『ディアトロフ・インシデント』(2012) - The Dyatlov Pass Incident –

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政府の陰謀好き、UMA好き、宇宙人好きだというのに「ディアトロフ峠事件」を知らなかったとはっ 私としたことが迂闊だった・・・。ヒストリーチャンネルでも番組になっていたみたじゃないか・・・。謎の多いこの事件に新たな解釈を付け加えたこの映画は、前半は1959年の事件の軌跡を追うようにして作られ、独自解釈の後半は怒濤の展開に(ちょっと怒濤すぎるけどね)。
 

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■ディアトロフ・インシデント – The Dyatlov Pass Incident -■
2012年/アメリカ・イギリス・ロシア/100分
監督:レニー・ハーリン
脚本:ヴィクラム・ウィート
製作:アレクサンドル・ロドニャンスキー 他
撮影:デニス・アラルコン・ラミレス
音楽:ユーリ・ポテイェンコ

出演:
ホリー・ゴス(ホリー)
マット・ストーキー(ジェンセン)
ルーク・オルブライト(JP)
ライアン・ホーリー(アンディ)
ジェマ・アトキンソン(デニース)

解説:
「クリフハンガー」「ダイ・ハード2」のレニー・ハーリン監督が極寒の雪山を舞台に、“ファウンドフッテージ”スタイルで描くミステリー・ホラー。1959年に旧ソ連のウラル山脈で9人の学生登山グループが謎の死を遂げた実在の怪死事件をヒントに、その調査に乗り出した5人のアメリカ人撮影クルーが遭遇する驚愕の真相を描く。(allcinema)
 
あらすじ:
1959年。極寒のウラル山脈で9人の登山グループが遭難、不可解な死を遂げた「ディアトロフ峠事件」。今もなお、謎の残るこの事件を解明、ドキュメンタリー映画を製作しようとアメリカの学生5人グループがロシアへ向かう。山裾の村から取材を開始した一行は、順調に遭難現場である峠へと進むが ―


The Dyatlov Pass Incident_259人の若い登山家達が極寒のウラル山脈で怪死した1959年「ディアトロフ峠事件」。
この事件の謎に興味を持った心理学を勉強するアメリカ人大学生ホリーは、撮影技術を持つ2人と登山技術のある2人、計5人でドキュメンタリー映画製作を企画する。
 
出発前のこのあたりから彼らはカメラを回し、ドキュメンタリーに仕上げている。と同時平行してテレビではウラル山脈で遭難し行方不明になったアメリカ人学生5人のニュースが。そう、彼らも1959年の事件と同じく同地で遭難した。そして遺体と共に発見されたカメラに残る映像は封印されたが、ハッカーグループがこれをハック。ここからは動画サイトに上げられた映像を見ていく形を取る。
 
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現地へと向かった大学生一行は、関係者へのインタビュー等を経て麓の村に到着。遭難現場であるディアトロフ峠を目指す。吹雪にも遭うが概ね天候は良く、その景色の美しさに絶句する彼ら。
だがキャンプを設営し、就寝した夜の間にテントの周りに付けられた不可解な足跡を発見したり、途中設置されていた気象観測所には切り取られた人間の物と思われる“舌”を発見するなど、奇妙な事が起き始める。
 
The Dyatlov Pass Incident_20それでも無事に、かつての遭難現場ディアトロフ峠に到着した彼らは、早速テントを設営。調査の準備を始める。
が、その夜、ホリーとジェンセンは雪に埋もれたドアを発見。“舌”などで怯える仲間に話すことが無いまま就寝するが、翌朝、彼らのテントを雪崩が襲う。
1人失い、1人が大怪我をする中、照明弾で助けを呼ぶ彼ら。だが、そこにやって来たのは銃を持った2人の男だった。撃ってくる男達に追われるようにホリー、ジェンセン、JPの3人は、あのドアへと逃げ込むが―

  

 

ディアトロフ峠事件
The Dyatlov Pass Incident_521959年2月2日の夜、当時のソ連領ウラル山脈北部でスノートレッキングをしていた男女9人が不可解な死を遂げたことで知られる事件である。
事件はコーラット・サイキール(死の山)の東斜面で起こった。事件があった峠は一行のリーダーであったイーゴリ・ディアトロフの名前から、ディアトロフ峠と呼ばれるようになった。
 
The Dyatlov Pass Incident_56当時の調査では、一行はマイナス30度の極寒の中、テントを内側から引き裂いて裸足で外に飛び出したとされた。遺体には争った形跡はなかったが、2体に頭蓋骨骨折が見られ、別の2体は肋骨を損傷、1体は舌を失っていた。
事件は人里から隔絶した山奥で発生し、生還者も存在しないため未だに事件の全容について不明な点が残されている。当時のソ連の捜査当局は“抗いがたい自然の力”によって9人が死に至ったとし、事件後3年間にわたって、スキー客や探検家などが事件の発生した地域へ立ち入ることを禁じた。
(事件の詳細はWiki:ディアトロフ峠事件へ)



The Dyatlov Pass Incident_24過去の事件を追った学生達は、知ってか知らずか過去のチームの動きをなぞるように遭難現場へと向かっていく。それは、全員で楽しげに撮った記念写真であったり、立ち寄ったバーで出されたお酒だったり、麓まで送ってもらったトラックでは荷台に乗って凍えたり、、。
そして、不可解な現象に会いながら彼らの後を追うように遭難するのだが、不可解な事は山で初めて起きたのでは無かった。山に入る前に1959年当時、捜索隊に加わったという1人のお婆さんに取材するのだが、9人遭難死亡で9遺体発見と公には発表されたが、それは違うと言う。確かにあと2体、合計11人の遺体があったと。
〈ここから、この映画の解釈がこっそり入ってくる〉
 
The Dyatlov Pass Incident_17途中で見つけたテント周りの足跡は、遠くからずっと続く物ではなくていきなりその場に降り立ち、そのまま飛び立ったようにテントの周りにしか無かった事実。気象観測所に置かれていた“舌”。時折聞こえてくる大きな音。
メンバーはこれに怯えたが、さほど重要視せず、リーダー、ホリーのヤラセなんじゃないかと勘ぐった。〈これらの現象も映画的解釈。但し、1959年の事件で実際に舌の無い遺体はあった。〉
 
この後、大学生達は雪崩に遭う。実際の事件でもこの雪崩による遭難と低体温症による認知症が有力視されている。が、それだけでは説明出来ない事もあったりして(詳しくは↑上のWikiへ)、「エリア51の謎」と同様に、現在でも議論されているのだ。
 
The Dyatlov Pass Incident_23そしてここからが本作の真骨頂。すごい解釈が語られる
銃を持つ2人の男の登場から、どうやらこれは「政府もしくは軍の陰謀」説らしいというのがまず分かるのだが、ドアの内側に入ってからの怒濤の展開に、目は大きく見開いたまま(暗いからよく見えない)。何故か置かれていた古い資料に「フィラデルフィア計画」の物があったりして、あれよ、あれよと言う間にとんでもないラストまで一気に走って行く。
ちょっとソレは都合よくはありませんか?という物も多々あるが、ラストのオチは気に入ったわー。きちんと謎が回収されていたし。総合的にはなかなか見応えのあるUMAからSFへと変態する面白いホラーでした。ディアトロフ峠事件について知ることも出来たし。この事件に関しての映画化はこれが初めてで製作国にロシアが入っていることにも注目。
ただねー、前半の怖い大自然と謎の事件というクラシックで緊張感があり、人間の弱点を突いてくる感じだったのが、後半はそれらが新たなる敵によって失われてしまったのが残念だったけども

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