『ダークナイト ライジング』(2012) - The Dark Knight Rises –

大人のためのヒーロー
伝説が、壮絶に、終わる。

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■ダークナイト ライジング - The Dark Knight Rises -■
2012年/アメリカ・イギリス/165分
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:ジョナサン・ノーラン、クリストファー・ノーラン
原作:ボブ・ケイン
原案:デヴィッド・S・ゴイヤー、クリストファー・ノーラン
製作:クリストファー・ノーラン、エマ・トーマス他
製作総指揮:ケヴィン・デ・ラ・ノイ、ベンジャミン・メルニカー他
撮影:ウォーリー・フィスター
音楽:ハンス・ジマー

出演:
クリスチャン・ベール(ブルース・ウェイン/バットマン)
トム・ハーディ(ベイン)
アン・ハサウェイ(セリーナ・カイル/キャットウーマン)
マイケル・ケイン(アルフレッド・ペニーワース)
ゲイリー・オールドマン(ジェームズ・ゴードン)
モーガン・フリーマン(ルーシャス・フォックス)
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(ジョン・ブレイク)
マリオン・コティヤール(ミランダ・テイト)
マシュー・モディーン(ピーター・フォーリー副本部長)
リーアム・ニーソン(ラーズ・アル・グール)
キリアン・マーフィー(ジョナサン・クレイン)

クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト(闇の騎士)」シリーズ、
伝説とともに、壮絶な結末へ—

あらすじ:
TheDarkKnightRises_19ダークナイト(=バットマン)が夜の闇に消え、一瞬にしてヒーローから逃亡者となってしまったあの夜から8年。地方検事ハービー・デントの死の責任を一身に背負い、ダークナイトは、ゴードン市警本部長とともに目指した大義のために、すべてを犠牲にした。その嘘はしばらくの間、うまくいった。犯罪防止のために制定されたデント法の重圧を受け、ゴッサム・シティーにおける犯罪活動がことごとく潰されたからだ。
そんななか、ひとりの狡猾な泥棒の登場をきっかけにすべてが変わる。猫のようなしなやかさをもつその怪盗は、その犯罪の真意も謎に包まれていた。しかし、ゴッサムとダークナイトにとっての真の脅威は、覆面テロリスト、ベインの出現だ。ゴッサムを恐怖のどん底に陥れるベインによって、ブルース・ウェインは自ら課した“潜伏期間”を切り上げざるを得なくなる。そして再びケープとマスクを身にまとうのだが、ダークナイトでさえも、ベインを倒すことはできないかもしれない……。


クリストファー・ノーラン監督3作目にして完結編となる本作。
実は1作目『バットマン ビギンズ(2005)』はヒーローの誕生という大事な物語であるものの、あまり好きじゃなくて1回しか観てない。師にして敵となったラーズ・アル・グールにも、あまり魅力を感じなかった。
TheDarkKnight_00しかーし、2作目『ダークナイト(2008)』。
これをつまらなかった、という人はあまりいないだろう。映画館で観たのだが、初っぱなのヒース・レジャーの後ろ姿ですでにやられてしまった。そして続く銀行襲撃からたくさんのスクールバスの場面までのスピード感ある見事というしかないシーンが続き、観客はすっかりジョーカーの思いのままに操られているのに気がつかない。
良心のかけらも持たないジョーカーに。笑いながら泣いているジョーカーに-。

そしてあの結末。全ての悪を飲み込んだまま、闇に消えていくダークヒーロー。追いかけていく警官と警察犬。あまりの理不尽さに、追っていく警官達に怒りさえ覚えた、あの最後。

そして本作『ダークナイト ライジング』。
原題の‘Rises’とは、「昇る」「舞い上がる」「飛び立つ」の意味だ。

    
TheDarkKnightRises_32本作はあの夜から8年経っている。愛するレイチェルを亡くし、バットマンを闇に葬ったブルースはすっかり世捨て人のような暮らしぶり。心だけでなく、身体にも相当なダメージが残っており、杖無くしては歩けない。
執事のアルフレッドは屋敷から外に出ようともしない主人が心配である反面、命を懸けての戦いに出向かないブルースにほっとしてもいる。
ゴッサム・シティは、バットマンの犠牲とゴードンによって作られた‘デント法’により犯罪者を次々逮捕、収監し、犯罪率が大幅に減って、警官達が暇を持てあますほど平和で安全な街となっている。しかし、次なる悪はすぐそこまで忍び寄る。

ベイン
TheDarkKnightRises_28妙なマスクを付けたこの男は密かに地下組織を結成した上、ゴッサム・シティを街ごと灰と化す計画をたて、今まさにそれは始められようとしていた。

