『アンチヴァイラル』(2012) - Antiviral –

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え?他人が罹った病気のウイルスが売っている?それを買ってどうする?抗ウイルス剤でも作るのか?って、高いお金を出してそのまま自分に注射しているーー!どうしてもこれが理解できなくて、途中まで話が分からなかった。監督がデヴィッド・クローネンバーグの息子だって。はは~ん
 
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■アンチヴァイラル - Antiviral -■
 2012年/アメリカ/108分
監督:ブランドン・クローネンバーグ
脚本:ブランドン・クローネンバーグ
製作:ニヴ・フィッチマン
製作総指揮:マーク・スローン 他
撮影:カリム・ハッセン
音楽:E・C・ウッドリー
出演:
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(シド)
サラ・ガドン(ハンナ)
マルコム・マクダウェル
ダグラス・スミス
ジョー・ピングー
ニコラス・キャンベル
シーラ・マッカーシー
ウェンディ・クルーソン

解説:
鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督を父に持つブランドン・クローネンバーグの記念すべき長編デビュー作。セレブが感染したウイルスを自らの体内に取り込むマニア向け医療サービスが行われている近未来を舞台に、希少ウイルスの横流しを企んだ男が巻き込まれた戦慄の陰謀の行方を、シュールかつグロテスクなヴィジュアルとともにミステリアスに綴る。主演は「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。
 (allcinema)
 
あらすじ:
セレブから採取したウイルスの売買がビジネスになっている近未来。そのサービスを行うクリニックに勤めるシドは人気の高いウイルスを自らの身体に打ち、外部に持ち出して闇市場に横流しをしていた。ある日、セレブ中のセレブ、究極の美女ハンナのウイルスを自分に打ち持ち出すが、その後、ハンナが急死。そのウイルスは致死性の高いものだと判明する-


もうね、、。観始めて30分くらいは意味が分からなかったですよ。
Antiviral_18なんだか高そうな、今で言うとセレブ御用達の整形外科クリニックみたいなところに押しかける普通の人々。でも売っているのは整形外科の技術じゃ無い。世界でも有名な憧れセレブが罹った病気のウイルス。
え、、?と思いながらも観ていると、しずしずと注射技師シドがお客の前に登場する。もったい付けた黒いボックスをいくつか持って。
 
「今ならこれがオススメですよ。ちょっと高価ですが、あのハンナ・ガイストのウイルスです。」
「何のウイルスですか?」
「ま、簡単に説明するとヘルペスウイルスです。」
「ソレにします!」
「口の右、左、どちらに打ちます?」
「と言うと?」
「ハンナは口の右側にヘルペスが出来ました。あなたの口の左側に打てば、そこにヘルペスが出来て、まるでハンナとキスをしているかのような感覚を味わえますよ」
「左でお願いします!」
 
Antiviral_12こうして唇の左側にブスーっとヘルペスウイルスを注射してもらい嬉々として帰って行く客。
まだ、理解できない自分.. アレを打てば何かの幻覚作用が起きて、憧れのセレブが目の前に現れるのか?か何かなのかな、、、と。
どうやら客はセレブの熱狂的なファンらしい。セレブの物なら何でも手に入れたいらしいが、体内に入れるか?他人の病原菌を。病気がうつるし、熱が出たり、何よりしんどくなるじゃないか。シンドイノハキライヨ
ここらへんが、最初の30分の内容を理解できなかった理由だ。
 
こんな物が商売になっている近未来。売っているのはウイルスだけじゃ無い。セレブの筋かなんかの組織で作った肉なんかも売られていて、ファン達はありがたそうに列に並んで買っていく(こっちはまだ分かるかな。恋人と同化したいがために殺して食べる殺人鬼とかいるし)。
このファン達が求めてやまない物をビジネスにしているいくつかのクリニック。ウイルスの培養方法などは企業秘密だ。こうなると裏では金のために闇取引が行われる。先ほどのシドはクリニックでの厳しい身体検査を逃れるために、自らにウイルスを注射し、勝手に持って帰った培養器で培養、闇に横流し。

Antiviral_17だから彼はいつも気分が悪い。真っ白い内装の会社、自宅も真っ白。そんな中でいつも熱を出し、熱に浮かされている汗だくのシド。身体にどんどん広がり増えるシミ。このシドが何故かマイケル・ジャクソンに見えて仕方なかった。髪型のせいなのか、マイケルが死に至った時の状況を想像するせいなのか..。
 
そしてある日、ハンナがまた病気になった。血液採取を任されたシドは自分の身体にも入れて持ち帰る。いつものように熱が出て、幻想に苦しむシドの耳に入ったのはハンナ急死の報だった。ハンナの病は不治の病だったのだ。それを知り愕然とするシドに追い討ちを掛けるように闇の手が迫る。ハンナが死んだ今となっては、「ハンナのウイルス」はシドの体内にあるもののみ。目に見えぬ敵は世界に一つしか無い高価値な物を狙っていたのだ―


 
ここからは割とサスペンス的な展開になっていき、やっと理解し始めた管理人だったが、ここで安心したのは間違いだった。わけ分からないラストが待ち構えていた。
あれはアレですか?新技術で培養され出来た物?それとも本人を使って培養しているモノ?そしてそこから出たモノをおいしそうに飲んでいるのは、「Antiviral」的要素があるからなの?それとも単純に同化したいから?
 
この最後に登場するモノやウイルスの「顔」表現、何より気持ち悪い病原菌を喜んで注射するといった事柄が、監督ブランドン・クローネンバーグがデヴィッド・クローネンバーグの息子たる証明なのかもしれないが、デヴィッド・クローネンバーグ作品はかなり前に観たきりなので、ここはこのくらいにしておこう。
どちらにせよ真っ白で清潔な、塵一つ無い場所でやり取りされる「病原菌」。こんな倒錯した近未来なんか嫌すぎる..。