『レッド・ステイト』(2011) - Red State –

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ワクワク高校生の冒険物語と思いきや、あっという間にカルト集団に拉致されてエライ目に..。この男子達の行く末とカルト集団、それを攻撃する特殊部隊の1日を、リアルにリアルに描いている。大義をかかげて何の迷いも無くどんどん突き進む様は、男子のワクワク行動もカルト集団も警官達も変わらない。持ってるおもちゃが違うだけな気がしたヨ。
 

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■レッド・ステイト – Red State -■
2011年/アメリカ/88分
監督:ケヴィン・スミス
脚本:ケヴィン・スミス
製作:ジョナサン・ゴードン
製作総指揮:エリース・サイデン 他
撮影:デヴィッド・クライン
出演:
マイケル・アンガラノ(トラヴィス)
ケリー・ビシェ(シャイアン)
ニコラス・ブラウン(ビリー・レイ)
カイル・ガルナー(ジャロッド)
ジョン・グッドマン(ジョセフ・キーナン)
メリッサ・レオ(サラ)
マイケル・パークス(アビン・クーパー)
ケヴィン・ポラック(ブルックス捜査官)
スティーヴン・ルート(ワイナン保安官)

解説:
「ドグマ」「ジェイ&サイレント・ボブ 帝国への逆襲」などのK・スミス監督が手がけ、世界3大ファンタスティック映画祭の中で最も古い歴史を持つスペイン・カタルーニャのシッチェス映画祭で2011年のグランプリを受賞した衝撃作。同性愛や性の解放に偏見を持つだけでなく、自ら堕落した人間の粛清に乗り出した狂信的キリスト教団の暴走を描く。サスペンスホラーから破壊的アクションへと転換する先の読めない展開が見もの。 (WOWOW)
 
あらすじ:
出会い系サイトで知り合った女性の家にワクワク気分で到着した高校生3人組。だが勧められるまま飲んだビールには睡眠薬が仕込まれており、そのまま気を失ってしまった。次に目を覚ますとそこは檻の中。訳も分からず毒づく3人に言い渡されたのは、“性欲に溺れている”罪での処刑執行だった-

 


「衝撃作」と銘打った映画に弱い管理人
この作品はカルト教団の怖さもさることながら、銃撃戦になって容赦なく撃ち込む特殊部隊のやり方もかなり怖い。これがアメリカなんだー、と思わず感じ入ってしまう。ワクワク高校生はどの国でも同じでしたが。
 
Red State_2011Movieトラヴィス、ビリー・レイ、ジャロッドの高校生3人組は出会い系サイトで知り合った女性と話をつけ、女性の住む家に繰り出す。ビールを飲みながらズボンを脱ぎ始めた3人だったが、ビールに睡眠薬が入れられていたために次々昏睡。次に目を覚ましたのは、ある教会に設置された檻の中だった。

そこに現れたのはカルト教団のリーダーであるクーパー牧師。「これがこの世にはびこる悪魔の手先だ」などと教団員に説教した後、「“性欲に溺れている”罪で処刑を執行する」と言い放ったのだ。冗談とは言えないその場の雰囲気に、わめき、毒づき、暴れた3人だったが、ジャロッドが連れて行かれ十字架に括り付けられてしまう。
残る2りのうち、ビリー・レイがとっさの隙をついて逃げ出すが、気付いた教団の男達と撃ち合いになり死亡。トラヴィスも決死の覚悟で逃げだそうとする。
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一方、銃声の通報でこの教会にたまたまやって来た保安官補が武装した教団の男に殺され、事態は大きく動いていく。保安官からの要請を受け、ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)特殊部隊チームが到着し、武装した教団との激しい銃撃戦に突入する。
しかし教会の中には、教団の男達とともにその家族や子供達、ATFが存在を知らない男子高校生もまだ残っていた-


 
Red State_2011Movie原理主義に基づくカルト教団、それに目を付けていた政府組織、たまたま生け贄に選ばれてしまった高校生。この三者三様の全く違う立場のグループが一つ場所に居合わせ、それぞれの主義主張に合わせて激突する。
もうそれは、何の前触れも無く、いきなり発砲という形で始まってしまう。「銃と標的」だけが画面に流れる中、必死に子供達を守ろうとする信者の娘。この娘の主張だけが正しくまともに見えるが、このバイオレンスな状況に「常識」という概念の出る幕は無かった。
 
最近も“マインドコントロール”という言葉が世間を騒がせていたが、この映画に出てくる信者を見る限り、きっかけは指導者によるマインドコントロールだったとしても、ここまでの犯罪を犯してしまったからには、そんな言葉で説明や逃げる道を作ってしまうのはどうだろうか。

カルトとは
元来は「儀礼・祭祀」などの宗教的活動を意味しており否定的・批判的なニュアンスは無かった。しかし現在では、反社会的な宗教団体を指す世俗的な異常めいたイメージがほぼ定着している。
アメリカでは1990年代に反社会的な宗教団体を指す言葉として使われるようになり、一般の宗教と区別する意味で「破壊的カルト」とも呼ぶ。
破壊的カルトは、宗教カルト、政治カルト、自己啓発カルト(自己啓発セミナー)、商業カルトなどに分類される。
 
■カルトの特徴
Red State_26 ・指導者に対する崇拝
 ・指導者の無謬性(指導者は絶対に間違いを犯さない)
 ・指導者の知識の広さ
 ・説得のテクニック
 ・秘密の計画
 ・欺瞞
 ・金融面および性的な利用
 ・絶対的な真理
 ・絶対的な道徳観

(Wiki:カルト)

 
本作の教団もまさに「破壊的カルト」集団で、自分たちの主義、道徳観に合わないものは全て敵と認定し、暴力と銃でもって排除するのに迷いは無い。ベースがキリスト教だというのに、どうして「暴力と銃」なのかは自分には全く理解できないが、そこがカルトのカルトたる所以でありましょう..。
そんな異世界に連れてこられてしまった、ごく普通の高校生達はエライ目にあってしまったが、やられっぱなしでは無かった。目には目を、ということで途中から銃を手に戦い始める。自分の命を守るために。
 
Red State_2011Movieそして派遣されてきた特殊部隊チーム。これが何故かいきなりATF。警察でもFBIでもなくいきなり「アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局」。多量の武器を持っているから、と判断されたからなのかもしれないが、もう相手を武器で殲滅する目的で派遣されているのが分かる。確かに(恐ろしいことに)、愛国者法のもと「とにかく何も考えずに殲滅せよ」と、命令を受けて来ている。リーダーのキーナンは一度は不信に思うが、退職も近いことだし命令にそむことも出来ず。可愛そうに高校生達はそんな事にも巻き込まれてしまった。

そして他にも巻き込まれたのが幼い子供達。年長の女の子シャイアンは命を守ろうと逃げる手立てを懸命に考えようとする。母親にもここから脱出させてくれ、と願うが、この母親が教団盲信者で、命をかけても敵に降伏しないとばかりに銃を持って前線で戦い出す。他の女性もしかり。
この母親役にメリッサ・レオ。相変わらず、いいですよー。なんでこんなに狂っているんだろう、と言うほどの適役。一見の価値ありです。
 
教団vs特殊部隊の戦いだったのが、いつしか「自分たちの立場を守る大人vs柔軟で冷静な子供」の戦いに。そして敗れたのは、どっちでしょう。現実は厳しい。
実話ベースということだけれど、ホントにあったのか?こんなことが
ではまた