『ピクニックatハンギング・ロック』(1975) - Picnic at Hanging Rock –

実話かどうかは、どうでもいい。

Picnic at Hanging Rock_1975
■ピクニックatハンギング・ロック -Picnic at Hanging Rock-■
1975年/オーストラリア/116分

監督:ピーター・ウィアー
脚本:クリフ・グリーン
原作:ジョーン・リンジー
製作:ハル・マッケルロイ他
製作総指揮:パトリシア・ラヴェル
音楽:ブルース・スミートン
撮影:ラッセル・ボイド
出演:
レイチェル・ロバーツ(アップルヤード)
アン・ランバート(ミランダ)
ドミニク・ガード(マイケル)
カレン・ロブソン(アーマ)
ジェーン・ヴァリス(マリオン)
ヘレン・モース(マドモアゼル・ポワテール)
ヴィヴィアン・グレイ(ミス・マクロウ)
カースティ・チャイルド(ミス・ラムレイ)
マーガレット・ネルソン(セーラ)
クリスティン・シュラー(イーディス)
ジョン・ジャレット(アルバート・クランダール)
トニー・リュウェリン=ジョーンズ(トニー)
 
解説:
オーストラリアで実際に起こった謎の女生徒失踪事件の映画化。映画は、1900年2月14日、ピクニックに出掛けた名門女子学園の生徒たちの内数名が忽然と姿を消してしまったこの事件を、独特の色彩美で、かつ神秘的な雰囲気で描いてゆく。この“美しさ”がキーワードとなり、いわゆる“ホラー”とは違った意味での“怖さ”がある作品。オーストラリア時代には「ザ・ラスト・ウェーブ」や本作のように幻想的な作品を手掛けていたP.ウィアーの秀作。 
 (Allcinema)
 
あらすじ:
Picnic at Hanging Rock_051900年2月14日(土)。オーストラリアの寄宿制学校アップルヤード・カレッジの生徒達が、引率の教師2人と一緒にヴィクトリア州マドセン山近くの岩山ハンギング・ロックにピクニックに出かける。昼食後、ミランダ、マリオン、アーマの3人は教師の一人マドモアゼル・ポワテールの許可をもらい、一緒に行きたいと言い出したイーディスと共に山頂へと散策に出かける。
山頂付近までたどり着いた後、イーディスが止めるのも聞かずに3人はさらに上へと登って行った-


 
初見から10数年。やっと観ることができた。
前回観たときの事ははふわふわと歩く女の子達の映像と、同じく夢心地で映画館を出てきた自分の事しか覚えていなかったので、機会があればぜひ観たいと常々思っていたのだ。
「Ch.241 BSスカパー!」さん、ありがとう。
 
 
アップルヤード女学校
良家の子女を預かっている憧れの寄宿学校。舞台はあくまでもここだ。
Picnic at Hanging Rock_02この学校には、代々この学校を経営している夫を亡くした校長、ロッテンマイヤーさんのように厳しい独身教師、美しい教師2人と下働きの人々がいる。あまり大きな学校では無い。
恵まれている家の子女達が暮らすところでもあるが、金銭的に恵まれているからといって幸せかといえばそうでもなく、両親と疎遠であったりして不幸な子もいる。中には孤児で後見人に引き取られてこの学校に入った子もいる。そんな女の子達が寄り添うようにして日々を送っている。

厳しい規律で統制されている学校生活の中で、誰かからもらったラブレターを仲のいい数人で読む彼女たちが非常に初々しい。
だが誰からのラブレター?(謎の1)
 
2月14日。日本では真冬だがオーストラリアでは夏の盛り。
こんな暑い日にハンギング・ロックという聞いただけで息苦しくなるような場所へ数時間もかけて、どうしてピクニック?(謎の2)
 
ハンギング・ロックでの昼食後に付近の散策を願い出た3人の少女。規律厳しい学校なのにどうしてこれを許した?(謎の3)

Picnic at Hanging Rock_1975

このように、この映画には少女達が消えた以外にも謎がいくつも隠されている。
 


Picnic at Hanging Rock_12ふわふわと美しい少女達をカメラは追い、前半は進んでいく。
まるで絵画の中に迷い込んだようだ。
3人の少女が岩山の影へ消えて行くシーンでさえ美しい。
 
が、この後残されたイーディスの叫び声から一変、登場人物達と一緒に観客は現実に一気に引き戻される。

 
消えた少女を捜す警察、警察犬。池をさらい、洞窟に呼びかける。
マイケルも結構厳しいことを聴かれている。
この事件のために3人の学生と信頼していた教師を失った上、転校願いが数名から出され、経営が逼迫する校長。後見人の授業料滞納のため、退学を余儀なくされる一人の少女セーラ。いじめのある孤児院には戻りたくないから先はない。
 
マイケルはどうしてそんなに捜索に必死なのか?一度見かけただけの女の子なのに?(謎の4)
イーディスの話は本当なのか?本当にミス・マクロウとすれ違ったのか?(謎の5)
セーラに起きたことを知る前に校長はどうして喪服だったのか?(謎の6)
 
事件後、校長は半ば錯乱気味で夢と希望を少女達と一緒に失ってしまったかのようだ。
唯一冷静なのはマドモアゼル・ポワテールだけだ。
だがどうして冷静なのだ?自分がOKを出したのが原因とも言えるのに?(謎の7)

Picnic at Hanging Rock_1975
 

さて、
この作品は「実話を元にした小説の映画化」という触れ込みで、実際、映画の最初にそう案内が出る。
なのでこの映画を最後まで観ても、行方知れずになった3人(ミランダ、マリオン、ミス・マクロウ)に何が起こったのかは結局分からずじまいだ。
が、これには諸説あって小説そのものがフィクションだという話もある。
ネットをあさると小説原本には、出版された小説及び映画には無い幻の「最終章」があって、そこを読めばフィクションだと分かるそうだ。
 
が、実話かどうかはこの際どうでもいい。
映画というものは元々現実逃避するための娯楽なのだから。
 
ではまた
 
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