『フッテージ』(2012) - Sinister –

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今度のイーサン・ホークは住宅ローンと目に見えない“何か”にとことん追い詰められる作家役。前半はいいですよー、怖いです。暗ーい家の中でイーサン・ホークがギィっとかギャッっとか驚かされまくり でも後半、彼がビクビクし過ぎて疲れてきたのに平行して“何か”の正体がチラチラ現れ出した頃から失速・・・・・残念なことに。
 

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■フッテージ – Sinister -■
2012年/アメリカ/110分
監督:スコット・デリクソン
脚本:スコット・デリクソン 他
製作:ジェイソン・ブラム 他
製作総指揮:スコット・デリクソン 他
撮影:クリストファー・ノアー
音楽:クリストファー・ヤング

出演:
イーサン・ホーク(エリソン・オズワルト)

ジュリエット・ライランス(トレイシー)
マイケル・ホール・ダダリオ(トレヴァー)
クレア・フォーリー(アシュリー)
フレッド・ダルトン・トンプソン(保安官)
ジェームズ・ランソン(副保安官)
ヴィンセント・ドノフリオ(教授)

解説:
スランプ中のノンフィクション作家が、執筆のために家族に内緒で惨劇の舞台となった一軒家に引っ越したことから想像を絶する恐怖に見舞われるさまを描いたホラー・サスペンス。主演は「トレーニング デイ」「ビフォア・サンセット」のイーサン・ホーク。監督は「エミリー・ローズ」「地球が静止する日」のスコット・デリクソン。 (allcinema)
 
あらすじ:
Sinister_11かつてベストセラーを出したノンフィクション作家エリソンは長いスランプに陥っていた。妻子を持ち、家のローンに追われる彼は新作執筆のため、地方にある曰く付きの一軒家に居を移す。その家は未解決の一家首吊り事件が起きた現場であった。早速、調査を開始した彼は屋根裏部屋に置かれた映写機と数本の8ミリフィルムを発見。その内の1本を確認した彼は、その内容が一家首吊り事件の記録映像であることに気づき驚嘆する ―


暗い。とにかく暗い!
そんな暗いところで怖い音や気配がするんだから、書斎も廊下もリビングも全部電気を点ければいいものを。何やってんのイーサン・ホーク、、と、思わず怒鳴りたくなる前半。
 
数年前に起きた未解決の一家首吊り事件の起きた家にわざわざ(家族には内緒で)引っ越してきたんだから、まずは気持ち悪い。そして引っ越し当日に屋根裏部屋で見つけた「HOME VIDEO」と書かれた箱。中には映写機と数本の8ミリフィルム(フッテージ:未編集の撮影テープ)が。フィルム缶にはわざわざ撮影年とタイトルが書かれている。
Sinister_39・’79 バーベキュー
・’11 家族一緒に
・’66 プールパーティー
・’98 おやすみの時間
・’86 芝刈り
 
なにげに取り出した「’11 家族一緒に」を映写機にかけたイーサンことノンフィクション作家エリソンは驚きのあまり声も出ない。そこには、この家で起きた首吊りによる虐殺の様子が納められていた。
 
Sinister_34エリソンは10年前発表したベストセラー「流血のケンタッキー」以降、いい本が書けずスランプ状態。当時に購入した大邸宅のローンも払えなくなっており、妻と日々成長する子供も2人。経済的にも精神的にも追い詰められている彼は、未解決だった事件の取材と調査で犯人逮捕に導いた「流血のケンタッキー」の栄光と稼ぎが忘れられず、「一家首吊り事件」の本を書くために、この家に。
他の8ミリフィルムにも同様に一家虐殺映像が納められていたことから、これは犯人がわざと挑戦的に置いたと考えたエリソン。目を覆いたくなるこのフィルムを丹念に見ていき、他の4つの事件も未解決だと分かる。と、同時に、どの家族も子供の1人が行方不明になっていることも判明。よく見ると、フィルムには犯人らしき人影も。
 
Sinister_41警察へ通報することも一瞬考えたが、それよりも本を書くことを選んだ彼は、実はもう既にこの一連の事件の罠に落ちていたのだった。
屋根裏にサソリや蛇がいたことから始まり、夜中に足音が響く屋根裏、庭に現れた大きな黒い犬、勝手に家族虐殺映像が流れている映写機、何かがいる気配のする家の中・・・。しばらく収まっていた息子の睡眠障害の発作がぶり返し、フィルムの中に必ず残されていた何かのサインを見つけた彼は、それが邪神“ブグール”のものであることを教えられる。
そして、とうとう見えなかった何者かが姿を現す―
 

  

ここまではいいんだよねー。
Sinister_335本のフィルムも出し惜しみ無く全部見せてくれるし、そもそも音の無い8ミリフィルムというところが雰囲気満点。見せ方もそのままだったり、エリソンのメガネに映った間接的なものだったりで飽きさせない。子供の魂を食べることで生き続けるという古い邪神“ブグール”もまだ我慢できた。説明してくれたのは大好きなヴィンセント・ドノフリオだったし。副保安官との絡みも良かった。
 
問題は「5人」です。
最初に横並びで現れたところで、それまでの恐怖と興味津々メーターが一気にだだ下がり。強いて言うなら、キング作品の映画でよく言われる「オチ」みたいな感じ。サスペンスとスリラーで盛り上げて盛り上げて、「ぇっ?正体これ?」みたいな。
特に本作の場合は、5人のメイクなんかもありがちで、登場する時の動きもよくあるパターン。この5人がブグールの餌食なのだとすれば、ここまで元気に登場させなくてもよかったのでは。その分、本体のブグールをもっと見たかった。
それでもラストはあまりの不条理さに、イーサンに同情してしまったけれど。
 
話はとても面白かったのに5人が怖さを半減させてしまったこの作品は、ホラーのイーサン・ホークということでとても楽しみにしていて、レンタル開始早々すぐに観たんだけど、がっかり感がひどくてレビューを書いていなかったのです。今回、BSで放送されていたのでもう一度観てみたけれど、感想は変わらなかったな、やっぱり・・・