今回の敵はこの男だ。謎の男ベイン。‘pain(痛み)’にかけられたような名を持つ男。屈強な筋肉と冷徹な心を持ち、この男が活躍する飛行機を舞台にした今回のオープニングもなかなか迫力がある。
ブルーレイの特典映像(レンタルディスクではスマホなどとリンクさせて観るようになっていた)では、つり下げられた飛行機や飛んでいる飛行機から飛び出す4人など、出来る限り実写したとのことだった。
今までの敵と比べると少し地味だが、腕っ節は強く付けているマスクにも意味がある。
(演じているのはトム・ハーディで、イメージの違いからか何度見てもこの筋肉が本物と思えないゾ。)

飛行機の中で何が?
TheDarkKnightRises_57CIAに引き渡されたパヴェル博士と、彼を拉致しようとしていたベインの手下。CIAはベインの手がかりを得ようと手下に尋問を始めるが、その手下の一人こそがベインだと気づくも時すでに遅し。
ベインの別飛行機から手下4人が遺体を一つ持って1200mの高度の中乱入。遺体に博士の血を移す事で博士死亡を偽装し飛行機を墜落させる。
後に作中で「3年前の墜落で博士は死んだはずだ」とあるので、この墜落はベインがゴッサム・シティに登場する3年前のことらしい。

歴代の敵たちもご紹介

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ゴッサム・シティの地下部分にアジトを作り、何年もかけて練られたベインの完璧な計画が動き出す。地上にその姿を現したベインはさくさくと事を進め、敵ながら素晴らしい演説をもってゴッサム・シティを乗っ取った。
これらをニュースで見たブルースは今こそバットマンが蘇るときだと感じ動き出すが、ぼろぼろのその身体で戦うことが出来るのか?

TheDarkKnightRises_42ベインのゴッサム・シティ殲滅計画に平行してベインやブルースの周りをうろつくキャットウーマンことセリーナ・カイル
食べていくために盗みをする泥棒猫だが、今回関わったベインのあまりの危険さに国外逃亡を企てようとするが失敗。バットマンにとって敵か味方か。それは最後までわからない。
※今回は‘ミャーオ’とは鳴きません。

TheDarkKnightRises_35序盤で怪我して動けないゴードンを助ける、若い警官ジョン・ブレイク。正義感あふれる彼は孤児の設定で、爆破されようとしている街で、子供達を助けるためには決して最後まであきらめない。
ブルースとも堂々と渡り合い、バットマンの手助けをする。ゴッサム・シティの「希望」と言えるだろう。

今回の見所の一つは、肉弾戦。
バットマンとベインはもちろんのこと、(「このマヌケめ」と思われがちだった)警官達とベイン一派の、まるでローマ軍の戦かと思えるような大乱闘。
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「やれぇ!行けぇーー」と声援を送ったのは私だけではあるまい

大乱闘の中もゴッサム・シティ殲滅計画は着々と進められ、核爆弾が街をいく。ゴードンを始めとしてブレイクや他の警官達がなんとか阻止しようと試みるが、もはや、この爆弾を止めることが出来るのは、あの男バットマンしかいない-。

    
ブルースが奈落で見たもの、全てが終わりアルフレッドがヨーロッパの街で見たものとは、夢か希望か幻か、、それとも現実だったのか。
それらが何にせよ、人々が決して忘れないよう、ゴッサム・シティのために新たなる偶像となることを決意したバットマン。
彼はもう充分に使命を果たした。自らの道を進むことを自分に許す時はきたのだ。

この記事『3時10分、決断のとき』でも書いたように、少し苦手なクリスチャン・ベール。しかしその出演作はアクションであれ、サスペンスやドラマものであれ、とても面白くほとんど観ている。そんな彼が『バットマン ビギンズ(2005)』でバットマンを演じると聞いたとき、「ちょっと線が細くないですか?」と思ったものだった。
バットマン
TheDarkKnightRises_56このパワフルでありながら繊細で、クリスチャン・ベールと同じように一言で言い表すことが難しい苦悩のヒーローは、旧作でもクリストファー・ノーラン監督の新シリーズでも、その黒装束で闇にまぎれ、決して表には出てこない。
また『バットマン』と言えば派手な適役の存在も欠かせないが、ノーランシリーズでは敵だけに限らず、その他の魅力的な登場人物が浮き彫りにされ、闇に包まれたゴッサム・シティを明るく照らし出す手助けをする。

バットマンは言う。
この街は君たち市民のものだ。
それが悪の手に落ちないように手助けするのは自分だが、あくまでも主役は君たちだ。
自分で守れ、自分の街を-

ではまた