『イノセント・ガーデン』(2013) - Stoker –

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スカートの裾がひらひらと揺れ、素足で走る少女が一人。不機嫌な表情の少女が持つ秘密は、誰も想像することが出来ないものだった― どんな話なのかと楽しみにしていたけれど、まさか、こう来るとはねー。前回に続き、意外な展開に驚いたものの、どう捉えていいものかちょっと戸惑うかも。好物なオチのはずなんだけどなー。製作はスコット兄弟。
 
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■イノセント・ガーデン - Stoker -■

2013年/アメリカ・イギリス/99分
監督:パク・チャヌク
脚本:ウェントワース・ミラー
製作:トニー・スコット、リドリー・スコット 他
製作総指揮:ステーヴン・M・レイルズ 他
撮影:チョン・ジョンフン
音楽:クリント・マンセル
出演:
ミア・ワシコウスカ(インディア)

ニコール・キッドマン(イヴリン)
マシュー・グッド(チャーリー)
ダーモット・マローニー(リチャード)
ジャッキー・ウィーヴァー(ジン/大叔母)
フィリス・サマーヴィル(マクガーリック夫人)
オールデン・エアエンライク(ホイップ)
ラルフ・ブラウン(保安官)

解説:
「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」などで世界的に評価の高い韓国を代表する映画監督パク・チャヌクの記念すべきハリウッド・デビュー作となるミステリー・サスペンス。TVシリーズ「プリズン・ブレイク」の主演俳優ウェントワース・ミラーのオリジナル脚本を基に、18歳になったヒロインの前に消息不明だった叔父が突如現われたことをきっかけに、彼女の周りで不可解な事件が次々と発生していくさまを、ヒッチコック・タッチを思わせる巧みなサスペンス演出とスタイリッシュな映像美でスリリングに描き出していく。主演は「アリス・イン・ワンダーランド」のミア・ワシコウスカ。共演に「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマン、「ウォッチメン」のマシュー・グード。

 
あらすじ:
大きな屋敷に暮らす少女インディア・ストーカー。誕生日には毎年、広大な庭のどこかに父からの靴のプレゼントが隠されていた。ところが18歳を迎えたこの日、彼女が見つけた箱の中には、謎めいた鍵が1つ入っているだけだった。時を同じくして贈り主であるはずの最愛の父が、不審な事故で突然の死を迎えた。こうして、決して心を通わせたことのない母エヴィと2人きりになってしまったインディア。ところが葬儀の日、長年行方不明だった叔父のチャーリーが姿を現わし、そのままインディアたちと一緒に暮らし始める。そしていつしか、知的でエレガントなチャーリーの魅力に心奪われてゆくインディアだったが ―
 (allcinema)


Stoker_2318歳の誕生日のその日、父親が自動車事故で死亡する。
残されたのは、美しい母親エヴィと一人娘インディア。裕福ではあるが2人の間には母子の絆はなく、冷たい関係だ。そんな親子が残された大きな家に、父親の弟チャーリーが訪れ滞在することになる。ミステリアスな叔父の目的は分からないまま、退屈しのぎに叔父の気を引こうとする母親。それを見るうち、インディアも叔父に興味を持ち始め、奇妙な三角関係が出来上がりつつあった。
数日経ち、彼の幼少期を知る家政婦が突然行方不明に。そしてこの家を訪れた大叔母がチャーリーを見て、何かを伝えようとエヴィに話しかけるが、遺産相続の件だと勘違いしたエヴィはそれを拒む。夫が残した遺産は莫大だった。
そしてその夜、大叔母の泊まるホテルを何者かが訪れ―
 
 
Stoker_14冷たい空気が流れているかと思えば、気付かれないよう、監視するかのようなねっとりした視線が行き交う。この映画、とてもアジア的な空気を持っている。空気だけじゃなく、怖いんですよねー、女性陣が。
全然母親になつかない娘。いつも仏頂面で何を考えているか分からない。母親にはライバル心があって、それを隠そうともしない、というか見せつけている。
そんな娘に恨み言を言う母親。とても美しいのに、どこかみすぼらしい。娘に自分を愛し、敬って欲しいのだろうけど、自身がそれらを示さない限り、相手に求めても無理だろう。母親の観葉植物だらけの赤を基調とした部屋は、息が詰まるような閉塞感。外には光と自由が満ちあふれているというのに、この部屋で時間を過ごす。
そんな母親から飛び出した娘への言葉が
「普通、親は子供へ自分が為し得なかった希望を託す。でも私は違う。あなたが人生に失敗し、悩み絶望するのを見たい。」
ひぃ~ これを願っているということですよね..
 
Stoker_31もう、これだけでも怖いのに、2人の間に入り込んだ叔父チャーリー。
ハンサムではあるけれど、どこか冷たい大きなガラス玉のような目。これまた何を考えているのか分からず、母親と娘両方に気があるような妙な素振りを見せ始める。
 
これらの設定が、内容はちょっと違うんだけどホラー映画『箪笥』に似ているんですよね。あちらは美しい継母と娘の間に立つ父親の話だった。そして最後に大きな秘密が明かされるが、この作品もそう。それまでは綺麗なシーンとともに妙な三角関係が続き、人が一人ずつ姿を消していく。これらの意味は単なる遺産相続を巡る争いなんてことじゃない。少女から大人へと変わる娘のお話というような単純なものでもなかった。
Stoker_15この種明かしはちょっと突拍子が無くて、それまでのもったいぶったイメージ映像が台無しになっている気もするが、一応全てはこの最後に繋がっている。
 
脚本は『プリズン・ブレイク』のウェントワース・ミラー。へぇー、と思ったが、きっとこのオチあってのお話だったんだろうなー。それを韓国のパク・チャヌク監督が、アジアらしい味付けをたっぷりしたものと思われる。欧米人の監督だったら、これはまた全然違う物になっていたかも。
最終的な感想は、「広い庭は何かと便利」「今時の18歳にしては幼い」
 
ミステリアスな雰囲気を存分に味わった後、驚愕の真実をお楽しみ下さい。