スリーハンドレッド〉』がスパルタ軍生え抜きの300名によるペルシア帝国軍との“テルモピュライの戦い”を(脚色を多分に加えて)映像化した作品だった。始まりはレオニダス王を訪れたペルシアの使いの尊大な態度だったが、都市国家アテナイの政治家であり軍人テミストクレスは「マラトンの戦い」以降も続くであろうペルシアの脅威を説いていた。そのためにはライバルであり敵対関係でもある都市国家が一つに纏まらなくてはならないと。
 

マラトンの戦い
紀元前490年に、ギリシアのアッティカ半島東部のマラトンで、アテナイ・プラタイア連合軍がアケメネス朝ペルシア王国の遠征軍を迎え撃ち、連合軍が勝利を収めた戦いである。
 
Battle_of_Marathon_Greek_Double_Envelopment西方への勢力を拡大しつつあったペルシア王国は、イオニアの反乱を鎮圧し、エーゲ海東岸から北岸の諸都市を攻略した。これらの地域の都市国家を征服した後、ペルシア王国がギリシア本土へ侵攻してくることは誰の目にも明らかだったが、ギリシアの都市国家はこれに対して有効な手を打つことができず、陸軍国スパルタは王位継承問題を抱えて内紛を起こし、同じ海洋国家であるアテナイとアイギナはペルシアに対する路線の違いと利権争いで相互に略奪を繰り返す有り様であった。
そのような中、ペルシア軍の動きを察知していたアテナイは、ミルティアデスをはじめとする10人の将軍を選出、プラタイアからの援軍と合流した重装歩兵部隊をマラトンに派遣し、スパルタにも援軍の使者を出した。
スパルタの増援が間に合わないまま、ペルシア軍を撃退したギリシア連合軍。
↑の図では青がギリシア、赤がペルシアの布陣となる。赤が前方に突撃、青は並列を乱すがそれは戦略で、赤の後ろに回り込んで八方塞がりにして勝利へと導いた(ギリシア軍兵士が勝利の喜びを約40km離れたアテネまで走って伝えたことが「マラソン」の語源)。
(Wiki:マラトンの戦い)

 
300_Rise_of_an_Empire_12本作はアテナイをギリシア随一の海軍国に成長させたとされる軍人テミストクレスが主人公。であるが、1作目がスパルタのレオニダス率いる300名の兵士をとことん中心に置き、まるで観ている者を兵士の一員と錯覚させ、一緒に戦っているかのような話の運びと圧倒的な映像美だったことに比べて、今回の主人公はちと影が薄い。
タイトルに『300』と付いているから、どうしてもねぇ..
 
あわせて本作オープニングは戦いに倒れたスパルタン300人の、思わず涙を誘うレリーフのような美しい死に様と、そこに馬に乗って現れた、レオニダス王の首を採るクセルクセスの大写し。もうこれだけで、例え本作を観る前に前作を復習していなくても、あの激烈で熱く燃えた感情がさーっと呼び起こされる。シャッと血しぶきがかかるエンディングを、半ば口を開けて映画館の暗い館内で見つめる自分を思い出しましたもの。
それだけに、ポッと現れた今回の主人公になかなか同化できなかったんだナ。
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それにです
今回もあの大層でイヤらしくて舞台がかったクセルクセスを、またもやたっぷりと堪能出来るのかと思いきや、、、ほとんど出てこないじゃないかぁ ただしクセルクセスが何故、こんな尊大なイヤなヤツ(*あくまでも映画作品内で)になったかの原因とその過程は描写され、そのお手伝い、というかクセルクセスをある意味、陥れたとも思われる人物が登場する。これが皆様お待ちかねの“女将軍アルテミシア”。
 
300_Rise_of_an_Empire_13知略、謀略に長けるこの女性は、クセルクセスの父でありペルシアの前王ダレイオス1世にいたく可愛がられていた女兵士。剣を持てば右に出る者はなく、その美貌も相まってギリシア人として生まれながら、ペルシア軍を統率する将軍にまで上り詰める。
何故、敵であるギリシア人が?というところには可哀想な過去があったりして、この辺もこのアルテミシアの魅力の一つになっている。そう、そう、前作でレオニダスの元に訪れたペルシア使者が鈴なりに持っていた征服した先の王の首。あれは、このアルテミシアが掻き切って集めてきたものなんですよ!スゴイですね..
 
で、このアルテミシアを王であるクセルクセスさえも抑えることが出来ない。完全にアルテミシアが上。
クセルクセスが指揮を執ったスパルタの“テルモピュライの戦い”と同時並行して、“アルテミシオンの海戦”ではこのアルテミシアとテミストクレス率いるギリシャ連合艦隊が激突するのです
長かったけど、これが本作のテーマであります。
 
300_Rise_of_an_Empire_20“アルテミシオンの海戦”についてそのまま書くと史実とは言えネタバレになってしまうので、ここでは書かないとして(詳しくはこちらへWiki:アルテミシオンの海戦)、今回は少しだけ映る“マラトンの戦い”以外は全て海戦。
こじんまりと迎え撃つギリシャ艦隊に、嵐の大きな波に乗り襲ってくるペルシア大艦隊。船そのものを舳先からぶつけ武器とする戦法や、油を辺りに流し込んでの火での攻撃、相手の船に乗り込んでの肉弾戦などなど、海上とは言え戦いの描写は多岐に及んでいる。それらが全てCGで描写されているわけですが、確かCGで描く事が一番大変なのが「水」「海」で、手間も時間も費用もかかるというのを、どこかで見た気がする。古代の歴史の中でも有名なこの海戦を再現(どこまでが史実通りかは不明)したことは、いろんな意味で挑戦だった事だろう。
 
300_Rise_of_an_Empire_29けれども、ですね、、、
初めてザック・スナイダー監督『300』を観た時の感動に及ばなかったのは、『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『トランスフォーマー』『パシフィック・リム』なんかで、こちらの目が肥えてしまったからだろうか。今回は奇抜なペルシア兵の登場もなく、前作よりも現実的であった事も理由かもしれない。槍や剣での肉弾戦は今回もたくさん出てくるが、応援する人がいなくて(前作では隊長の息子を応援していた)、ちょっと集中できなかった。
とは言え、この『300』は、他作品にない雰囲気が全編を覆い、それが確固たる『300』というカテゴリーを形作っている事には間違いない。
 
300_Rise_of_an_Empire_31それにしてもですね、当時の戦争に使う船ですよ。
狭い甲板には板が張ってあるのみで手摺りも何も無く、兵士は皆、そこに佇み海へ出て行く。一応足下に1本綱が張ってあり、揺れる際にはそれに掴まるようにはなっている。
これを見て思いましたね。私には絶対無理だと。私ならきっと乗り込む時に海に落ちるわ・・・
 
**補足/3D効果は思ったほど感じられなかった。これも慣れてしまったからなのか・・