『バトルシップ』(2012) - BattleShip –

最先端の技術を使った、どこか懐かしい海戦アクション

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■バトルシップ -BattleShip-■
2012年/アメリカ/131分
監督:ピーター・バーグ
脚本:ジョン・ホーバー、エリック・ホーバー
原案:ハスブロ社ゲーム「バトルシップ」
製作:ブライアン・ゴールドナー、スコット・ステューバー、ピーター・バーグ他
製作総指揮:ジョナサン・モーン、ブレイデン・アフターグッド
音楽:スティーヴ・ジャブロンスキー
撮影:トビアス・シュリッスラー
出演:テイラー・キッチュ(アレックス・ホッパー)
アレクサンダー・スカルスガルド(ストーン・ホッパー)
リアーナ(レイクス)
ブルックリン・デッカー(サム)
浅野忠信(ナガタ)
リーアム・ニーソン(シェーン提督)
ピーター・マクニコル(合衆国国防長官)
ハーミッシュ・リンクレーター(キャル・ザパタ博士)
グレゴリー・D・ガドソン(ミック)

人類の明日を賭けた戦いは、海から始まる-。

あらすじ:
BattleShip_162005年。地球とほぼ同じ環境の惑星を見つけたアメリカは、その惑星に向け友好的な呼びかけを多大な電波信号にのせ送るビーコン・プロジェクトを発足。2006年よりハワイ、ビーコン基地にて信号の送り出しを開始した。
ハワイ。オアフ島。定職に付かず無鉄砲な毎日を送るアレックス。海軍士官の兄に海軍入隊を勧められるが気が進まない。が、たまたまバーで見かけ、一目惚れした彼女が海軍提督の娘だったこともあり、入隊を決意する。
それから5年。海軍大尉となったアレックスは兄と共にオアフ島沖で行われる世界13ヵ国の海軍が集うリムパック(環太平洋海軍合同演習)に参加していた。
ちょうどその時、コロラド州の国際ビーコン・プロジェクト基地にて、地球に向けて飛来する5つの未確認物体を確認。すぐさまNASAに連絡するも、物体は大気圏突入し北半球の各地に落下。そのうちの1つがアレックス達のいるハワイ沖に落下する-


今年最初の映画館での鑑賞作品。
これは眠気を吹っ飛ばしてくれた。
元気ありあまる主人公、軍関係の恋人、友情、兄弟愛などと、(今作の主役ではないが)空母と戦闘機が出てくるあたりに、懐かしき『トップガン(1986)』を思わず思い出した人も多いのではないだろうか。

海戦ものの映画は意外に少なく、VFXが発達した今日でもあまり製作されていない。
昔であればミニチュアを使ったらしいが、やはり迫力に欠け、現在であれば確か『パイレーツ・オブ・カリビアン』で解説があったように、VFXでの「海」製作に多大の費用がかかるとのこと。製作側が二の足を踏むのには充分な理由と言える。

■主な海戦映画
・第七機動部隊
(1952) ニュースフィルムの多用
・深く静かに潜航せよ(1958) ミニチュア利用の潜水艦バトル
・ビスマルク号を撃沈せよ!(1960) ミニチュアを駆使した洋上バトル
 ・ミッドウェイ(1976) ニュースフィルム及び日本「東宝映画」の特撮シーン利用

本作の見どころは、VFXを駆使した迫力ある洋上バトルだけではない。
見えない敵の位置を推測しながら、マス目に区切られた場所に攻撃する。
頭脳戦の緊張感-。ここも大きな見どころとなっている。
この場面は原案である米国ハスブロ社のボードゲーム「バトルシップ」そのものだ。
ボードゲーム「バトルシップ」は、世界30ヵ国以上で販売され、PCゲーム、iPhone、Androidアプリなど、様々なハードへ移植されているロングランゲームだ。1931年に発表され、1967年にボードゲームとなった。

監督ピーター・バーグ
BattleShip_23父親がアマチュア海軍歴史家で、子供の頃から海軍、海戦に詳しかった監督。
その経験にボードゲームとエイリアンというSF的要素を融合させ、見事な戦争映画を作りあげた。

1962年、ニューヨーク生まれ。
俳優として出発した。TVシリーズ『シカゴ・ホープ(94~00)』出演の傍ら、このドラマの脚本、監督も手がけスタッフとしての活躍を始める。『ベリー・バッド・ウェディング(1998)』で映画監督デビュー。この作品は過激なブラックコメディとして話題となった。

■監督作品
・ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン(2003)
・プライド/栄光への絆(2004)
・キングダム/見えざる敵(2007)
・ハンコック(2008)
・Lone Survivor(2013)


本作で主人公がリムパック(環太平洋海軍合同演習)の見学に来ていた子供に「駆逐艦が最も強いんだぜ」と教える台詞がある。この映画を観るにあたって、軍艦の知識が少し必要になるかも知れない。
自分は聞いたことがあるくらいしか知らなかったので、??となった。
で、調べてみた。

