『300 〈スリーハンドレッド〉』(2007) - 300 –

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とうとうこのブログに『300』が! 梅雨が明け、うだるような熱帯夜(ちょっと大げさ)の昨夜。たまたま付けたCSでやっていたのを久しぶりに観た。濃い男達の戦いに、暑さをすっかり忘れた夜になった。アクション系の作品の中でも特にその戦闘シーンが好きで、何度も繰り返し観たくなるものがあるんだけれど、この『300』もその一つ。既に語り尽くされているであろうこの作品を、この私めが愛を持って語っていきます。暑苦しいですよー。
 
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■ 300 〈スリーハンドレッド〉- 300 – ■

2007年/アメリカ/117分
監督:ザック・スナイダー
脚本:ザック・スナイダー 他
原作:フランク・ミラー「300」
製作:ジャンニ・ヌナリ 他
制作総指揮:フランク・ミラー 他
撮影:ラリー・フォン
音楽:タイラー・ベイツ
出演:
ジェラルド・バトラー(レオニダス)
レナ・ヘディ(ゴルゴ)
ロドリゴ・サントロ(クセルクセス)
デビッド・ウェナム(ディリオス)
ドミニク・ウェスト(セロン)
マイケル・ファスベンダー(ステリオス)
ヴィンセント・リーガン(隊長)
トム・ウィズダム(アスティノス)
アンドリュー・ティアナン(エフィアルテス)
ピーター・メンサー(ペルシャの使者)

解説:
無謀なる壮絶な戦いに生身の屈強な男たちが立ち向かう迫力の歴史スペクタクル。100万のペルシア大軍をわずか300人のスパルタ軍が迎え撃つという伝説的な史実“テルモピュライの戦い”を基に「シン・シティ」のフランク・ミラーが著わしたグラフィック・ノベルを斬新なビジュアルで映画化。監督は「ドーン・オブ・ザ・デッド」のザック・スナイダー。主演は「オペラ座の怪人」のジェラルド・バトラー。  (allcinema)
 
あらすじ:
紀元前480年。驚異の大帝国ペルシアに服従を迫られたスパルタ王レオニダス。しかし彼はペルシアと戦うことを決意。300人の精鋭部隊と共に決戦の場ホット・ゲート(灼熱の門)へと向かう。援軍のアルカディア兵とも合流し陣を張ったレオニダス達だったが、そこへ地響きと共に進軍してきたペルシア軍は100万もの大軍だった-

 


300_Movie2007ローマ帝国がイタリア半島にある一つのポリス(都市国家)にすぎなかった紀元前5世紀。ギリシアでは大小様々なポリスが覇権争いを繰り広げていた。
交易都市として発展、後に銀が採れたことによりギリシア地方有数の都市となったアテナイ(アテネ)。交通と交易の要衝として繁栄し、ギリシア世界の経済の中心となったコリントス。精強を謳われた「神聖隊」(紀元前378年に将軍ゴルギダスが結成した精鋭歩兵部隊)の活躍も知られているテーバイ。そして他のギリシャ諸都市とは異なる国家制度を有しており、「スパルタ教育」として知られる軍事的教育制度を持つスパルタ

これらのポリスが争っていた頃、海の向こうの国ペルシアはどんどん巨大化していた。
クセルクセス1世の父ダレイオス1世はトラキア(スパルタカスの故郷 ※時代は違う)、マケドニア王国(アレクサンドロス大王の国 ※これも時代は違うが)を勢力下に置いた。アナトリア半島全域とレスボス島、キオス島、サモス島などのエーゲ海東部の島嶼をその支配下に置き、「王の道」を整備するとともに、金貨を鋳造して交易を積極的に推進。ペルシアは最盛期を迎える。そしてその目は真っ直ぐギリシアに向けられる。
こうしてアテナイ、スパルタなどのポリスは一つになって戦うことにを余儀なくされる。
 
で、本作の冒頭。ペルシアの尊大な使者が征服した国の王のドクロを片手にレオニダスのところにやって来る。「土と水」を頂きに来たよ、と。すなわち、お前の国を頂くぞ、と。

この使者を遣わしたのは王位を継いだクセルクセス1世(父親ダレイオス1世は紀元前486年に没している)。紀元前481年夏の時点でギリシアの各ポリスに使者を送り降服を迫った。これにより、マケドニアやテーバイなどのポリスはペルシア側についたが、アテナイやスパルタにはまだ使者を送っていない。
紀元前481年秋には、ペルシアの脅威をギリシア全土が認識。アテナイはスパルタに働きかけ、抗戦の意志を固めたポリスを集めて紛争の即時終結及びギリシア連合軍を結成する。しかしテーバイなどのようにペルシア側に付いたポリスもあって、ギリシア人全てが一枚岩になったわけではなかった。 (Wiki:クセルクセス1世の侵略)

