『SHOCKER ショッカー』(2007) - Seed –

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気分ワルー お話的にはよくあるものなのに、何?この“「ホンモノ」を見てしまったのではないのか”感は・・・。『ショッカー』というタイトル通りゾッとするホンモノが出てくる。グロとか全然大丈夫ですよー♪な人にも、あまりオススメできないです。日本版DVDのほんわかしたジャケ写に騙されるとエライ目にあうかも・・・

SHOCKER ショッカー - Seed –

Seed

2007年/カナダ/90分
監督・脚本:ウーヴェ・ボル
製作:ウーヴェ・ボル 他
撮影:マティアス・ニューマン
音楽:ジェシカ・デ・ローイ

出演:
マイケル・パレ
ウィル・サンダーソン
ラルフ・モーラー
ジョデル・フェルランド
アンドリュー・ジャクソン
テア・ギル
ブラッド・ターナー
マイク・ドプド
フィリップ・ミッチェル

解説:
「SAW ソウ」のジグソウよりも偏執的、「ハンニバル」のレクター博士よりも冷酷!世界各国の映画祭で衝撃を与えた究極のソリッド・ショッキング・スリラー。
(Oricon)

Contents

あらすじ:

6年で666人を殺したとされるアメリカ史上最悪の殺人鬼シードの死刑が執行された。が、電気椅子がうまく作動せず、息があるままに終わらせ、生き埋めの形であわてて墓に押し込んだ。ところがシードは完全に息を吹き返し、墓から脱走。自分をこんな目に遭わせた関係者に復讐という名の殺戮を始める ―


見どころと感想

Seed

6年で666人殺した殺人鬼シードの過去はほとんど語られないけど、チラッと出てくる新聞記事では、彼が子供の頃に暮らしていた養護施設で火事が起こり、唯一の生き残りであったことが分かる。

「助けてー」って叫んでいる様子を見る限りでは普通の少年にしか見えない。この時に大やけどを負った彼は、以後、顔にマスクを被る羽目になった。悲惨なケロイドになったみたいだけど、これも映像にはなってない。唯一そうと分かるのが、電気椅子に座ってマスクを外された彼の顔を目撃した、被害者遺族の表情から。

もしかしたらこの火事も彼が放火したのかもしれないけどねー。
だとすれば、自らが火傷を負うというトラウマもあって「放火」では自分のサイコ性をうまく表現出来ないと考えたのかな?で、代わりに彼が愛してしまったのは「人の死にゆく様を見物する」事と、「遺体が土に戻っていく様を記録する」事だった。

Seed

警察が押収した証拠品にはたくさんのビデオテープ。殺人鬼シードが自分の犯罪の一部始終を記録していたものだから、これを1本、1本確認しなくてはならなかった刑事ビショップは、後一歩で精神崩壊に向かうほどの衝撃を受ける。

だいたい、この映画のオープニング映像からして「ぅわー、、観るのやめよかなー」な破壊的レベルなんです.. 詳しくは書きませんけどね。最初の数分でダメだった人は、とっととテレビの電源をオフにする方がいいかも。このオープニングはシードの犯罪記録では無いけど延々と続き、そのヒドい内容を幸せそうに目をキラキラさせて眺めるシードの姿が映される。
自分はこの一連のシーンを「だって、私はベジタリアンではないから牛肉とか豚肉とか食べてる。結局はそれと同じよね?」と自分に言い聞かせ、やり過ごしました。続けて観ようと思う人にはオススメです・・

で、刑事が見ることになったシードのビデオもヒドいですよ..。ただ、オープニングに比べて「作り物だよね?」と思える(無理に思い込むとも)から、破壊力ゲージはちょっと下がる。ただし、刑事の涙には充分共感出来るほど非道ではある。
ここまで、十二分にシードのやり口を堪能した刑事と我々は、生き埋めにされ、墓から脱出したシードの復讐劇に怯えることになる。が、残忍ではあるけれど、こちらは案外普通の殺し方。一つを除いて・・・

Seed

普通の首ちょんぱ系で安心していたところに、いきなり挿入されます。シンプルで、静かで、執拗な殺人の様子が。
それまでの復讐劇とは一変して、固定カメラで撮られたかのような一部始終。目を覆いたくなるほどのリアルさで、ほとんどスナッフフィルム。オープニングに勝るとも劣らない破壊力。
ここまで来たら、後は普通のホラーだから最後まで観ても大丈夫。ただし、切り株系グロ描写はまだ続きます。

そんな中、一服の清涼剤役としてジョデル・フェルランドが出演。ただし、、、

Seed
あちゃ~

ということで、面白くなさそうなよくあるB級殺人鬼ホラー(ジャケ写で判断)と思って今まで観ていなかったけど、「エラいモン観てしもた7位」くらいには入るほどの作品でした。

