『アサルト13 要塞警察』(2005) - Assault on Precinct 13 –

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今度のイーサン・ホークはへこたれない!いつもの情けない役じゃありません。話は単純なんだけど、猛吹雪の中の銃撃戦が異様に寒く痛い。登場人物達も魅力的で、この映画のローレンス・フィッシュバーンとガブリエル・バーンが渋いわー。特にフィッシュバーンは出演作の中で一番カッコいいのではないだろうか。
 
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■アサルト13 要塞警察 - Assault on Precinct 13 -■
2005年/アメリカ・フランス/110分
監督:ジャン=フランソワ・リシェ
脚本:ジェームズ・デモナコ
   ジョン・カーペンター(オリジナル)
製作:パスカル・コシュトゥー 他
製作総指揮:ドン・カーモディ 他
撮影:ロバート・ギャンツ
音楽:グレーム・レヴェル
出演:
イーサン・ホーク(ジェイク・ローニック)
ローレンス・フィッシュバーン(ビショップ)
マリア・ベロ(アレックス)
ドレア・ド・マッテオ(アイリス)
ブライアン・デネヒー(ジャスパー)
ガブリエル・バーン(マーカス)
ジョン・レグイザモ(ベック)
ジェフリー・”ジャ・ルール”・アトキンス(スマイリー)

解説:
ジョン・カーペンター監督による76年の傑作アクション「要塞警察」を、フランスの新鋭ジャン=フランソワ・リシェ監督でリメイク。大雪で孤立した閉鎖目前の警察署が謎の武装集団の襲撃に遭い、包囲されてしまった警官と凶悪犯たちが協力して敵に立ち向かうさまを壮絶な銃撃戦とスリリングな心理劇を織り交ぜ描く。主演は「トレーニング デイ」のイーサン・ホークと「マトリックス」シリーズのローレンス・フィッシュバーン。
(allcinema)
 
あらすじ:
大晦日のデトロイト。年内閉鎖が決まっている市警13分署には2名の警官ローニック、ジャスパーと秘書アイリスがいるだけで閑散としていた。そこに連絡が入り、護送中の凶悪犯達を一時、監禁することに。人手が足りないことに不安を感じていたローニックだったが、いきなり武装した男達に署を包囲され銃撃戦に ―


Assault on Precinct 13_30初っ端のイーサン・ホークが最高だ。
麻薬取引潜入捜査中の警官なんだけど、どこかプッツンした麻薬売人が驚くほど板に付いていて、イーサン・ホークがおかしくなっちゃった・・・と、心配するほど。このシーンを観ただけで、この映画は面白くなるゾ、と感じさせる。
 
この潜入捜査の様子を見ても分かるように、イーサン演じるローニックは正義感あふれ、仲間を大事にするやり手の警官だった。だがこの捜査中に正体がばれて同僚の警官2人を死なせてしまった彼は、心に大きな傷を負う。現場復帰もままならず、8ヶ月経った今はデトロイトの中心から離れた13分署で内勤を勤め、酒と精神安定剤が手放せない状態に。
 
Assault on Precinct 13_33そんな大晦日の吹雪の夜。
老朽化で閉鎖が決まった署には夜勤の3人だけ。そのうち1人は警察秘書の美女アイリス。テレビでは暗黒街の大物“ビショップ”逮捕が報道されて大騒ぎに。そんなニュースを横目で見ながら、のんびりと年越しパーティの準備をしているところに連絡が入る。ビショップと数人の囚人を乗せた護送車が吹雪による事故のため、計画を変えていったん13分署へ来ると言う。護送車の2人と合わせても4人しか警官がいない署で囚人を預かることに不安がよぎるローニック。しかし手立てを考える間もなく、護送車は到着する。
 
Assault on Precinct 13_27ここに来るまでに、精神の弱ったローニックとビショップの大物さ加減は充分に説明されているから、ローニックの不安はとても理解できる。それは逃げ腰になっているわけではなくて、きちんと囚人を管理できるのか、という不安。それもビショップは大物だから、もしかしたら仲間がビショップを逃がすために襲撃してくるかもしれない。
しかし、襲撃してきたのは違う目的の男達だった。
のんびりした内勤業務から、あっという間に弾が飛び交う現場へ。正体の分からない襲撃者達は、なんの躊躇いも無く警官1人を殺害。ローニックは鍛えていただけあって瞬時に判断し、少ない仲間に指示を出す。そして署と自分たち仲間の命を守るために大きな決断を下す。囚われの罪人達に銃を渡したのだ。
どうやらビショップの命を狙っているらしい襲撃者達。ビショップを渡してしまえば自分たちは助かるのではないのか、と言う警官もいたが、ローニックは渡さない。例え心が弱っていても1本筋の通った警官ローニック。職務放棄した上に、殺されるのを分かっていてビショップを差し出すことは彼の選択肢には無かった。
そして分署を砦とした銃撃戦の長い夜が始まる―


 
Assault on Precinct 13_15デトロイトって寒い所なんですねー。冬は最高気温が0度Cを下回る日も多くて-20度なんて日も(ちなみに今日12/30の気温は-7度)。だからこの映画で、窓が破られ雪が入ってきたり、外で格闘するシーンが寒そうで痛そうで そんな中、ミニでセクシーな衣装の秘書アイリスは文句一つ言わないあっぱれな美女。銃を持って警官達と戦った上、怖い犯罪者ビショップとも臆すること無く対等に応じる。
演じているのは「ザ・ソプラノズ」アドリアーナ役のドレア・ド・マッテオ。根性の座っている美人っていう感じで好きだなー。
Assault on Precinct 13_11他にも囚人の1人、ケチな嘘つき泥棒にジョン・レグイザモ。この人は『ロミオ&ジュリエット』で初めて知ってから、“チョビ髭”という渾名を付けて注目してきた人。
見た目からかチンピラみたいな役も多いけど、『ハプニング』では真面目な学校の先生を演っていた。でも一番の注目作品は『3人のエンジェル』。思わず持っているお茶を手から飛ばして、こぼれた上に突っ伏すほどの破壊力といとおしさを感じることが出来る。
ムーラン・ルージュ』では歌って踊っていたし、最近公開された『悪の法則』にも出てるんですねー。
本作では嘘つきは泥棒の始まりみたいな役で、ちょっとだけ鋭い観察力を持っていたり。これはどの囚人にも言えることだけど、基本的には他人を信用しない。そのためには人を頼らず、自分の命は自分で守る。その結果、他人を犠牲にする事は厭わない。そのあたりが警官ローニックとは違うところ。
 
Assault on Precinct 13_23しかし今回、そんな犯罪者達と共闘することになったローニック。自分の意思を曲げないところがビショップとの共通項でもあって、疑いながらもお互い命を預け合う。
それでも最後に「出会う時と場所が違えば、お前とは友達になれた」なんて臭い台詞が無いところが、とても良かった。
 
どうもね、黒っぽい警官の制服、もしくは特殊部隊の制服に防弾ベストを着けた感じが好きだわー。その上、少し腰をかがめて右に左に銃口を向けつつ進む感じの緊張感にもドキドキする(モルダーとスカリーがライトと一緒に拳銃を持って捜索するシーンも好きだけどねー)。だから『ザ・レイド』も好きなんだろうな(ヒトリゴト
これも平和ぼけの一種、現実逃避なんですかねー。