 
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こういった背景のもと、レオニダスはペルシアの使者を穴に蹴り落とす。
アテナイとの取り決めもあっただろうが、この蹴り落とす前のレオニダスの表情、その視線の先にあったものは、我が国の土と水。すなわち、民衆の生活、その自由と命。子供達の未来、そして愛する王妃だ。最後に見つめた王妃ゴルゴは大きく頷く。「決して屈してはならぬ」と。「厳しく強き者」スパルタ人であれ、と。
で、この台詞と共に「なんと愚かな・・」と驚く使者を地獄のごとき穴に蹴り落とす。
「これがスパルタだっ!!」
その後ろでは使者と一緒に来たお付きの者を同じように蹴り落とす隊長やステリオスが見える。王と共に生き、戦う覚悟の忠誠心がはっきりと見て取れる。
 

スパルタ
300_Movie2007現在のペロポネソス半島南部スパルティにあった古代ギリシア時代のドーリス人による都市国家。
スパルタ市民はリュクルゴスの制度に基いた社会生活を営んだ。土地の均等配分、長老会設置、民会設置、教育制度、常備軍の創設、装飾品の禁止、共同食事制がその基本である。
スパルタは、当時のポリスのなかでもその領域は例外的に広かった。奪った土地はスパルタ市民に均等配分され、約15万人とも25万人ともいわれるヘイロタイは奴隷の身分から解放されることも移動することも許されず、土地を耕してスパルタ人に貢納した。
スパルタ市民は18歳以上の成年男子で構成され(人口8千~1万人であったが家族を含めて5万人程度)、多数の被抑圧民を抱えたことから市民皆兵主義が導入され、日頃から厳しく訓練して反乱に備えた。
その一方で、紀元前7世紀頃より王権への制限を強化するエフォロイの制度が始まった。エフォロイは、公職であり、スパルタ王と共に権力を分け合った。定員5人。日本語では監督官と訳されることが多い。 (Wiki:スパルタ)

本作でのエフォロイは監督官というよりも、怪しい、金にまみれた神官として描かれている。可愛そうな薬漬けの美女を託宣者としているが、裏ではセロン経由でペルシアからたっぷりと金貨をもらっていた。あの、何語とも分からない託宣の内容も怪しい。特に「戦争なんか行っちゃだめだ!」というところはとても楽しげだったし。良かったんだよ、レオニダス。あんなの無視して。それで正解。
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こうしてテルモピュライ、灼熱の門へ進軍したスパルタン。
「たとえ死すとも盾と共に帰れ。」
レオニダスと300人の精鋭たちだけでは無く、王妃ゴルゴにもその結果は見えている。ゴルゴは大事な息子、次の王を守るだけが仕事では無い。残されたゴルゴの戦いもこの時から始まる。
 
300_17そして、ここから管理人momorexの大好きな戦闘シーンが繰り広げられる(最初の狼のところも好きなんだけどね)。レオニダスの横移動、ステリオスとアスティノスの舞う姿。何度観ても美しいが、兵士達が一つになって盾と槍で構える機能美も忘れがたい。
これらが美しいのは、やはり彼らの肉体美があってこそ。この筋肉もCGなんじゃないの~?(-.-)という話題もあるそうだが、製作者側は制作費を削るために鍛えるようにと指導していたとコメントしているらしい(まぁ、ちょっとは書き足しや修正があったのでは、と睨んでいるが)。ディスクの特典にあったメイキングで、グリーンバックの前を行き来する役者さん達は確かに鍛えられていた。
 
本作のペルシア側では、よだれを垂らす大男、忍者みたいな不死の軍団、サイにゾウ、腕がノコギリみたいな死刑執行人などなど、コミックそのものな登場人物が多いが、なんと言っても最高な見た目を持つ者はクセルクセスその人でしょう。
300_Movie2007跪け、跪けとうるさいこの人は、自分を王の中の王、もしくは神と言い、例え部下でも他人の命など鳥の羽根一枚の価値よりも軽く考えているが、戦局がうまく行かないときの地団駄を踏む様子や、あのご自分の頬に一筋血が流れたときのパニクリよう。・・・お子様か・・。
実在のこの王の人となりは分からないが、このテルモピュライの戦い後は敗北が続きギリシア遠征は失敗。帰国後は大規模な建築事業を数多く行ったが国の財政が圧迫され、次第に国力が衰える。最後は側近アルタバノスに暗殺された。


 
なんで『300』が放送されているのだろう?と思ったら、『エンジェル ウォーズ』のレビューに書いた『マン・オブ・スティール』がとうとう8月30日公開なんですね。
それもなんだけど、なんと言ってもこれです↓。300続編!

『300: Rise of an Empire』
時は同じく紀元前480年。陸戦であるテルモピュライの戦いと同時に行われたギリシア連合艦隊による「アルテミシオンの海戦」を題材にしているということだ。クセルクセスの終わりの始まりですね。
アメリカでの公開予定は2014年3月7日。日本ではいつになるかなー。結構同じ頃になりそうな気がする(希望的観測)。
 icon-arrow-circle-right 観ました『300〈スリーハンドレッド〉~帝国の進撃~

ではまた