監督ウーヴェ・ボル

ドイツの映画監督、映画プロデューサー、脚本家。
幼い頃から自主映画を撮影し続け、『シアトル猟奇殺人捜査』(2001年)でハリウッドデビューする。近年では1年のうちに映画を3、4本というハイペースで製作している。
2000年代中期にゲームの映画化を多く手がけたが、評判は散々。その割りにレイ・リオッタやクリスチャン・スレイターといった人気俳優からベン・キングスレー、ユルゲン・プロホノフなどの大物俳優が次々出演するため「資産家の息子では?」「ハリウッドに有力なコネがあるのでは?」という噂も出るほど。最低映画制作者として現在も王道を邁進している。高名なゴールデンラズベリー賞のノミネート回数では群を抜いていたが、2008年(第29回)に受賞(最悪監督賞に加え最悪功績賞というおまけつき)に至った。

■主な作品
・シアトル猟奇殺人捜査(2000年、テレビ映画)
・ハウス・オブ・ザ・デッド (2003年)
・アローン・イン・ザ・ダーク(2005年)
・ブラッドレイン(2005年)
・デス・リベンジ(2006年)
・SHOCKER ショッカー(2007年)
・POSTAL(2007年)
・ブラッドレインII (2007年、ビデオ映画)
・G.I.フォース(2008年)
・Stoic (2009年)
・ザ・テロリスト(2009年)
・ブラッドレイン 血塗られた第三帝国(2011年)
・アウシュビッツ ホロコーストガス室の戦慄(2011年)
・デス・リベンジ2(2011年)
・ウォールストリート・ダウン(2013年)
・ザ・シューター 大統領暗殺(2013年)

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • 復讐シーンのほとんどはホラーを見慣れていれば大丈夫だとは思うんですけど、、
    スナッフフィルムなのではないか?のシーンが多い中、初っ端とトンカチはさすがに引きました・・(;_;)
    B級と思い込んで軽い気持ちで観始めたのに、まさかこんな目に遭うとは。そういう意味では斬新で傑作の部類に入るのでしょうか。
     
    他にも有名どころで「キツいという噂」の作品がいくつかありますが、なかなか手が出ないんですよねー。『ムカデ人間』も観たのは割と最近で..

  • ウーヴェ・ボル監督って、あっこれかー!
     
    生々しいトンカチシーンが印象に強く残ってます
    ヒロ之さんが「ウォールストリート・ダウン」でウーヴェ・ボル ウーヴェ・ボル と
    いってらしたので、私みたことあるのかなー?と謎だったんですが
    この作品みてましたねえ
     
    ある意味斬新な作品ですよね

  • SHOCKER ショッカー

    冒頭のフィルムの中での動物を生きたまま手足をもいだり皮をはぎ、踏み潰しながらの屠殺行為が一番きつかった。あの動物の瞳は忘れられない。
    何度死刑を執行しても死なない…そんなことありえるだろうか?電気椅子が何度も失敗し、殺人鬼シードはついには警官達に生き埋めにされる。
    シードの所有物であるフィルムに写っているのはあらゆる動物の死の監視映像。それはただ放置されて死に、腐り、骨や砂になる様まで。…

  • この監督の作品は2005年の『ブラッドレイン』くらいしか観たことがなくて印象が薄かったんですが、この『ショッカー』はかなり危険な変態作品ですね。ビックリしましたー(-_-;)
    『ウォールストリート・ダウン』良作なんですね。「○○・ダウン」系の3番煎じくらいの作品だと思ってました。
    近々観てみようと思います。
    確かに仰る通り、要チェック監督ですね。

  • 私は数少ないウーヴェ・ボル信者の一人なのですが、この作品は彼が手掛けた中でも5本の指の1本に入るのではないかと思ってます。
    こんな変態的な映画も撮れるんだ!という驚きはかなりありました。
    それまで観てきた作品は本当にどうしようもないものばかりでしたから。
    最近観た彼の新作ウォールストリート・ダウンもそうだったのですが、たまに奇跡的な良作を完成させるので、この監督は油断出来ないです。

  • SHOCKER ショッカー

    SEED/07年/加/90分/劇場未公開
    監督:ウーヴェ・ボル
    出演:マイケル・パレ、ウィル・サンダーソン、ラルフ・モーラー、ジョデル・フェルランド
     
    <ストーリー>
    死刑執行後も生き続け、釈放された殺人鬼が、自分を葬ろうとした関係者たちに次々と襲い掛かる。
    <…

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