軍艦とは!?
軍艦(ぐんかん warship、naval vessel)とは、戦闘力を持つ艦艇(非武装であっても補給艦や輸送艦などを含む)の総称。特に、海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)29条に定める船舶を指すことが多い。
一般に、軍艦と「戦艦(BattleShip)」は混用されることが多いが、軍事関係の専門用語としては戦艦は軍艦の一種であって、軍艦に包含されるものとされる。
すなわち、軍艦というのは海軍が使用する艦船、つまりは空母、戦艦、巡洋艦、潜水艦、揚陸艦などの総称である。
Wiki

本作で活躍するのは
●アメリカ海軍イージス艦 JPJ(ジョン・ポール・ジョーンズ)
●日本海上自衛隊イージス護衛艦 みょうこう
●アメリカ海軍イージス艦 サンプソン
あと一隻あるんだけど、これはネタバレになるのでここでは内緒。

イージス艦とはイージス・システムを持っている船のこと。
イージス・システムとは、艦隊に襲来する多数の対艦ミサイルを感知、迎撃するために米海軍が開発した艦隊防空システム。100以上の目標を探知・識別・追尾し、十数基のミサイルを同時に迎撃できる。このシステムを搭載した軍艦をイージス艦といい、アメリカ83隻、日本6隻、スペイン4隻、韓国2隻、ノルウェー5隻を保有しており、オーストラリアも建造中である。

BattleShip_22本作にはシェーン提督の乗る空母ロナルド・レーガンや太平洋戦争での日本の降伏調印式場となった戦艦ミズーリ(現在はパールハーバーで記念艦として保存)なども出てくる。
巨砲を搭載し、分厚い装甲で覆われた戦艦は、第二次大戦までは文字通り主力艦として君臨。しかし日本海軍による真珠湾攻撃によって、戦艦が航空機の前に無力であることが判明。海戦の主力は空母と潜水艦に取って代わられた。
これら退役していた戦艦のうち、4隻はトマホーク巡航ミサイルを搭載し、湾岸戦争(1991年)に参加した。湾岸戦争後は維持費の嵩むアイオワ級(アイオワ、ニュージャージー、ミズーリ、ウィスコンシンの4隻)は不要とされ、長い戦艦の歴史に終わりを告げた。
ミズーリは全長270.6m、排水量57,350トン。対するイージス艦JPJは全長153.8m、排水量9,094トン。トマホーク搭載艦としてなら、防空能力の優れたイージス艦の方がはるかに効率的だと考えられた。
で、最初の主人公の台詞になるわけです。
「駆逐艦が最も強いんだぜ」

ちなみに日本海上自衛隊イージス護衛艦みょうこうは実在する(知りませんでした。すみません)。
こんごう型護衛艦の3番艦。艦名は妙高山に因み、旧海軍妙高型重巡洋艦「妙高」に続き日本の艦艇としては2代目。
こんな各国の軍艦が集まり演習するリムパック(環太平洋海軍合同演習)も本当にあることだ。
(無知でした。申し訳ありません)

リムパックとは
環太平洋合同演習(Rim of the Pacific Exercise)はアメリカ海軍主催によるハワイの周辺海域で実施される海軍の軍事演習のこと。リムパック(Rimpac)とも呼ばれる。1971年から2年に1度実施されており、海上自衛隊は1980年から参加するようになった。
一番最近の演習は一昨年実施されたリムパック2010で、アメリカ、日本、韓国、カナダなど14ヵ国から、艦艇40隻、航空機170機、人員20,000名が参加した。
リムパックの当初の目的は、ソ連海空軍に対してのものだったが、最近は対テロ戦といった非対称戦や人道救援、捜索救難、大規模災害派遣なども想定されている。
戦艦ミズーリも1988年、1990年に参加した。  (映画パンフより)

※「宇宙戦艦ヤマト」の全長は265.8m、全幅34.6m、全高77.0m、排水量62,000トンとのこと。ちなみにこの艦は残念ながら実在しません。

BattleShip_2012

本作『バトルシップ』の見どころは軍艦だけではない。
突如飛来してきた未確認物体と、その乗組員エイリアンもかなり凝っており、VFXを駆使した洋上バトルはもちろん『トランスフォーマー』に続けと作られたにふさわしいものとなっている。
そして本作に出てくるエイリアンは、他作に見られる「未知の生物」とは少し違う。分厚いヘルメットの奥に見える「瞳」に感情が映し出されるのだ。エイリアンに何故「人間性」を持たせたのか?このあたりも少し考えながら本作を観てみると、また違った感想になるかもしれない。

通常ならここで出演者のご案内を入れるところだが、出演者については他サイト、ブログにたっぷりあるだろうから、この記事は今は退役となり静かに眠っている戦艦に捧げることにいたします。

ではまた