『ザ・レイド』(2011) - The Raid –

The Raid_05s8割方がアクションシーンという壮絶バトル作品。急襲作戦で優勢なはずだったSWATチームが大勢の敵の返り討ちに遭い、またたくまに劣勢になる。彼らはこの恐怖のビルから脱出出来るのか?その方法は銃ではなく最終的には自らが持つ技に頼ることになる。きびきびと、次々に繰り出される拳や蹴りに目が釘付けになること受け合い。
 

The Raid_01
■ザ・レイド – The Raid -■
2011年/インドネシア・アメリカ/101分
監督:ギャレス・エヴァンス
脚本:ギャレス・エヴァンス
製作:アリオ・サガントロ
撮影:マット・フラネリー
音楽:マイク・シノダ 他
出演:
イコ・ウワイス(ラマ)
ヤヤン・ルヒアン(マッド・ドッグ)
ジョー・タスリム(ジャカ)
ドニー・アラムシャー(アンディ)
レイ・サヘタピー(タマ・リヤディ)
ピエール・グルノ
テガール・サトリヤ

解説:
“シラット”と呼ばれる東南アジアの伝統武術を駆使した超絶アクションが、世界中の映画ファンの間で話題騒然となったインドネシア発のノンストップ・バトル・アクション。麻薬王が支配する高層アパートに強制捜査(レイド)に入ったSWAT隊と、各階で待ち受ける無数のギャングとの壮絶な死闘を、多彩かつハードなアクションと容赦のないバイオレンス描写で描き出していく。主演は実際にシラットの使い手でもあるイコ・ウワイス。本作の監督を務める英国の新鋭ギャレス・エヴァンスに見出され、前作「ザ・タイガーキッド ~旅立ちの鉄拳~」で俳優デビューを飾り、2作目となる本作で一躍世界的アクション・スターの仲間入りを果たした。共演もそれぞれ格闘家としての実績を持つヤヤン・ルヒアン、ジョー・タスリム。(allcinema)

あらすじ:
インドネシア、ジャカルタのスラム街には麻薬王タマ・リヤディが支配する廃屋寸前の高層アパートがそびえる。警察はリヤディ逮捕のために悪の巣窟となったその建物への強制捜査(Raid)に乗り出す。チームは新人警官ラマを含む20人のSWAT隊員。彼らは各フロアを順次制圧しながらリヤディのいる階を目指して上っていくが、大勢のリヤディ手下が襲ってくる上に退路を断たれてしまい-

インドネシア原題:Serbuan maut


The Raid_19久しぶりにカッコいい格闘技アクション映画を見つけた気がする!
麻薬王の逮捕に向かう20人のSWATチーム。率いるのは1人の警部補。目指すのは取り壊し寸前の巨大アパートで、どれだけの敵が潜んでいるのかは不明。その上、この作戦は警察上層部には秘密裏に決行されたから応援を呼ぶことが出来ないときてる。
 
SWATと言えば急襲作戦に特化した訓練を行い、きびきびと統制の取れたチームワークでその場を制圧し勝利する、というシーンしか(映画やドラマで)観たことがなかったので、今作で次々と倒れ劣勢になっていくのをある意味、新鮮に感じてしまった。

じゃあ何故、今回こんな無茶な作戦が決行されたかというと、警察とヤクザの癒着なんかの問題があったりでストーリー的にはよくあるもの。それでも本作から目が離せなくなるのは、アクションそのものに全編のほとんどをさき、そのアクション“プンチャック・シラット”のスピードのある華麗で力強い動きに目を奪われるからだ。加えて、いい者は見た目かっこよく、悪者は見るからに悪者なのも、分かりやすい。
かといって、アクションだけの映画と言うわけでもなく、合間合間に挟まれるドキドキの隠れんぼや、ちょっとしたドラマ性もしつこくなくてアクション映画の邪魔をしない。まるでアクションゲームそのものだ(知らなくて例を挙げられない)
 
シラット”と言って思い出されるのは『ボーン・アイデンティティー』のボーンシリーズ
ジェイソン・ボーンが披露したのは“カリ・シラット”で本作のプンチャック・シラットとは流派が異なるらしい。確かにボーンの技は狭い場所でも敵と戦えるものであったが、本作では結構舞台が広い。ボーンが狭い場所で使った道具はその場にあるペンや雑誌、タオルだったのに比べて、本作では机や椅子、キャビネットにたたきつけるなど道具も大きい(あくまでも両映画を比べての感想です)。

The Raid_26プンチャック・シラットとは、インドネシアを中心とするムラユ(マレー)文化圏発祥の1000年の歴史を持つ伝統武術であり、現在は多数の流派が存在する。いずれの流派もメンタル・スピリチュアル、護身術、演武、競技シラットの要素を兼ね備え、素手、素足の攻撃から、短剣や棒などの武器を使い、身体全体を優雅に使うことも特徴の一つ。
伝統的なプンチャック・シラットから、殺傷力を高めた軍隊式シラットがあり、欧米の軍隊や法執行機関で取り入れられている。軍隊式シラットをベースにしたローコンバット(世界50ヵ国において特殊部隊、警察、ボディガードなどのセキュリティ機関に携わる人達が習得)は日本でも有名。さらに軍隊式シラットを空手などと組み合わせたタルン、ドゥラジャットという新たな格闘技も誕生している。
(ザ・レイド 公式サイト ※音鳴ります)

 
The Raid_23イギリスの監督にインドネシアのキャストだが、舞台が巨大アパートだけなので異国情緒はほとんど感じられず、インドネシア語さえ気にならない。SWAT VS ギャングという構図には国境が無いようだ。
そしてラストシーンから続編あるかー?と思ったら、きっちり決まっていた。プラス、ハリウッドでのリメイクまで。
ハリウッドはどうかなー..。本作の武器は銃の他にも見るからに恐ろしい鉈のようなのが使われるんだけど、ナイフだとその怖さがこれほど伝わらない気がする。それに、しつこく次々と現れる敵というのはアジア人の方が、らしい感じもするし(そんな自分は『インファナル・アフェア』派)。
 
終わった感の強いボーン・シリーズは諦めてこの「ザ・レイドシリーズ」をこれから楽しみにしようと思う。

 icon-film イコ・ウワイス(新人警官ラマ)
The Raid_141983年、ジャカルタ生まれ。
5歳でプンチャック・シラットを始め、その後プロのシラット家となる。2003年にジャカルタ特別州トーナメントで3位に入賞、2005年にはナショナル・シラット選手権プンチャック・シラット・フェスティバルのベスト・シングル・パフォーマー部門で1位に。同年から2008年にかけて、プロのシラット・チームの一員としてイギリスやロシア、アゼルバイジャン、カンボジア、フランスへ遠征し、プンチャック・シラットの伝統を海外に紹介する大役を担う。
2007年、シラットスクールを撮影しに来たTVドキュメンタリー制作中のギャレス・エヴァンスと出会い、翌年ギャレス監督作品『ザ・タイガーキッド ~旅立ちの鉄拳~』出演オファーを受け、デビューした。
ギャレス監督との3度目のコラボとなる本作続編『Berandal』への出演も決定。
 
『The Raid 2: Berandal』
インドネシアマフィア、ジャカルタ汚職警官、日本ヤクザによる三つ巴の抗争が軸のストーリー。日本ヤクザ役で松田龍平、遠藤憲一、北村一輝が出演決定。

 
主なキャストは元々武術の大家らしいけれど、その運動能力と体力、精神力にびっくりです。カメラの撮り方もあるんだろうけど、これ、絶対怪我人出てるよね。背中からガーンってキャビネットに叩き付けられてる..。