『ザ・マッドネス 狂乱の森』(2010) - Rabies –

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20代の6人は美男美女。彼らが話す言葉があまり聞き慣れなくて、どこのお話なんだろうと調べてみたらなんとイスラエル! 若者を見る限りは普通なんだなー、と感じるほどにほとんど知らないイスラエルという国。そんな若者がタイトルから想像する「サイコな殺人鬼に森の中を追いかけ回されるお話」←違います。
 
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■ザ・マッドネス 狂乱の森 - Rabies -■

2010年/イスラエル/94分
監督:ナヴォット・パプシャド、アハロン・ケシャレス
脚本:ナヴォット・パプシャド、アハロン・ケシャレス
製作:ヒリック・ミハエリ 他
撮影:ガイ・ラズ
音楽:フランク・イルフマン
出演:
ヘンリー・デヴィッド
リアット・ハルレヴ
アニア・バクスタイン
ヤエル・グロブグラス
ラン・ダンケル
オフェル・シェヒター
ダニー・ゲヴァ
メナシェ・ノイ
ヤーロン・モトイラ

解説:
ポルトガルのファンタスポルト映画祭2011で批評家賞を受賞したイスラエル産スラッシャーホラー。

あらすじ:
森で妹が穴に落ちてしまい、兄は男女4人が乗る車に助けを求める。車に残ったふたりの女性は警官を呼ぶが、やって来た警官は変態警官だった-
 (TSUTAYA)

原題:KALEVET 狂犬病


Rabies_27事の発端は二人の兄妹。どうやら二人は血のつながりを超えて愛し合ってしまったみたい。で、手に手を取って家出(駆け落ち)した。しかし運悪く踏み込んだ森でウサギの罠にかかってしまい、妹が深い穴に落っこちた。兄は助けようとするが、この穴が相当深い。どう見てもウサギ用では無い・・・。そこで助けを求めて道に出た兄だったが、通りがかった車に轢かれてしまう。
その車に乗っていたのが、テニスの試合に向かっていた男女学生4人。大怪我を負っているにも関わらず状況を説明する兄に男子二人が協力し、女子はその場に残り警察を呼ぶことになった。
森に入る男子三人と警察を待つ女子二人。
そして穴に落ちた妹は不安いっぱいで兄を待っていたが、やって来たのは、この穴を仕掛けた不気味な中年男だった―
 
ここで登場するサイコな男。穴から引き上げた妹を気絶させ、口には猿ぐつわ、手足の自由を奪って担いでいく。どう見ても妹危うしだ。しかし異常なのはこの男だけでは無い。車に轢かれて怪我を負った兄の行動もちょっと異常。妹が心配なのは分かるが、「まずは病院に」と言う学生達の言葉も聞かずに妹の元へと必死すぎる。
― これが愛なのか。
 
Rabies_28そんな事を考えているうちに、女子二人の元へ警官到着。しかし、この警官二人はとても兄妹や学生達の助けになるような警官では無かった。一人は喧嘩している妻のことで頭が一杯、そしてもう一人は警官の立場を利用してセクハラすることで頭が一杯。
テニスの試合に向かっていただけの学生4人は、とんでも無いことに巻き込まれ始めていた―

 
 
Rabies_26このお話には普通の若者4人、禁断の愛に走る2人、何も考えていない警官1人とスケベな警官1人、サイコな男が1人、あと善良な男が1人の計10人が登場する。普通なら関わりの無かったはずの5組10人が、普段の日常から離れた「森」で出会ったばかりに、日頃の人間性とは全く違った人の心に住み着く「闇」の人格に犯され始める。
いったん出てしまった闇は収まるどころか、時間が経つたび存在を大きくし、やがて善良な心を飲み込んでしまう。パニックになり錯乱してしまったとも言えるが、我に返ることも無く、後悔することも無い。どれも理由は自分勝手な自己愛によると言える。
 
Rabies_17また、この森には動物の罠も多いが、一部には地雷が残るままになっている危ない場所だ。「ぇえー?そんなバカな」と思ったが、イスラエルではある事なのかもしれない。
 
そんな場所で愛する人を探してさまよい、または危害を加える敵から逃げなくてはならない恐怖。その敵は、少し前まで友人だった、もしくはその存在さえ知らなかった他人。ここでは見て見ぬ振りは通用しない。助け合いも期待できない。自分の身は自分で守らなければならない。

 
10人は身を守ることが出来たのか。
彼らにはラストの台詞が滑稽なほどに身にしみるはずだ。