『人狼村 史上最悪の田舎』(2011) - Lobos de Arga –

ヴァンパイアに比べていまいちパッとしない狼男。これは美女に噛み付き血を吸うというようなエロスが足りないせいか、はたまた「怪物くん」による刷り込みのせいか..。本作の主人公は狼男に生け贄として捧げられようとしている、ある青年。邦題通り最悪の状況だけれども、どこか懐かしいコメディタッチに物語が進んでいく。登場した狼男の足下を見て、思わずあの有名な「ビッグフット」動画の後ろ姿を思い出してしまった
 
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■人狼村 史上最悪の田舎 – Lobos de Arga -■
2011年/スペイン/102分
監督:フアン・マルティネス・モレノ
脚本:フアン・マルティネス・モレノ
製作:トマス・シマデビリャ、エマ・ルストレス
撮影:カルロス・フェロ
音楽:セルヒオ・モウレ
出演:
ゴルカ・オチョア(トマス)

カルロス・アレセス(カリスト)
セクン・デ・ラ・ロサ(マリオ)
マベル・リベラ(ローサ)
マヌエル・マンキニャ(エバリスト)
マルコス・ルイス(ディエゴ)
 
解説:
古くからヨーロッパに語り継がれる人狼伝説を題材にしたアクションホラー。ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、ポルト国際映画祭と並ぶ世界3大ファンタスティック映画祭のひとつで、最も長い歴史を誇るスペイン・カタルーニャのシッチェス映画祭において、2011年の作品賞にノミネートされた秀作だ。随所にユーモアを交えながら、人狼の呪いを解くための重要人物と知らずに育った主人公の味わう恐怖が描かれる。
 (WOWOW)
 
あらすじ:
売れない作家のトマスは故郷の村に久しぶりに戻ってくる。しかしその村は、生け贄を捧げなければ村人全員が人狼になるという伝説がある地だった。幼なじみとも会い、昔話に花を咲かせていたトマスだったが、ある日、司祭である叔父が村人達とやって来て、いきなり彼を拉致、化け物が住むという古い納屋に監禁してしまう-

 


Lobos de Arga_2011とある地方にある小さな村アルガ。ここには呪われた“人狼伝説”がある。
その昔、この地を一手に所有していたマリーニョ公爵夫人。権力と金をたっぷり持っていた夫人だったが、夫との間には子宝に恵まれない。そんな彼女は傍若無人な振る舞いとともに、夫がいる身でありながら、その権力で次々と男を誘惑、退廃した毎日を送っていた。
ある日、村に旅芸人の一座が訪れる。彼らの中のナイフ投げの男に目をつけた公爵夫人は、男が嫌がるのも聞き入れず種付けのために関係を持ち、妊娠。そして全てを闇に葬るために男のみならず、一座全員を惨殺。しかし男の妻は息絶える直前に、この村に呪いをかける。
 生まれてくる夫人の子供は呪われて魔物になり、生け贄を捧げ続けなければ村全体が呪われる。 その呪いを解きたければ、100年後の今日、夫人の純粋な血を守る子孫を生け贄にしなくてはならぬ-
 
この村で育ったにもかかわらず、こんな伝説があることを知らずにいたトマス・マリーニョ。
Lobos de Arga_2011作家様を讃える式典を催したい、と村から招待されてホイホイとやって来る。自分の両親や祖母はとっくに村を捨てて出ているが、叔父が残っていた。その司祭もやっている叔父に村人を紹介され喜ぶ単純なトマス。しかし幼なじみの陽気な男であるカリストの目は暗かった。
そこに都会の取り立て屋から逃げてきたトマスの担当編集者マリオも加えて、賑やかになった祖母の屋敷。
さあ、今日は式典だという朝。屋敷のチャイムが鳴る。ドアを開けてみると昨日とは打って変わって怖い顔をした叔父が村人を引き連れて立っている。言葉を交わす間もなく、トマスとマリオはは村人達に拉致され、村の外れにある化け物が住むという納屋へ連れて行かれてしまう-

 
Lobos de Arga_2011もう、おわかりですね。トマスはマリーニョ公爵夫人直系の子孫。例の事件からちょうど100年たち、そのトマスをまんまと村におびき寄せ、村人のために納屋の化け物“人狼”に生け贄として捧げる準備が着々と整ったわけです。これが失敗すれば村人全員が人狼に変身してしまう。
訳も分からず一緒に引っ立てられたマリオともども、人狼のいる穴に放り込まれた2人。おそるおそる地下道を進んでいくと、期待に違わず見るも恐ろしい、呪われたマリーニョ公爵夫人の息子“人狼”の姿が..

どうしても捨て置けなかった幼なじみカリストと愛犬ヴィトの力でなんとか逃げ出すものの、呪いの時が過ぎ、村中が人狼の姿に。普通「狼男」と言えばその名の通り男性が変身するものだが、この呪いは凄まじい。男性、女性、老人、子供の区別無く、まさしく村人全員が人狼に。もう人狼だらけ。どこを向いても人狼しかいない。
マリーニョ息子人狼からは逃げることが出来たものの、人狼の大群に囲まれた3人と1匹。その運命やいかに
 
Lobos de Arga_2011-というコメディ・ホラーな本作。こんな最悪な状況でおとぼけを隠せない戦う3人と1匹がいい
それにしてもこの人狼。顔はまあまあな出来で迫力があるけれど、身体部分がほとんどふさふさの着ぐるみな感じで結構愛らしい。特にその後ろ姿は人狼というよりネアンデルタール人みたいで親近感が。きっと愛らしいコメディとしてわざとこういう造形にしたんだろう(と思う)。
スペイン映画ってこんなコメディもあるんだなー。知っているのはホラーばっかりで、最近観たのが『気狂いピエロの決闘』だったんで、そのあまりの違いにびっくりした。
ではまた