『13ゴースト』(2001) - Thir13en Ghosts –

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登場する13人のゴースト達の造形がツボにはまるこの作品大好きなんですよね。それぞれに理由があって現世に生きる人間達を憎悪し、恨み、攻撃してくる凶暴なゴースト達。2001年の作品なんだけど、どこか懐かしい「ヘルレイザー」とか「ゴーストバスターズ」とか、何故か「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とかの空気感がある。ロバート・ゼメキスが製作しているからかな。コミカルで怖いファミリー・ホラーです。 

■13ゴースト – Thir13en Ghosts -■
2001年/アメリカ/100分
監督:スティーヴ・ベック
原案:ロブ・ホワイト
脚本:ニール・マーシャル・スティーヴンス 他
製作:ジョエル・シルヴァー、ロバート・ゼメキス 他
制作総指揮:ダン・クラッチオロ 他
撮影:ゲイル・タッターサル
音楽:ジョン・フリッゼル

出演:
トニー・シャルーブ(アーサー・クリティコス)
シャノン・エリザベス(キャシー・クリティコス)
アレック・ロバーツ(ボビー・クリティコス)
ラー・ディッガ(マギー)
マシュー・リラード(ラフキン)
エンベス・デイヴィッツ(カリーナ)
F・マーレイ・エイブラハム(サイラス・クリティコス)

解説:
前作「TATARI タタリ」が大ヒットしたダークキャッスル・エンタテインメント製作のホラー第2弾。この製作会社は、ジョエル・シルヴァーとロバート・ゼメキスが共同で設立したホラー映画専門プロダクション。“ギミックの帝王”ウィリアム・キャッスル監督が60年に手掛けた同名映画(日本未公開、03年にDVD化される)を、最新技術で完全リメイク。 (allcinema)

あらすじ:
アーサーは火事で妻を亡くし、失意の中、娘キャサリンと息子ボビー、家政婦マギーの4人で暮らしていた。そこにほとんど面識の無い大富豪の叔父サイラスの遺産が入る連絡を受ける。大喜びで郊外の屋敷へと赴いた4人だったが-
 


愛し合っている夫婦と仲のいい姉弟。そんな幸せな家族を火事が襲い、妻が助からなかった。愛する妻と資産を失った大学教授アーサーは失意のどん底で、それでも子供達を育てていた。

この冒頭のシーンの移り変わりがすごくよく出来ている。庭で遊ぶ子供達を見ながら、窓辺で語らう愛し合っている夫婦。夫アーサーの横顔はそのままに、火事で叫ぶ声、お葬式の様子がバックに流れ、現在住んでいる狭いアパートの隣の建物の壁しか見えない窓辺に呆然と座っているアーサーの横顔へ。事故から半年経っても立ち直れないでいる父親アーサー。そしてしっかり者の姉キャシーとお茶目な弟ボビーは悲しみを抱えながらも毎日を懸命に生きている。
そこへ、弁護士が。
ほとんど面識の無いアーサーの叔父サイラスの遺言により、全ての遺産がアーサーへ引き継がれた。中でも郊外に建つ屋敷はとても大きくて豪華であるという。狭いアパートでうんざりしていた家族はお手伝いのマギーと一緒に早速、家の見学へ。それはガラス張りのとても変わった建物だった。

さぁて、登場しましたゴースト・ハウス。見た目は近代的な建物だけど、ドアから窓から部屋の扉まで全て強化ガラス。この全てのガラスにラテン語で何か文字が書かれている。中の作りは機械仕掛けで動くようになっており、調度品も豪華なモノがたくさん。喜び走り回る子供達だったが、点検だからと一緒に入ってきた電気屋さんが、ここにはゴーストが囚われていると言う。何をバカなと最初は相手にしなかったアーサーだったが、どうやらこの電気屋の正体が霊能力者だと分かった時に、皆は家に閉じ込められ、弟ボビーが行方不明に。

霊能力者ラフキンの説明で、ここには自分とサイラスで捕まえた凶暴なゴースト12体が囚われている。目的はオキュラリス(地獄の目)を手に入れ、未来を見通せる力を持つことだったと。そんな中、屋敷の機械仕掛けが動きだし、各キューブに閉じ込められていたゴースト達が順に出てき始める―
このゴースト達はとても凶暴で人間を見れば襲ってくる。作品内では名前が紹介されていたが、分かる範囲でもう少し説明を付けて12人のゴーストを紹介しよう。  

Contents

12人のゴースト Profile

跡取り息子
友達とカウボーイごっこをしていて、こんな羽目に。
怒りの王女
自分は醜いと思い込まされ、何度も整形手術を受け、最後には自分で手術をしようとしたが失敗し死亡。切り裂かれた身体でナイフを持ってうろついている。
呪縛の女
男遊びに興じていたが、そのあまりの酷い仕打ちに最後は殺されてしまった。

無念の王子
野球少年だった彼はティーンエイジャーになってドラッグレースに参加。事故死した。
巨大児と陰惨な母
小人症の母親に甘やかされて育った巨大児。ある日、母親は食べ物を喉に詰めて死んだ巨大児の下敷きになり死亡。
悲しむ妻
幸せな家庭を持っていたのに火事で焼死。(アーサーの妻もゴーストとして囚われていた)

