『イントルーダーズ』(2011) - Intruders –

『28週後…』でゾンビウィルスに侵された戒厳令下の街ロンドンに生きるある家族を描いたフアン・カルロス・フレスナディージョ監督。本作では顔の見えない“イントルーダーズ(侵入者)”の存在に苦しむ2組の親子を題材に、現実と幻想の世界を境目無く描写。サイコサスペンスの形をとりながら問題の原因は何なのか?を現代の希薄な家族関係に問いかけるダークファンタジー。
 

Intruders_2011
■イントルーダーズ – Intruders -■
2011年/アメリカ・イギリス・スペイン/100分
監督:フアン・カルロス・フレスナディージョ
脚本:ニコラス・カサリエゴ、ハイメ・マルケス
製作:エンリケ・ロペス=ラビニュ他
製作総指揮:ヘスス・デ・ラ・ベガ他
撮影:エンリケ・シャディアック
音楽:ロケ・バニョス
出演:
クライヴ・オーウェン(ジョン・ファロウ)

エラ・パーネル(ミア・ファロウ)
カリス・ファン・ハウテン(スザンナ・ファロウ)
ピラール・ロペス・デ・アジャラ(ルイサ)
イサン・コルチェロ(フアン)
ダニエル・ブリュール(アントニオ神父)

解説:
人とも悪霊とも判らない謎の侵入者の恐怖に怯える少女と家族の過酷な運命を描いた、新感覚のホラー・サスペンス。『28週後…』のフアン・カルロス・フレスナディージョ監督が、謎の侵入者“顔なし怪人”の恐怖に脅かされる家族の運命を緊迫感たっぷりに描いたホラー・サスペンス。クライヴ・オーウェンが、謎の侵入者から娘を守ろうとする愛情深い父親を熱演。“顔なし怪人”の正体、また襲われる2人の子ども同士にはどんな関係性があるのか?不穏な雰囲気を漂わせ、謎を秘めたまま展開する物語から目が離せない!
 
あらすじ:
ジョンの娘ミアは、祖父母の家の近くにある木の穴から“顔なし怪人”の物語を書き留めた古いメモを発見する。しばらくして身の回りに不気味な気配を感じるようになったミア。ある夜、彼女の部屋に“顔なし怪人”が突然現れ、間一髪のところでジョンはミアを救出する。しかし彼女は、恐怖のあまり喋れなくなってしまう。そして、“顔なし怪人”は別の土地でも、母と2人暮らしの少年フアンの前に現れ、彼らを恐怖に陥れていた-
 (スターチャンネル)


顔なし怪人は誰かの声で目覚めました 長い時を経て自由になったのです
若くも年寄りでも 醜くも美しくもない 形もなく顔すらもありませんでした
自分に似た顔の少年を捜し出さなければ・・・ 顔が必要なのです
ある夜、ついに盗むべき顔を見つけました 窓の外をのぞく小さな男の子です
怪人はその顔を何よりも欲しいと願います
顔がないと何もないと同じ 怪人は少年の顔を盗む計画を立てます
それは少年のように愛されたいから・・・

 
Intruders_2011物語が大好きな少年フアン。
創るのも上手で母親に聞かせていたりしていたが、ある夜の出来事から暗闇が怖くなり眠れなくなってしまう。最初は「お化けなんていないのよ」と諭していた母親だったが、母親自身も精神的に不安定になり、神父の元へ相談へ行くことに。何があったのか決して話そうとしない親子に、原因がわからなければ助けることは出来ないと困る神父。
結局、この母と息子は何の解決策も見つけられないまま教会を後にする-
 
 
Intruders_2011ところ変わって、12歳の少女ミア。
祖父母の家に立つ古い大きな木の穴から、小さな箱に入った古いメモを見つける。そこには“顔なし怪人”の物語が途中まで書かれていた。
気になったミアは自分のノートに写し取り、続きを創作し始めるが、その頃より暗闇に何かいる気配が感じられるようになる。怖くて眠れないと両親に相談しても、「お化けなんていない。大丈夫だよ」と相手にされないミア。
しかし、ある夜、目に見えないソレはフードを被った男の姿でとうとうミアの部屋に現れミアを捕まえる。異様な物音に気付いた父親ジョンが男を撃退、事なきを得るが、警察を呼ぶ騒動にミアはショックでしゃべれなくなってしまった。
 
Intruders_2011侵入者は同じところには来ないから大丈夫だと警察に言われた両親だったが、娘のために防犯装置を設置、とりあえず安心と胸をなでおろす。
しかしこれで日常に戻れると思われた矢先、同じフードの男がミアの部屋に侵入、またもやミアが捕まった。気付いた父親はなんとか撃退するが、部屋に取り付けられていた監視カメラには男の姿はなく、一人で格闘する父親だけが映っていたのだった。
 
確かに男を見て、触れもしたジョンとミア。2人は同時に幻を見たのだろうか?
ミアはこの後からますます状態が悪くなり、痙攣さえ起こすようになる。父親ジョンは男の正体を暴くため、昔住んでいた家に向かうが-


 
家庭では子供のしつけのために結構コワイお話を語って聞かせることがある。
“鬼”や“○○マン”はもちろん、心温まるはずの童話「グリム童話」や「アンデルセン」なんかも実はその類い。こんなお話を聞かせられたら一人で寝られなくなるのも当たり前だと感じるが、海外では小さな頃から子供は子供部屋をもらい一人で眠らされる家庭も多いようだ。

 
 
Intruders_2011本作は、そんな可愛そうな独り寝の子供達のお話で始まる。
照明を消された暗い部屋。その暗闇の中の更に真っ暗な闇の中にうごめく何か。そのモヤモヤした何かが形を取り始め、次第にヒトの形になり、フードを被った“顔なし怪人”へと姿を変え現れる。襲ってくる怪人は子供の顔を狙っている。「ママー!!」思わず叫ぶ少年フアン。
 
しかし、この怪人。
おどろおどろしいお話に出てくる割に、今風のナイロン製カッパを着ている。フードを被り顔は見えないが、本当に顔は無いのか?これは悪霊なのか、それとも実在する子供さらいの悪い人間なのか。そしてソレが見えるのは、フアンとミア、ジョンの3人だけ。この3人を結ぶ恐怖の原因、トラウマとは?

 
この作品は日本では未公開。
けれども子供の頃に感じた部屋の暗闇の“何か”を思い出させてくれる、ある意味懐かしい感じもする良作ホラー。その“何か”の正体は思い出した方がいいのか、思い出さない方がいいのかは、人それぞれですねー。
ではまた