『トランス』(2013) - Trance –

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催眠療法って怖いんですねー。暗示をかけて全てを聞き出すことも出来れば、決めておいた暗号をきっかけに後々“決めておいた行動”を取らせることも出来る。そう言えばボーンもこの状態で脳を支配されていたっけ。この暗示にかかりやすい性質の人は全体の5%くらいらしいけど、この数字は多いのか、少ないのか..。どう思います?
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■トランス – Trance -■
2013年/イギリス/101分
監督:ダニー・ボイル
脚本:ジョー・アヒアナ、ジョン・ホッジ
製作:ダニー・ボイル 他
製作総指揮:フランソワ・イヴェルネル 他
撮影:アンソニー・ドッド・マントル
音楽:リック・スミス

出演:
ジェームズ・マカヴォイ(サイモン)
ロザリオ・ドーソン(エリザベス)
ヴァンサン・カッセル(フランク)
ダニー・スパーニ
タペンス・ミドルトン
サイモン・クンツ
マット・クロス

解説:
「スラムドッグ$ミリオネア」「127時間」のダニー・ボイル監督が「つぐない」「ウォンテッド」のジェームズ・マカヴォイを主演に迎えて贈るスタイリッシュ・クライム・サスペンス。名画盗難と催眠療法をキーワードに、潜在意識を巡って主人公3人の関係性が二転三転していくさまを、過激なバイオレンス描写を織り交ぜつつ、スリリングかつスピーディに描き出していく。共演はヴァンサン・カッセル、ロザリオ・ドーソン。(allcinema)
 
あらすじ:
競売人サイモンの手引きでオークション会場から盗まれたゴヤの傑作「魔女たちの飛翔」。まんまと強奪した強盗集団だったが中身が空っぽだったことが発覚。すぐさまサイモンを捕らえ絵がどこにあるか拷問して聞き出そうとするも、頭を殴られた彼は記憶が一部脱落していた。そこで強盗集団リーダーのフランクは催眠療法によって彼の記憶を引き出そうとするが ―


Trance_movie2013高価美術品などを扱うオークション会場のスタッフ、サイモンは美術品強盗集団を内部から手引き。ある日、まんまとゴヤの傑作「魔女たちの飛翔」が強奪される。現場からうまく逃げて意気揚々とアジトに戻った強盗集団リーダーのフランクだったが、肝心の額縁の絵は外され無くなっていた。
事件の時に怪我を負ったサイモンが退院するのを待って、すぐさま拉致、監禁して拷問。だが、頭を殴られたサイモンの記憶は一部失われ、絵をどこに隠したのかが分からない。そこでフランクは催眠療法士の手を借りて記憶を戻すことに。ゴヤの絵に関する発言が無いよう、厳しく監視しながら催眠療法士エリザベスの元にサイモンを通わせる。
 
Trance_movie2013高度な技術を持つエリザベスは、失われたサイモンの記憶を少しずつ解きほぐしていくが、結果はすぐに出ない。その内、サイモンに付けられているマイクと彼の話の断片から、サイモンが何者かに脅され、記憶を取り戻そうとしている事に気付く。それが盗まれたゴヤの絵に関係することを知ったエリザベスは、リーダー、フランクに接触。多額の報酬の見返りに、サイモンの記憶を必ず取り戻すことを約束するが―
 

  

 
Trance_movie2013これは隠された絵を取り戻す、というような単純な話では無いんですねー。
まず失われたサイモンの記憶の取り戻し方が、数学のようにパッパと事が運ぶ方法じゃ無い。“何”を思い出したいのかも分からない状態では催眠療法も効果が出ない、ということで最初はフワフワと雲の上を歩くよう。リーダーのフランクがイライラしてきたところで、サイモンがオークション会場のスタッフだと分かった利口なエリザベスが盗まれた絵のことだと感づき、ようやく探すモノがはっきりする。で、逆手に取って強盗団のパートナーにするよう申し出るエリザベス。
 
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リーダーのフランクは、悪い奴だけれど純粋なところも少しある憎い奴。完全な悪だとは描かれていない。エリザベスはきちんとした女性だったはずなのに、強盗団の手助けをしたりして、あれ、おかしいな、という状態に。問題のサイモンは一見真面目そうだけど、だいたいどうして強盗団に関わることになったのか、ということが徐々に分かってくる。
この3人の関係が、サイモンの現実とも夢とも分からないトランス(催眠)状態を交えて描かれていくものだから、観ているこちら側も、今のが事実なのか催眠状態での出来事なのかが段々あやふやに。
 
Trance_movie2013全てを把握しているのはたった一人。この人の復讐物語が全て。
さて誰が嘘を言い、誰が演技をしていて、誰がトランス状態にあるのか。一番非道いヤツは誰なのか。
今までヴァンサン・カッセルがちょっと苦手だったんだけど、本作のラストはかっこよかったなー。ハッピーエンドと思いたい。

 
 

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