トルソ
賭に負けて身ぐるみ剥がされた上、殺されバラバラにされた。
ハンマー
鍛冶職人として暮らしていたが、盗みの罪を着せられ村から追い出された上に家族を殺される。ハンマーで村人に復讐したところ、寄ってたかって拷問された上に殺された。
巡礼の女
魔女の疑いをかけられ囚われていたが、食べ物を与えられずに飢え死にさせられた。

ジャッカル
精神病院に入院していたがあまりに凶暴なため、身体には拘束衣、頭にはオリを付けられていた。その後、病院が火事になり、その姿のまま焼死。
破壊者
巨大症で顔の醜い彼は嫌われ者だったが、父親と仲良く廃車置き場で自動車の解体などを生業としていた。しかし父親が亡くなると彼は悲しみのあまり凶暴化。結局人々に殺される。

あまりの悲惨さに涙が出そう・・。
こんな彼らが天国に行くのも許されず、自分の欲のためにサイラスにキューブに入れられ囚われている。そんな事ともつゆ知らず、こんな屋敷に囚われてしまったアーサー一家。無事に脱出出来るのだろうか?
ところで上で紹介したのは12人のゴースト達。タイトルは13ゴースト。この13人目が脱出の鍵となるのであります。

それでは最後にこの作品の制作会社ダーク・キャッスル・エンターテインメントについて

ダーク・キャッスル・エンターテインメント

 設立  1999年
 創業者 ジョエル・シルバー、ロバート・ゼメキス、ギルバート・アドラー

ダークキャッスル・エンタテインメント(Dark Castle Entertainment)は、ロバート・ゼメキスとジョエル・シルバーが共同で設立したホラー映画専門の製作会社。もともと1950年代から1960年代に仕掛け満載のB級映画で名声を博したマニア人気の高いホラー映画作家、ウィリアム・キャッスル(William Castle)の作品リメイクのために設立された(『13 Ghosts』、『The Tingler』、『Macabre』など)。現在ではオリジナル企画も手がけている。

■製作映画リスト
 ・『TATARI タタリ』 House on Haunted Hill (1999)
 ・『13ゴースト』 Thir13en Ghosts (2001)
 ・『ゴーストシップ』 Ghost Ship (2002)
 ・『ゴシカ』 Gothika (2003)
 ・『蝋人形の館』 House of Wax (2005)
 ・『リーピング』 The Reaping (2006)
 ・『TATARI 呪いの館』 Return to House on Haunted Hill (2007)
 ・『ロックンローラ』 RocknRolla (2008)
 ・『エスター』 Orphan (2009)
 ・『ヒルズ・ラン・レッド -殺人の記録-』 The Hills Run Red (2009)
 ・『ホワイトアウト』 Whiteout (2009)
 ・『ニンジャ・アサシン』 Ninja Assassin (2009)
 ・『ルーザーズ』 The Losers (2010)
 ・『スプライス』 Splice (2010)
 ・『アンノウン』 Unknown (2011)
 ・ The Factory (2011)

(Wiki:ダーク・キャッスル・エンターテインメント)

おー、さすがに面白い作品が並んでますねー。
本作2001年の『13ゴースト』は1960年『13ゴースト』のリメイクです。どんなのかちょっと興味があって調べてみると、ありました、TSUTAYA Discasに。 一応、予約リストに入れましたです。
内容はほとんど一緒のようですが、「“ギミック・ホラーの帝王”ウィリアム・キャッスル監督」ってどんなのだろう。

ではまた

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • 仰る通り豪邸だけどスケスケですね^^;
    makiさんもこの作品お好きですか!私も大好きで定期的に観たくなるんですよねー。
    ゴースト達の愛らしさと、もっと詳細に観察したい!という欲求からでしょうか。
     
    このブログは私のメモや書庫、資料と化しているのも多いので(感想より多かったり..)、
    不要な方には見づらいかもしれませんが、ゴースト達の経歴を喜んで頂けて私も嬉しいです!
    (検索で見つけたところで、もっと詳しく書かれていたところもありましたよ)
    60年作品レンタルされたんですね。私も近々借りてみよっと。

  • 自分の記事内容が果てしなく適当なのが失礼とは思いましたが
    トラックバックさせていただきました
    これは何度か見ている作品で、
    記事を書いたときももう何度目か…のときだったんですよね
    でも自分じゃ調べる気が起きなくてそのままゴーストたちも放置!…と思ったら
    こちらできちんとゴーストたちの経歴(?)を書かれてるじゃないですか
    んもう、素晴らしい記事です!
    これ、60年のキャッスル作品もレンタルしてみたので、今度見てみようと思ってます

  • 13ゴースト

    超個性的な13のゴーストたちがいいですね〜。しいていえば、彼らゴーストたちの設定や過去ももう少し知りたくなっちゃいます。それぞれもう少し出番が欲しかったな〜〜
    一箇所ア

  • コメントありがとうございます。
    楽しいですよねー、この作品は。ゴーストの見てくれが好きで好きで
    確かに「ポルターガイスト」にも雰囲気が似てますね。
    オリジナルもなかなか面白そうです。近いうちに借りてみようと思ってます。
     
    TBありがとうございます!私も打たせて頂きます!

  • いいですよね。
    オリジナルはまだ観ていないんですが、
    いつか観たいと思っています。
     
    ※TBいれちゃいました。

  • 13ゴースト 【2001年制作:映画】

    第一印象。
     
    金かけてるなぁ。
     
    大体、B級ホラーは金がかかっていないところが、
    味があっていいんだけど、
    これはA級までは行かないけど金かけているよ。
     
    セットが凄いもんねぇ…

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