『ファンタズム』(1979) - Phantasm –

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墓地を歩き回る不気味な大男、飛び回る殺人銀球、凶悪な小人。想像力豊かな少年の頭の中にありそうな、こんなモノ達が現実にいたとしたら・・・ ホラーな内容で、頑張る兄弟の戦うアクションでありながら、最後にホロっとさせられるオチがよし。この映画、今まで全然知らなかったー。
 

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■ファンタズム - Phantasm -■
1979年/アメリカ/89分

監督・脚本・製作・撮影:ドン・コスカレリ
音楽:フレッド・マイロー、マルコム・シーグレイヴ
出演:
マイケル・ボールドウィン(マイク)
ビル・ソーンベリー(ジョディ)
レジー・バニスター(レジー)
キャシー・レスター(ラベンダーの女)
アンガス・スクリム(トールマン)

解説:
前作「ボーイズ・ボーイズ/ケニーと仲間たち(76)」から一転、D・コスカレリが監督したホラー・ファンタジーだが、「ボーイズ~」同様、子供を主人公にした所は共通で、その視点から描かれている分、他のホラー作品とは少しばかり毛色が異なっている。宙を舞い、内部から鋭利な刃を突き出し顔面に食い込む銀球。切り落とした墓守の指からは黄色の液体が漏れ、やがてそれは奇怪な虫に変身。そして、霊廟の中を蠢く奇妙なコビトたち……。怪異なヴィジュアルに彩られた画面は、少年期特有の心情描写と相まって、悪夢のようなお伽話となる。アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞を受けた本作は、やがて「2」「3」へと続き、コスカレリのライフワークとなってしまった。 (allcinema)
 
あらすじ:
兄の友人の葬儀をこっそり覗いていた少年マイクは奇妙な光景を目撃してしまう。黒いスーツの背の高い男《トールマン》が墓地に埋めるはずの棺を車に乗せて走り去ってしまったのだ。兄に話したものの相手にされず、一人で調べ始めたマイクだったが、忍び込んだ霊園で飛び回る銀球が人を殺すの見てしまい-

 


Phantasm_1979200Kgはあるらしい遺体の入った棺を軽々持ち上げ、霊柩車にポイっと投げ入れ走り去った“トールマン”。普通なら今頃、土をかけてスコップでペンペンしているはず…。これを見てしまった13歳の少年マイクは、慌てて家へ逃げ帰り、兄ジョディに見たことを話す。が、相手にされない。
マイクとジョディの両親は、1年前に事故で亡くなり、トールマンのいた墓地に埋葬されている。まだ13歳のマイクにはジョディが頼りで、いつか地元を捨てて一人都会に行ってしまうのでは、と気が気でならない。
 
だからいつもジョディの後を付いて回っている。
Phantasm_1979その夜、ジョディが酒場に女を引っかけに出かけるのも、こっそり後ろから付いていった。酔った2人が墓地に行って何やらおかしな事をし始めたのも、木陰から覗いていた。そこへ背後からうなる動物の声が聞こえる。振り向くとその茶色い小さな熊のような生き物は自分に襲いかかろうとしているところ。慌てて叫びながら逃げ出したマイク。それに気がついた兄も後を追う。
その夜、マイクは怖い夢を見た。トールマンと2人の茶色いドワーフが墓穴を荒らしている夢だった。そして遺体を盗み半分の大きさにしてドワーフを作る。トールマンが出没する墓地には両親も眠っている。このままではドワーフにされてしまう、とマイクはナイフを持ちトールマンのいる霊園へと一人向かう。
 
Phantasm_1979明るく電気は灯されているが、夜中で人気のない霊園。こっそり歩いているとさっそくトールマンに見つかってしまい、逃げ惑うことに。そこへ別の男が現れる。トールマンが懐から取り出し投げた銀球が、生き物のように男めがけて飛んでいく。その銀球から鋭い刃物が飛び出し男の額に突き刺さった。ホースから水が出るようにあふれ出る血。
叫びながら逃げ出したマイクを負うトールマン。見つけた部屋に逃げ込みドアを思い切り閉めた時にトールマンの指をはさんだ。それを持っていたナイフでぐさり。落ちた指は生きているようにまだ動いている。黄色い液体を出しながら。
 
トールマンの存在を証明するその“指”を持ち帰り、起きた出来事を兄に報告したマイク。ジョディは勇敢にも一人で霊園へ向かった。心配なマイクは、たまたま居合わせた兄の親友レジーと一緒に兄の後を追うが-

 
Phantasm_1979両親を亡くし、兄だけが頼りの少年マイク。
そのマイクが奇妙なものを目撃してから、兄弟に襲いかかる悪夢のようなトールマンと手下のドワーフ。物語はマイクの見る夢と現実が交互になって進んでいく。
見上げるように背の高いトールマン。邪悪な顔をしたドワーフ。
のしっ、のしっと町を歩くトールマンは、マイクに向かって脅しを掛け、威嚇しているようだ。トールマンはマイクが眠るベッドの脇にも現れ、悪夢を見させる。
しかし証拠を見て信じてくれた兄は、マイクと両親の遺体を守るために懸命に戦ってくれた。とても頼もしい兄。全幅の信頼を寄せているたった一人の家族。
 
最後は、途中で出てくる占いばあさんにマイクが告げられた「思い込みには注意せよ」という言葉とともに、ほろっとさせられる。そして子供の頃、目を閉じると真っ暗な穴に落ちていくようで怖かったことを久しぶりに思い出した。
 
本作は続編が作られ4作目まであるが(まだ観てない)、1作目だけにしておいた方がよかったような予感がする。
ではまた